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「電子帳簿保存法」改正後のポイント

電子帳簿保存法改正の背景

電帳法で認められている保存方法には「電子データ保存」と「スキャナ保存」があります。

国税関係帳簿や書類は「紙での保存」が原則ですが、保存にかかるコストや事務的負担を軽減するため、電帳法によって電子データでの保存が特例として認められました。

これまでも何度か法改正も時代に合わせて法改正が行われてきました。

 

ここ数年コロナ禍によるリモート作業の増加が後押しとなり、DX(デジタルトランスフォーメーション)が推進され、社会のデジタル化がものすごい勢いで進んでいます。

そのなかで電帳法で認められている保存方法にも見直しが入りました。

 

電子帳簿保存法の6つのポイント

事前承認制度の廃止

今回の改正により、事前承認制度が廃止されました。これまでは電子的に保存するためには、保存しようとする時期の3カ月前までに税務署に届け出る必要がありました。それが撤廃され、事前準備に要する作業や時間を削減することが可能になっています。

タイムスタンプ要件の緩和

国税関係書類をスキャナで読み取った際、受領者が署名したうえで 3 営業日以内にタイムスタンプを付与する必要がありましたが、自署不要で最長2か月まで延長されます。電子データの修正・削除をした履歴を残せるシステムで時刻認証機能を備えたクラウドサービス等での保存も可能となります。

スキャナ保存における適正事務処理要件の廃止

スキャナ保存に関して、不正防止のため必要だった「社内規程の整備」や「相互けん制」「定期的な検査」といった適正事務処理要件が廃止されます。原本は、スキャナで読み取った後すぐに破棄が可能になり、事務処理担当者も1名でも対応可能となります。

検索要件の緩和

電子データ保存・スキャナ保存について、現行法で求められてきた検索性の要件が、今後は「日付」「金額」「取引先」の3項目に限定されます。

電子取引データの厳格な保存

書面を印刷して保存することすることが廃止されるため、必ず電子データとして保管することが必要になります。改正電子帳簿保存法が施行される 2022 年 1 月 1 日以降は法令で定めた要件に従ってデータ保存することが必要です。

罰則規定の強化

要件が緩和された一方で不正の抑制のため、罰則規定が強化されました。

電子データの記録に改ざん等が把握された場合には、通常課される重加算税の額にさらに当該申告漏れに対する税額の10%の金額が加算されます。また、電子取引の電子データ保存義務化に対して対応が為されていない場合、青色申告の取り消し処分が課される可能性があります。

まとめ

業務のデジタル化が急速に進んでいます。

近い未来様々な手続き・書類がデジタル化され、それが当たり前の時代はもうすでに来ています。

近い未来を見据えた対応を早めに進めておきましょう。

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