軽減税率導入で、経理担当者が知っておいて欲しいこと

公認会計士の柴崎です。消費税が増税され早1か月が経過しました。本当なら9月に消費税のセミナーを顧問先様対象に実施したかったのですが、ちょっとゴタゴタしておりまして、実施できずに申し訳ありません。

10月より、消費税は基本10%になりました。ただし、①酒類・外食を除く飲食料品②週2回以上発行される定期購読の新聞は軽減税率8%が適用されます。①については、宅配やテイクアウトの場合も、軽減税率8%が適用されます。したがって、仕訳入力する際には細かくレシートや請求書を確認しながら税率を変えていかなければなりません。また、経過措置として、(1)10月以降に実際に利用する航空券や電車・バスの定期代などは、9月末までに購入しておけば旧税率8%が適用されます。(2)電気・ガスや電話料金などは、10月31日までに料金が確定するものは、同じく旧税率8%となります。(3)ファイナンスリース契約はリース開始日の消費税率(ほとんどは旧税率8%)が適用されます。

今後、経理担当者として注意しなければならないことは、軽減税率の導入によって、1枚の請求書や領収書の中に「8%の仕入」「10%の仕入」、業種によっては「8%の売上」「10%との売上」と、4種類の消費税区分の仕訳が発生することになります。会計処理の際には、どの取引がどの税率なのか、それぞれの合計金額に相違はないのかをチェックしなければならなくなるため、入力や確認の手間は間違いなく増大します。また、経費精算処理においても、手土産や贈答品については、飲食料品を購入したのか、それとも飲食料品以外を購入したのかよって適用される税率が変わります。購入先の店が記載している内容が正しいのかチェックするため、経費精算の時には領収書を受け取るだけでなく、その摘要欄まで詳しく確認する必要があります。しばらくは、レシートや請求書を丹念に確認する必要がありますね。

 

この記事を書いた人

税理士 柴崎 照久