対象外取引
税理士法人サポートリンクの吉平です。
消費税には課税、非課税、免税、対象外(不課税)がありますが、今回は消費税の対象外取引について紹介させていただきます。
消費税は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡や貸付け、役務の提供が課税の対象となっておりますので、下記のような取引については課税の対象となりません。
(1) 給与・賃金・・・・雇用契約に基づく労働の対価であり、「事業」として行う資産の譲渡等の対価に当たらないからです。
(2) 寄附金、祝金、見舞金・・・・一般的に対価として支払われるものではないからです。
(3) 無償による試供品や見本品の提供・・・・対価の支払いがないからです。
(4) 保険金や共済金・・・・資産の譲渡等の対価といえないからです。
(5) 株式の配当金やその他の出資分配金・・・・株主や出資者の地位に基づいて支払われるものであるからです。
(6) 資産について廃棄をしたり、盗難や滅失があった場合・・・・資産の譲渡等に当たらないからです。
(7) 補助金、奨励金・・・・特定の政策目的の実現を図る給付金であり対価として支払いがないからです。
(8) 会費、組合費等・・・・団体の通常運用のための費用負担金。判定が難しいものは継続して、団体等が資産の譲渡等の対価に該当しないものとし、かつ支払者が課税仕入れ非該当としている場合が対象外。
ですがこのうち会費名目であっても、実質的に出版物の購読料等に該当する場合は課税の対象となります。
(9) 入会金・・・・社会団体、同業者団体の入会金は(8)に準じて取り扱います。なおゴルフクラブ等の施設利用、入会金は除きます。
(10) 借家保証金、権利金等・・・・返還する保証金。なお保証金のうち一定の事由の発生による返還不要額は課税の対象となります。
(11) 心身又は資産について加えられた損害の発生に伴い受ける損害賠償金・・・・対価として支払われるものではないからです。
しかし、損害賠償金でも、例えば次のような場合は対価性がありますので、課税の対象となりますのでご注意ください。
イ 損害を受けた棚卸資産である製品が加害者に引き渡される場合で、その資産がそのままで使用できる場合や、
軽微な修理をすれ ば使用できる場合
ロ 無体財産権の侵害を受けたために受け取る損害賠償金が権利の使用料に相当する場合。
ハ 事務所の明渡しが期限より遅れたために受け取る損害賠償金が賃貸料に相当する場合
(消法2、4、消基通5-1-1~2、5-2-4~5、5-2-8、5-2-13~15、5-5-3~4、5-4-3)
このような項目が消費税の対象外取引となってきます。
給与や保険金になぜ消費税が課されていないのか?がとれた人もいるのではないでしょうか。
ちなみに非課税取引も消費税が課されることはない点では同じですがこちらは消費税法で意味が異なります。
今回は非課税の説明は省かせいただきます。
また非課税については説明させていただくかもしれません。