新着情報

棚卸資産について

在庫を持つ商売は大変だとよく言われます。確かに在庫を持つということは、まだ売上にはなっておらず商品代金を先に投資している状態なので、資金繰りの面でみれば良いものではありません。しかし、物販においては在庫がなければ売上もまた0ですので、在庫の計上は避けては通れません。また、期末在庫については売上原価から差し引く必要がありますので、在庫が多かった場合は、思いのほか利益が出てしまうということもよくあります。今回はその在庫(棚卸資産)についてまとめていきたいと思います。

 

(1)棚卸資産とは

棚卸資産とは、商品、製品、半製品、仕掛品、原材料、消耗品で貯蔵中のもの、その他これらに準ずるもので棚卸をすべきもの(短期売買商品を除く)をいいます。

 

(2)棚卸資産の評価方法

棚卸資産について、その事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入する算定の基礎となる棚卸資産の価額は、棚卸資産の取得価額の平均額をもって事業年度終了の時において有する棚卸資産の評価額とする方法、その他の政令で定める評価方法のうちから選定した評価方法により評価します。

①原価法

原価法とは次のいずれかの方法によって算出した取得価額を期末棚卸資産の評価額とする方法をいいます。

(イ)個別法     個々の棚卸資産の実際の取得価額にて評価する方法

 

(ロ)先入先出法   先に仕入れたものから先に払い出されたとして期末棚卸資産の取得価額を算出する方法

 

(ハ)総平均法    期首の棚卸資産と当期中に取得した棚卸資産の総平均単価をもって期末棚卸資産の取得価額を算出する方法

 

(ニ)移動平均法   棚卸資産の取得の都度、平均単価を算出して期末棚卸資産の取得価額を算出する方法

 

(ホ)最終仕入原価法 期末に最も近い日に取得した単価をもって棚卸資産の取得価額を算出する方法

 

(へ)売価還元法   販売価格に原価率を乗じて、期末棚卸の取得価額を算出する方法

 

②低価法

低価法とは、①の原価法による評価額と、その事業年度終了時における価額とのいずれか低い価額をもって棚卸資産を評価する方法をいいます。

 

(3)評価方法の選定と提出期限について

評価方法の選定は、事業の種類ごとに、かつ棚卸資産の区分ごとに選定する必要があります。そして、その選定方法を下記の日までに所轄税務署長に届出として提出する必要があります。(評価方法を選定しなかった場合は、法定評価方法として最終仕入原価法による原価法により評価しなければなりません。)

①新設法人の場合

設立の日の属する事業年度の確定申告書の提出期限

 

②他の種類の事業を開始した場合、又は事業の種類を変更した場合

その新たな事業を開始、又は変更した日の属する事業年度の確定申告書の提出期限

 

評価方法を変更する場合は、その変更しようとする事業年度の開始の日の前日までに、その旨を記載した変更の承認申請書を所轄の税務署長に提出する必要があります。

 

(4)棚卸資産の消費税について

棚卸資産の消費税の控除については、その商品を販売したか否かは問わず、その仕入れを行った事業年度に税額控除を行うことができます。また、消費税を納める義務がない免税事業者が課税事業者になった場合において、免税事業者の時に仕入れた棚卸資産が残っている時は、その棚卸資産にかかる消費税を課税事業者になった事業年度の課税仕入れとして税額控除を行うことができます。

税法改正により使いやすくなった事業承継税制特例

神戸市中央区の税理士法人サポートリンクの柴崎です。

平成30年度税法改正により、事業承継税制は使いやすくなりました。平成39年12月31日までの10年間この特例措置は利用可能です。具体的には、認定経営革新等支援機関(税理士法人サポートリンクも経営革新等支援機関の認定を受けております)の指導及び助言を受けた会社が作成した承継計画を平成30年4月1日から平成35年3月31日までの5年間に都道府県に提出し、上記の会社の代表権を有する後継者で、同族関係者の内で会社の議決権を最も多く有するものが、贈与又は相続若しくは遺贈により、その会社の非上場株式を取得した場合に亭ヨウされます。

