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平成29年税制改正大綱について

税理士法人サポートリンクの東石です。今回は昨年末に閣議決定された平成29年度の税制改正大綱について個人的に気になった内容をいくつかご紹介いたします。

 
まず、一番影響が大きい改正は配偶者控除と配偶者特別控除の改正でしょう。これは、前回以前の記事でも数回取り上げられておりますが、配偶者特別控除は幅が広がり納税者にとって有利な改正となり、一方で配偶者控除は世帯主の所得制限が設けられ高所得世帯には実質増税となります。具体的には、配偶者特別控除はその適用が最大に受けられる配偶者の年収が103万円から150万円に拡充され、最終的に控除が受けられなくなる年収も現在の141万円から201万円まで拡充+されます。配偶者控除につきましては、これまで世帯主の年収は無制限でしたが、この改正により年収1,120万円を超えると配偶者控除の金額が段階的に減額され、1,220万円を超えると控除額は0になります。
この改正は平成30年1月以降からとなります。

 

二つ目は、ついに来たかというタワーマンションの固定資産税についての改正です。現在のタワーマンションの固定資産税につきましては、その階数に関係なく床面積を基準として決定されておりました。しかし、一般的にタワーマンションは高層階に上がるにつれ価格が高くなる傾向にあり、低層階と高層階の課税価格にはギャップがありました。また、この固定資産税の基準となる価額は、相続税の評価額にも適用されますので、本来市場価値があるにも関わらず、相続時に低く評価されるというギャップが生じ、富裕層による節税の一手段にもなっております。
この改正は平成29年4月以降売買契約の60m超のマンションが対象となり、低層階と高層階は10%以上の税率差が生じる見通しです。
今回は固定資産税の改正ですが、これを皮切りにいずれは相続税の評価についても改正があるものと考えられます。

 

最後は改正ではないですが、法人税率の特例措置の延長です。現在資本金1億円以下の中小企業の税率には特例が設けられており、年800万円以下の所得に対しては15%の税率となっております。ただし、この15%というのは、平成29年3月末までの予定ですので、期限が切れると本来の法人税率19%に戻ってしまうところでした。それが今回の決定により2年間延長されることになりました。
道府県民税や市民税は法人税を基準として計算されますので、法人税が上がるとそれに連動して上がってしまいます。法人税率は現状では年々下がる傾向にありますので、しばらくはこの特例も続くものと思いますが、決定されると安心するものです。

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