• その他の税金

地方交付税について

今回の新着情報は、地方交付税交付金について記載致します。

 

地方交付税交付金とは、国が地方自治体に対して一定の行政水準を保つために交付する金員のことで、地方行政を遂行するために財源が少ない地方自治体に配分し、地方自治体間の地方税収の不均衡による財政力を調整する機能を果たします。目的としては、地方公共団体の行政運営の自主性を損なわない程度に財源の均衡化を図り、必要な財源の確保と交付基準の設定を国が行い地方行政の運営を保障することにより地方自治の本旨の実現と地方公共団体の独立性を強化すること企図しております。現状、国と地方公共団体の支出の比率は約2対3で、税収の比率は3対2になっており、国が地方公共団体へ地方交付税交付金を交付することによりこの比率を補完しております。

 

地方交付税は、昭和29年(1954年)から導入されており半世紀以上の歴史があります。地方交付税の前身は地方財政平衡交付金制度であり昭和25年に創設されております。地方税制平衡交付金制度は、各地方公共団体の標準的な財政規模を算定した上で、 その地方公共団体の財源不足額を保障するもので、 地方公共団体にとって満足できる内容でありました。しかし、 支給額に一定の枠が無かったことから、 実際には、 理想通りには運用されず、 毎年の地方税制平衡交付金の総額は、 地方の財源不足額に対してかなり低い金額で交付されました。 その結果、 地方公共団体の地方税制平衡交付金制度への不信感が募り、 昭和28年(1953年) に破綻しました。 翌年昭和29年(1954年)、 地方税制平衡交付金の欠点を補う形で、 地方交付税制度が創設されました。

 

地方交付税は、普通交付税と特別交付税に分かれており、普通交付税は財政が厳しい自治体に対して他の自治体と行政サービスに極端な差が出ないように交付されるもので、特別交付税は特別の事情がある場合や普通交付税が財政需要に対して極めて低い場合に交付されます。地方交付税交付金は、国から使途が特定されていない一般財源として交付され、その収入割合は地方収入の約18%を占めております。一般財源に対して特定財源がありますが、これは使途が特定されており、国庫支出金や分担金がこれに当てはまります。地方交付税は、法人税及び所得税の33.1%、酒税の50%、消費税の22.3%、2014年から徴収されている地方法人税全額をもって賄われております。普通交付税は、地方公共団体が行政を遂行するために必要な経費を推計したものである基準財政需要額が地方公共団体の標準的な地方税収額である基準財政収入額を超える地方公共団体に交付され、地方交付税交付金のうちの95%程を占めております。

 

地方交付税の問題点としましては、地方交付税は収入額を大きく超えて交付されており、国の地方交付税特別会計の借入金は50兆円を超えており、このままではこの制度も破綻してしまう可能性が高くなっております。このように借金が膨らんだ要因としましては、地方公共団体は、財源不足になると地方交付税交付金が交付されるので、自らの自治体で努力して歳入を増やしたり、歳出を圧縮する努力を怠っている事が挙げられます。これらを是正するには、現状の税制では、課税所得800万円までは、法人税率が15%になっておりますが、これを例えば8%にし、残りの7%を地方公共団体に回し、地方交付税交付金を大幅に減少させるなどの施策も必要になるのではないでしょうか。

神戸で税理士をお探しなら税理士法人サポートリンクにお任せください。