今回の事業承継税制の特例と従来の「事業承継税制」はともに利用可能ですが、両者には相違点もあります。

1.猶予対象株式 従来は発行済み株式の2/3まででしたが、特例では取得した全株式が対象となります。

2.猶予される贈与税額 従来及び特例とも対象株式に係る贈与税の全額が対象となります。

3.猶予される相続税額 従来は対象に係る相続税の80%まででしたが、特例では対象株式に係る相続税の100%となります。

4.贈与者等の要件 従来は代表権を有する又は有していた者だけでした(今回の税法改正により代表者以外の者からの贈与等も対象となります)が、特例では代表者以外のの者を含む複数人が対象になります。ただし、代表者以外の者からの贈与等は特例承継期間のみが対象となります。

5.後継者の要件 従来は筆頭株主である代表権を有する1人の後継者に限られていましたが、特例では代表権を有する最大3人までの後継者が対象となります。

6.雇用確保の要件 従来は贈与又は相続から5年間を事業継続期間として一定の要件を満たさなければ、都道府県知事の認定が取り消されて、猶予税額の全部の納税が必要でした。その要件の一つに雇用確保要件があり、5年平均の従業員数が贈与又は相続時の80%を下回らないようにしなければなりませんでした。特例では雇用の80%を下回った場合でも、認定経営革新等支援機関の意見が記載されている下回った理由を記載した書類が提出された場合には、納税猶予は継続されます。

7.猶予期限確定時の納付税額 従来は贈与等を行った時点の相続税法上の株式評価額に基づく納付税額の全額でしたが、特例では一定の条件を満たす場合は、一部を免除されます。

8.相続時精算課税制度の対象者 従来は贈与者の直系卑属に限られましたが、特例では贈与者の推定相続人でない一定の後継者も対象となります。

9.事前準備が必要 創業から長年経過している会社の場合、株式が多くの親類に分散していることもよくあります。安定した経営を維持していくためには、経営者一族が少なくとも過半数、できれば2/3以上を確保していることが重要です。そのためには、特例を有利に活用するために、先代経営者が株式を買い取る又は会社が買い取ることも考える必要があります。

10.名義株の整理 時承継税制の特例の適用を受けるためには、名義株の整理をすすめ、実際の所有者を明確にしておくことは極めて重要です。また、非上場株式の贈与を時点の受けた時点の評価額と、被相続人の死亡時の純財産額を合算して相続税の総額が決まる以上、非上場株式の贈与時点での評価額をいかに低くするかもまた。重要です

 

新着情報贈与税の非課税財産

今回の新着情報は、贈与税の非課税財産について記載します。贈与税は、原則として贈与を受けた全財産に対してかかりますが、贈与の目的や財産の性質等から次に掲げる財産については非課税財産として贈与税が課税されません。

①法人から贈与されて取得した財産

贈与税は個人からの贈与により財産を取得した場合にかかり、法人から個人が財産を贈与された場合には、一時所得として所得税が課税されます。

②扶養義務者(夫婦、親子、兄弟姉妹)から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの

生活費とは、通常の日常生活に必要な費用をいい、また、教育費とは、学費や教材費、文具費などを言い、贈与税がかからない財産は、生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるためのものが贈与税がかからない財産になります。ですから、生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、それを預金したり投資に回した場合には贈与税が課税されます。

③宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う者が贈与により取得した財産で、その公益を目的とする事業に使われることが確実なもの

