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年末調整の段取り

こんにちは。税理士法人サポートリンク前田です。

 

あと、2月ちょっとで今年も終わります。年末には、年末調整を行います。皆さんの年末調整のイメージはどのようなものでしょうか。会社員の方からするとお給料の手取り額が少し増えるものと言う比較的良いイメージがあるかもしれません。ただ、経理担当者さんからすると、1年を通じた仕事の中で大変なイベントの1つかと思います。今回はそんな年末調整について経理担当者さんの段取りについてお話ししたいと思います。

 

1.年末調整とは

年末調整とは次のように規定されています。
「給与所得者の扶養控除等申告書を提出した居住者で、第1号に規定するその年中に支払うべきことが確定した給与等の金額が2千万円以下であるものに対し、その提出の際に経由した給与等の支払者がその年最後に給与等の支払をする場合において、第1号に掲げる所得税の額の合計額がその年最後に給与等の支払をする時の現況により計算した第2号に掲げる税額に比し過不足があるときは、その超過額は、その年最後に給与等の支払をする際徴収すべき所得税に充当し、その不足額は、その年最後に給与等の支払をする際徴収してその徴収の日の属する月の翌月10日までに国に納付しなければならない。」(所得税法190条一部抜粋)
要約しますと、「要件に該当する給与所得者(会社員や役員など給与をもらっている方)の12月の給与を支払う際に、給与支払者(職場)は給与所得者の所得税の金額を調整しなさい。」と言っています。
なぜ、このような事をする必要があるかと言うと、給与所得者の所得税の納付方法にあります。
所得税法では次のようなルールがあります。
「居住者に対し国内において第28条第1項(給与所得)に規定する給与等(以下この章において「給与等」という。)の支払をする者は、その支払の際、その給与等について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月10日までに、これを国に納付しなければならない。」(所得税法183条一部抜粋)
つまり、給与所得者の所得税は、職場が給与支払い時に所得税分を天引きする形で預かり、給与を支払った翌月に本人に代わって税務署に納付しなければなりません。
ただ、毎月の給与から天引きする金額は、概算金額なので、本来1年間で納めるべき金額と誤差が出てきます。その誤差を年末に調整しているのです。そして、通常は毎月徴収された金額の合計額の方が大きくなるため、12月の給与では、源泉所得税の金額を減らしたり、場合によっては預かりすぎた税金を返したりします。そのため、手取り金額は増える事が多くなります。

 

2.タイムスケジュール

年末調整のタイムスケジュールはおおよそ次のようになります。
① 8月~11月くらいに保険会社などから控除証明書が各給与所得者に届きます。
年末調整に必要になるので無くさないように保管しておいてもらう必要があります。経理担当者の方は社内にアナウンスするのも良いでしょう。また、無くしてしまった方がいた場合は通常再発行してもらえるので、保険会社等に連絡して再発行の手続きをするように伝えましょう。
② 10月の終わりごろに税務署から年末調整関連の書類が職場に届くので、給与所得者に申告書類を配布し、記載してもらいます。※枚数が従業員分無い場合には、インターネットから印刷する事ができます。
③ 11月に経理担当者は②で配布した申告書類と①の控除証明書を回収します。この回収時期については、年末調整を行う件数等を加味して、12月の給与までに、余裕を持って年末調整の処理が終わるよう逆算して期限を決めましょう。
④ それぞれの給与所得者の所得税額を計算します。
⑤ 12月の給与で給与所得者への所得税の調整をします。
源泉徴収票を従業員に渡します。
⑥ 1月10日までに所得税を納付します(納期特例の時は1月20日)
⑦ 1月末日までに給与支払報告書などを提出します。

 

3.集める資料

最後に上記2の③で従業員から回収するものを確認します。回収する物は以下の通りです。①②はほぼすべての従業員から回収しますが、③~⑧は該当者のみから回収します。
① 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
② 給与所得者の保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書
③ 生命保険(一般生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料)の控除証明
④ 地震保険料・旧長期損害保険(H18.12迄契約期間10年以上)の控除証明
⑤ 小規模企業共済等掛金の控除証明
⑥ 自分で支払いを行っている社会保険料(国民年金、国民年金基金等)
⑦ 住宅借入金等特別控除申告書
⑧ ⑦を証明する、銀行及び住宅金融公庫等融資先の年末現在の残高証明書

 

4.最後に

この年末調整の時期は、経理担当者さんは大変かと思いますが、前もってしっかり段取りを行って、切り抜けましょう。