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法人が行う寄附金について

法人が行う寄附については、損金に算入できる金額が決められております。一般的なイメージでは寄附というと損金になりそうなものではありますが、過度な利益処分を抑止するという観点も含めて、寄附金はその相手方や寄附を行う会社の資本、所得の状況に応じて損金算入の限度額が計算され、その限度額を超える部分の金額は損金に算入することが認められません。

 

まず寄附金とは、寄附金、拠出金、見舞金その他いずれの名義をもってするかを問わず、内国法人が金銭その他の資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与(広告宣伝及び見本品その他これらに類する費用並びに交際費、接待費及び福利厚生費とされるものを除く)をした場合の当該金銭の額若しくは金銭以外の資産のその贈与の時における価額又は当該経済的な利益のその供与の時における価額によるものとする。(法人税法37条⑦)

 

つまり、名目が何であれ対価性のない支出については、金銭の贈与でも、金銭以外の資産の贈与でも、その金額もしくは贈与時の価額が寄附金とされます。また、資産をその時の価額より低額で譲渡した場合なども、その価額と譲渡額の差額のうち、実質的に贈与したと認められる部分の金額も寄附金という扱いになります。

 

【損金算入限度額】

(1)一般寄附金

〔資本金等の額 ×(当期の月数/12)×(2.5/1,000)+所得の金額×(2.5/100)〕×(1/4)

ここで言う所得の金額とは、法人税申告書別表4仮計25の金額となります。

例えば、資本金1,000万円の1年決算の法人が、その事業年度の年間所得(別表4仮計25の金額)が500万円だった場合、(1,000万円×12/12×2.5/1,000+500万円×2.5/100)×1/4=37,500円が一般寄附金の損金算入限度額となります。ですので、この法人が10万円の一般寄附金をした場合、37,500円のみ損金に算入され、残りの67,500円は損金に算入されないことになります。

ただし、完全支配関係がある他の内国法人に対する寄附金や、国外関連者に対する寄附金はその全額を損金に算入することができません。

 

(2)特定公益増進法人等への寄附金

〔資本金等の額 ×(当期の月数/12)×(3.75/1,000)+ 所得の金額 ×(6.25/100)〕×(1/2)

特定公益増進法人等とは下記の法人をいい、その法人の主たる目的である業務に関連する寄附金については、一般寄附金より損金算入限度額が大きくなります。

①独立行政法人

②地方独立行政法人のうち、一定の業務を主たる目的とするもの

③自動車安全運転センター、日本司法支援センター、日本私立学校振興・共済事業団及び日本赤十字社

④私立学校法第3条に規定する学校法人で学校の設置若しくは学校及び専修学校若しくは各種学校の設置を主たる目的とするもの又は私立学校法第64条第4項の規定により設立された法人で専修学校若しくは各種学校の設置を主たる目的とするもの

⑤社会福祉法人

⑥更生保護法人

 

(3)国等に対する寄附金、指定寄附金

国又は地方公共団体に対する寄附金及び指定寄附金は、その全額が損金の額に算入されます。これには国又は地方公共団体に対して義援金等を直接的に寄附した場合や、一定の義援金等の募集を行う募金団体(日本赤十字社、新聞や放送等)に対して直接寄附をしたもので、最終的に国や地方公共団体に帰属するものも含まれます。

また、指定寄附金とは、公益社団法人、公益財団法人その他公益を目的とする事業を行う法人又は財団に対する寄附金のうち、①広く一般に募集されること、②教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に寄与するための支出で緊急を要するものに充てられることが確実であること、という要件に該当するものをいいます。

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