ただし、贈与された財産につき2年間の間に事業の用に供していない場合は贈与税が課税されます。

④財務大臣指定の特定公益信託や奨学金支給を目的とする特定公益信託から交付される金品

⑤精神や身体に障害のある者又はその者を扶養する者が、地方公共団体の条例による心身障害者共済制度に基づいて支給される給付金を受ける権利

⑥公職選挙法の適用を受ける選挙の候補者が選挙運動に関し個人から贈与により取得した金品等で、公職選挙法の規定による報告がなされたもの

⑦特定障害者扶養信託契約に基づく信託受益権

国内に居住する特定障害者(特別障害者又は精神上の障害により物事を判断する能力を欠くのが常であるなど精神に障害がある者)が、特定障害者扶養信託契約に基づいて信託受益権を贈与により取得した場合には、「障害者非課税信託申告書」を納税地の所轄税務署長に提出することにより、信託受益権の価額のうち、6,000万円(特別障害者以外の者は3,000万円)までの金額については贈与税が非課税になります。

⑧個人から受ける香典や花輪代、年末年始の贈答品、祝物又は見舞い等のための金品で、社会通念上相当と認められるもの

⑨直系尊属から贈与を受けた住宅取得等資金のうち住宅取得等資金の非課税制度を採用し、贈与税の課税価格に算入されなかったもの

⑩直系尊属から一括贈与を受けた教育資金のうち1,500万円の非課税枠を用い、贈与税の課税価格に算入されなかったもの

⑪直系尊属から一括贈与を受けた結婚・子育て資金のうち1,000万円の非課税枠を用い、贈与税の課税価格に算入されなかったもの

⑫相続又は遺贈により財産を取得した者が、その相続開始年に被相続人から贈与により取得した財産

相続があった同年中に被相続人から相続又は遺贈ではなく贈与により取得した財産は、相続税ではなく贈与税が課税されます。

会社設立時の消費税

まず消費税の納税義務を免除される免税事業者となるためには一定の要件があり、一定期間における課税売上高、法人の場合には資本金の額により判定されます。ほとんどの場合は、前々事業年度の課税売上高が1,000万円以下であれば、免税事業者と判定することができます。 ただし以下のいずれかの要件を満たす事業者は課税事業者に該当することとなり、免税事業者となることはできません。

1 基準期間における課税売上高が1,000万円超である。

  課税期間の消費税の確定申告の要否及びその計算方法を決定するために基準とする期間をいいます。

  その事業年度の前々事業年度が一年ある場合はその事業年度の前々事業年度

  一年ない場合はその事業年度開始の日の2年前の日の前日から1年を経過する日までの間に開始した各事業年度を合わせた期間となります。

2 特定期間(注4)における課税売上高、および給与等支払額が1,000万円超である。

平成2511日以後に開始する年又は事業年度については、基準期間の課税売上高が1,000万円以下であっても、特定期間の課税売上高が1,000万円を超えた場合には、課税事業者となります。

() 特定期間の課税売上高が1,000万円を超えるかどうかの判定については、課税売上高に代えて、特定期間中に支払った給与等の金額により判定することもできます。給与等の金額とは、所得税法施行規則第100条第1項第1号《給与等、退職手当等又は公的年金等の支払明細書》に規定する給与等の金額をいうことから、当該給与等の金額とは、所得税の課税対象とされる給与、賞与等が該当し、所得税が非課税とされる通勤手当、旅費等は該当せず、未払額は含まれません。
 また、出向契約に基づき出向先事業者が出向元事業者に対して支払う給与負担金については、出向する使用人に対する給与を出向元事業者が支払い、その支払明細書を出向元事業者が交付する場合には、出向元事業者の給与支払額となるため、出向先事業者における特定期間の給与支払額には該当しません。

 この場合の特定期間とは、個人事業者にあってはその年の前年11日から630日までの期間、法人にあっては原則としてその事業年度の前事業年度開始の日以後6月の期間をいいます。

消費税法第9条の2、消費税法施行令第20条の5、第20条の6消費税法施行規則11条の2、消費税法基本通達1-5-23

3 設立から2年以内で、資本金の額、または、出資の金額が 1,000 万円以上である。

   1,000万円未満でも下記の二つに該当する場合納税義務があります。

・新規設立法人が「他の者」に支配されている(特定要件)

・上記の「他の者」および当該「他の者」と一定の特殊な関係にある法人のうちいずれかの者の基準期間相当期間(新規設立法人の基準期間)における課税売上高が5億円を超えている

