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仮想通貨の税務

神戸市中央区にある税理士法人サポートリンクの柴崎です。

 

今回は、国税庁が昨年12月1日に慌てて発表した仮想通貨の所得の取扱いについて、取り上げたいと思います。まず、仮想通貨を売却したり、仮想通貨で商品を購入したり、仮想通貨と仮想通貨を交換したりした場合の所得は、雑所得扱いとなります。ただし、事業所得者が、事業用資産として仮想通貨を使用し決済手段として使用した場合には、その使用により生じた所得については、事業所得扱いとなります。また、仮想通貨取引により生計を立てていることが客観的に明らかである時もその所得は事業所得扱いとなります。

 

ご存じかもしれませんが、雑所得は雑所得以外の所得と通算することはできません。所得税法上、給与所得・不動産所得・事業所得・譲渡所得・山林所得のみが他の所得と損益通算できることになっているからです。したがって、仮想通貨の売却等でたとえ損失が発生しても、他の所得と通算することはできません。

 

仮想通貨を利用した証拠金取引がありますが、これは外国為替証拠金取引のように、申告分離課税の適用はありません。総合課税により申告していただく必要があります。仮想通貨の証拠金取引は、金融商品取引法等に基づき行われる商品先物取引等・金融商品先物取引等・カバーワラントの取得等とされておりますから、仮想通貨の証拠金取引は、これらのいずれの取引にも該当しませんので、申告分離課税は適用されず、その所得は総合課税による雑所得として申告する必要があります。

 

仮想通貨をマイニングにより取得した場合、その所得は、事業所得又は雑所得となります。この場合の所得金額は、収入金額(マイニングにより取得した取得した仮想通貨の取得時の時価)から必要経費(マイニング等に要した費用)を差し引いた金額です。なお、マイニングにより、取得した仮想通貨を売却又は使用した場合の所得計算における取得金額は、仮想通貨をマイニングにより取得した時点での時価となります。

 

8月のビットコインの分裂騒動では、新たにビットコインキャッシュが誕生しました。保有する仮想通貨分裂した場合、新たに誕生した仮想通貨は分裂した時点で保有していた仮装通貨と同じだけ自動的に取得することになります。実に摩訶不思議なことですが、何故そのようなるのかは知りません。

 

このように仮想通貨の分裂に伴い、経済的価値のあるものを取得した場合には、その取得時点の時価を基に所得金額を計算しますが、分裂時点においては取引相場がなかったため、分裂時点の価値はなかったものと考えられます。したがって、その課税時点では所得が生じず、その新たな仮想通貨を売却又は使用した時に所得金額が生じることになります。なお、その場合の取得金額は0円となります。

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