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住民税と所得税の違い

税理士法人サポートリンクの前田です。

今日は個人にかかる住民税についてお話しします。

 

住民税とは、道府県民税と市町村民税の事を言います。良く所得税と混同される方がいらっしゃいますが、所得税は国に対して支払う国税で、住民税は県や市に支払う地方税となります。

両方、所得に応じて税額が変わる点などは似ているのですが、異なる点がいくつかありますので、違いをご説明します。

①住民税の税額の決定

所得税の場合は、納税者が自分で納税額を計算し、申告書の提出と共に税額を納付する「申告納税方式」です。それに対し、住民税は、地方自治体が税額を計算して、納税者は地方自治体から送られてくる納税通知書にしたがって納付する「賦課課税方式」となります。

②計算期間

所得税の計算は平成29年1~12月の所得分を平成30年2月16日~3月15日までに計算し、納付します。

住民税の計算は平成29年1~12月の所得分を平成30年6月~平成31年5月までで支払います。(特別徴収の場合)

計算期間は同じですが、所得税はその年が終わった後すぐに申告・納付。住民税は1年遅れで納付という感じになっています。

③納付方法

住民税の納付方法は2パターンあります。普通徴収と特別徴収です。

普通徴収は、6月ごろに税額通知書(納付書)が自宅に送られてきます。納付は年4回の分割で行うか一括で行うか選択する事ができます。市町村によって納付期限が異なる事があるようですが、一般的には年4回の場合は、6月、8月、10月、1月の末日が納付期限となっています。一括の場合は6月末となります。また、普通徴収の場合は、納付書を使い郵便局や金融機関、コンビニ等で納付するか、銀行口座からの自動引き落としにより納付する事ができます。

特別徴収は、給与から天引きされる形で、12回に分けて納付します。現在、地方によって温度差が若干ありますが、特別徴収による納付をするよう指導や誘導が行われています。地方自治体としては、職場が天引きしてくれた方が、未納の人を減らせるという事なのでしょうが、まだ従業員を雇い入れていない社長一人の会社などでは、毎月、郵便局や金融機関で納付する必要がある特別徴収より、銀行口座からの自動引き落としを選択できる普通徴収の方が、未納が防げるかと思うのですが、どこまで自治体が状況を把握してやっているかは、分からない所です。

④住民税の税率

住民税には均等割と所得割の2つがあります。均等割りは、所得に関係なく定額で負担する税金です。所得割は、前年の所得に税率をかけて計算します。均等割は県と市を合わせて5000円ぐらい、所得割は県・市を合わせて10%ぐらいとなります。地方自治体によって前後します。ちなみに兵庫県神戸市の均等割は5800円です。

⑤所得控除の違い

所得税と住民税では、所得控除の額に違いがあります。

なぜ、同じにしていないのかはわかりませんが、見ての通り住民税の控除額の方が小さくなっています。

  所得税 住民税

配偶者控除

()内は70歳以上

38万円

(48万円)

33万円

(38万円)

配偶者特別控除 3~38万円 3~33万円
扶養控除 38万円 33万円
扶養控除(特定扶養親族) 63万円 45万円
扶養控除(老人扶養親族) 48万円 38万円
扶養控除(同居老親等) 58万円 45万円
障害者控除 27万円 26万円
障害者控除(特別障害者) 40万円 30万円
障害者控除(同居特別障害者) 75万円 53万円
寡婦(寡夫)控除 27万円 26万円
特定の寡婦 35万円 30万円
勤労学生控除 27万円 26万円
基礎控除 38万円 33万円
生命保険料控除 10万円(最大) 7万円(最大)
地震保険料控除 5万円(最大) 2万5千円(最大)
⑥住民税の納税に困ったとき

住民税は前年の所得に対して計算した納税額を納付するため、去年まで働いていたが、今年は無職になったなど、急激に所得が減ってしまい納税が難しくなる事が想定されます。その救済措置などが各市町村で行っていたりしますので、お住まいの市町村に問い合わせてみましょう。

⑦所得税の確定申告と住民税

普段から所得税の確定申告をされている方は良いのですが、会社にお勤めの方は、年末調整があるので、確定申告をしない人が多いかと思います。そういった方でたとえば、医療費控除の申告をすれば、所得税がいくらか戻ってくる場合、その申告をすればその後の住民税も減額されますので、所得税の還付金額と手間を比較してやるかやらないか判断するのではなく、さらに住民税が減額されることも計算に入れて考えてもらった方が良いかと思います。

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