4 消費税課税事業者選択届出書を提出している。

   免税事業者が課税事業者になることを選択する場合の手続です。

適用を受けようとする課税期間の初日の前日まで(適用を受けようとする課税期間が事業を開始した日の属する課税期間である場合には、その課税期間中)に提出。

 

5 納税義務の免除の特例により課税事業者となる。

  相続・分割・合併についての免除の特例により課税事業者となる場合があります。

・相続によって相続人が被相続人の事業を承継した年において、基準期間となる前々年の被相続人の課税売上高が1,000万円を超えている場合

・相続によって相続人が被相続人の事業を承継した年の翌年及び翌々年において、被相続人のその基準期間の課税売上高と相続人のその基準期間の課税売上高の合計額が1,000万円を超える場合

・合併によって新たに法人を設立した場合の合併事業年度において、合併法人のその合併があった日の事業年度の基準期間に対応する期間における各被合併法人の課税売上高のうち、いずれかが1,000万円を超えている場合

・分割等によって新設分割子法人を設立した場合で、新設分割子法人の基準期間に対応する期間における新設分割親法人の課税売上高として計算した金額が1,000万円を超える場合

 

設立してから2年は消費税を払う必要がないと言われることが多いですが、一定の場合には課税事業者となるためご注意ください。

消費税の課税事業者選択について

税理士法人サポートリンクの前田です。

 

今回は、消費税の課税事業者選択についてお伝えいたします。

以前のブログ(2018年2月13日)では、消費税は事業者にとって負担を感じやすい税金と言うお話を致しましたが、今回はその消費税の申告義務のない事業者があえて、課税事業者(消費税の申告義務のある事業者)を選択する場合のお話です。なぜ、そんな選択をするか。のお話をする前に申告義務のない事業者とは、どんな事業者であるかを簡単に説明します。

 

申告義務のある事業者は、納税義務のある事業者を指します。納税義務のある事業者とは、課税売上を行った事業者を言います。ただ、「小規模事業者に係る納税義務の免除」と言う規定があり、基準期間における課税売上高が1,000万円以下である事業者の納税義務を免除されます。基準期間とは当期の前々事業年度(前々年)を言います。この規定は、小規模事業者への配慮及び、税務当局の税務執行面に配慮してできた規定で、分かりやすく言い換えると、課税売上高が1,000万円以下ぐらいの小規模な事業者は、事務員を雇う余裕もなく、消費税の計算をするのも大変でしょうと言う事業者への配慮と、申告してもらっても結局少額な納税額になるので、そのために申告書のチェックとか申告書や納付書の郵送などをするのは面倒だという税務署側の都合によるものです。

この規定により、事業規模が小さい事業者と事業を始めて1年目2年目の事業者は、基本的に納税義務がなくなります。同時に申告義務もなくなります。(ただし、別の規定により納税義務者になる場合があります)

 

では、その申告義務が無い事業者が、わざわざ課税事業者を選択し申告義務を背負うのはなぜでしょうか。それは、消費税の還付(税務署からの返金)を目的としているためです。

消費税の仕組みは、事業者が預かった消費税と事業者が支払った消費税の差額を納付する仕組みとなっています。通常であれば、売上げ10,000万円(受け取った消費税800万円) 経費8,000万円(支払った消費税640万円)差額(納付する消費税)160万円を納税する形になりますが、大きな設備投資をした場合などは、受け取った消費税より支払った消費税が大きくなる場合があります。上記の例で自社ビル10,000万円(支払った消費税800万円)を購入した場合、支払った消費税は640万円+800万円=1440万円となります。結果受け取った消費税800万円より大きくなり、差額である640万円を還付が受けられます。

そのため、免税事業者(納税義務のない事業者を言います)が、翌事業年度などに大きな設備投資をすることが分かっている場合などに適用する場合があります。

ただ、この規定を適用するには注意する点があります。

注意する点

①課税事業者を選択は、翌事業年度から適用されます。(法人設立事業年度や一定の課税期間は、手続きをした事業年度から適用されます)そのため、事前の計画が必要になります。

