免税店とはどんなお店?
皆さんこんにちは。今回は、街中で見かける「免税店」や「TAX FREE」と書かれたお店についてお話ししたいと思います。
これらのお店の事を「輸出物品販売場」と言いまして、何の税金が免除されるかと言えば、消費税が免除されます。ただ、このブログを読んだ方が免税店へ行って買い物をすれば、きっちり8%の消費税を取られる方がほとんどかと思います。免税になるにはいくつか要件があり、すべてを満たす必要があります。では、一つ一つ見ていきましょう。
①買い物客の要件
輸出物品販売場で消費税が免除されるのは、非居住者(国内で住んでいない人・例、日本に来た外国人の旅行者など)となります。
消費税は、国内における物などの消費に対してかかる税金ですので、外国の方が自国に持ち帰って消費する物(お土産など)については、免除される事になります。
②お店の要件
輸出物品販売場で買わないと消費税は免除されません。①の考え方から言えば、どの店で買っても非居住者は、免税で買えるべきなのでしょうが、本当に自国に持ち帰ってから消費するのか、チェックする必要もありますので、必要な手続きができるお店である必要があります。
輸出物品販売場は、次の要件を満たす事業者で、事前に納税地の所轄税務署長の許可を受けなければ、免税店として営業はできません。
(ア) 現に国税の滞納がないこと
(イ) 輸出物品販売場の許可が取り消され、その取り消しの日から3年を経過しない者でないことその他輸出物品販売場を経営する事業者として不適当と認められる事情がないこと
③商品の要件
免税店に売っている物ではあれば、何でも消費税が免除されるわけではありません。以下のすべての要件を満たす必要があります。
(ア) 通常生活の用に供する物品である事(購入者が事業用に使う場合や、転売する目的の場合が明らかな場合は免除されません)
(イ) 金又は白金でない事
(ウ) 次に掲げる区分に応じ、同一の輸出物品販売場において、同一の日に譲渡するものの税抜対価の額の合計額がそれぞれの範囲のもの
(a) 一般物品(消耗品以外のもの)
5千円以上のもの
(b) 消耗品(飲食物、薬品、化粧品など)
5千円以上かつ50万円以下のもの
④書類の保存の要件(お店側の要件)
購入者契約書、旅券等(パスポート)の写し(電磁的記録を含む)を販売した日の属する課税期間の末日の翌日から2月を経過した日から7年間保存する必要がある。
⑤購入方法(購入者側[非居住者]の要件)
次の要件を満たす必要がある。
(ア)一般物品の購入の場合
(a) 旅券等を提示し、購入記録票の貼付けを受け、旅券等と購入記録票との間に割り印を受ける事
(b) 購入後に輸出する(国外へ持ち出す)旨の購入者契約書を輸出物品販売場を経営する事業者に提出する事
(c) 税抜対価の額の合計額が100万円を超える場合には、所持する旅券等の写しを輸出物品販売場の事業者に提出する事
(イ) 消耗品の購入の場合
(a) 上記(ア)(a)と同じ
(b) 購入した日から30日以内に輸出する旨の購入者契約書を輸出物品販売場を経営する事業者に提出する事
(c) 指定された方法により包装されている事(一度開封すると分かるような包装になっています)
以上が輸出物品販売場の税務的なルールとなります。税務のルールからは離れるので、細かく記載しておりませんが、輸出物品販売場の許可を得るには、「お店の立地が非居住者の利用が見込まれる場所であるか」や「④⑤の手続きができる体制が整えられるか」なども見られるようです。
少々手続きに手間を感じるかもしれませんが、2020年には東京オリンピックもありますし、外国人観光客も増えるでしょうから、ビジネスチャンスかもしれません。
(消費税法8条の①②⑥、消費税施行令18の①②⑧⑨)