残業代の割増賃金について

社労士業務担当の谷口です。残業代についてのお話をさせていただきます。割増賃金の基礎となる賃金から除外できる手当は以下の7つです。

1.家族手当、独身者に支払われている部分は該当しません。

2.通勤手当、一定額までは距離にかかわらず一律に支給する場合は、一定額部分は該当しません。

3.別居手当4.子女教育手当5.住宅手当、一律に支払われる住宅手当や、賃貸住宅2万円・持家居住者1万円という定額、また扶養家族あり2万円・独身1万円など住宅手当以外の要素に応じて支給される場合は該当しません。賃貸住宅居住者には家賃の一定割合、持家居住者にはローン返済額の一定額を支給することとされているものは該当します。

6.臨時に支払われた賃金7.1カ月を超える期間ごとに支払われる賃金、賞与や1ケ月を超える期間の成績等によって支給される場合は該当します。しかし、月ごとに手当額を算定し、これをまとめて四半期間ごとに支払うというような場合は、除外できません。

上記の7つは限定的に列挙されたものですので、これらに該当しない賃金は全て割増賃金の基礎賃金となります。(年3回以内の支払は賞与となります)もし、割増賃金の基礎賃金に算入していない場合は、未払い残業代となります。残業代は分単位での計算です。ただし、月の合計残業時間数を30分未満切り捨て、30分以上切り上げを同時に採用する事はできます。未払い残業代について裁判になれば、付加金が加算される場合もあります。その未払い残業代の時効が変わる可能性がでてきました。現在、賃金債権の時効は労働基準法では2年です。2020年4月1日より民法改正により民法での消滅時効は5年となります。まだ、賃金債権を民法に合わせるとの結論はでていませんが、民法と同じ時効が5年になる可能性はあります。認識の誤りにより、未払い残業代が発生する事のないよう、ご確認をお願いいたします。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

 

この記事を書いた人

谷口