②課税事業者の選択を行った場合は、2年は課税事業者になります。

そのため、還付だけもらって、すぐに免税事業者に戻る事ができません。

③課税事業者の選択を行い、その適用があった1年目、2年目の事業年度中に1つ100万円以上の課税資産を購入した場合には、購入した事業年度の翌々事業年度までが課税事業者となります。

そのため、金額の高い資産を購入し多額の還付を受けても、その後2年間は免税事業者に戻る事が出来ません。

 

まとめ

上記の②③のケースを表にまとめたのが以下の物です。

課税事業者の選択をした方が有利になるかどうかの目安としては、②の場合はH31年の還付額がH32年の納付額より多ければ得に。③の場合であればH31年の還付額がH32年とH33年の納税額の合計より多ければ得になります。

ただ、あくまで目安です。事業内容等により想定した還付を受けられない場合など、上記だけでは判断できないケースがありますので、実際行われる際には、顧問税理士のご相談ください。

年度 H30年 H31年 H32年 H33年 H34年
課税事業者の選択手続き 課税事業者

資産購入(価格100万円未満)

課税事業者

課税事業者をやめる手続きを行う

免税事業者 免税事業者
課税事業者の選択手続き 課税事業者

資産購入(価格100万円以上)

課税事業者 課税事業者

課税事業者をやめる手続きを行う

免税事業者

 

根拠条文:消費税法9条

法人が行う寄附金について

法人が行う寄附については、損金に算入できる金額が決められております。一般的なイメージでは寄附というと損金になりそうなものではありますが、過度な利益処分を抑止するという観点も含めて、寄附金はその相手方や寄附を行う会社の資本、所得の状況に応じて損金算入の限度額が計算され、その限度額を超える部分の金額は損金に算入することが認められません。

 

まず寄附金とは、寄附金、拠出金、見舞金その他いずれの名義をもってするかを問わず、内国法人が金銭その他の資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与(広告宣伝及び見本品その他これらに類する費用並びに交際費、接待費及び福利厚生費とされるものを除く)をした場合の当該金銭の額若しくは金銭以外の資産のその贈与の時における価額又は当該経済的な利益のその供与の時における価額によるものとする。(法人税法37条⑦)

 

つまり、名目が何であれ対価性のない支出については、金銭の贈与でも、金銭以外の資産の贈与でも、その金額もしくは贈与時の価額が寄附金とされます。また、資産をその時の価額より低額で譲渡した場合なども、その価額と譲渡額の差額のうち、実質的に贈与したと認められる部分の金額も寄附金という扱いになります。

 

【損金算入限度額】

(1)一般寄附金

〔資本金等の額 ×12分の当期の月数×1000分の2.5+所得の金額×100分の2.5〕×4分の1

ここで言う所得の金額とは、法人税申告書別表4仮計25の金額となります。

例えば、資本金1,000万円の1年決算の法人が、その事業年度の年間所得(別表4仮計25の金額)が500万円だった場合、(1,000万円×12/12×2.5/1,000+500万円×2.5/100)×1/4=37,500円が一般寄附金の損金算入限度額となります。ですので、この法人が10万円の一般寄附金をした場合、37,500円のみ損金に算入され、残りの67,500円は損金に算入されないことになります。

ただし、完全支配関係がある他の内国法人に対する寄附金や、国外関連者に対する寄附金はその全額を損金に算入することができません。

 

(2)特定公益増進法人等への寄附金

〔資本金等の額 ×12分の当期の月数×1000分の3.75+ 所得の金額 ×100分の6.25〕×2分の1

特定公益増進法人等とは下記の法人をいい、その法人の主たる目的である業務に関連する寄附金については、一般寄附金より損金算入限度額が大きくなります。

①独立行政法人

②地方独立行政法人のうち、一定の業務を主たる目的とするもの

③自動車安全運転センター、日本司法支援センター、日本私立学校振興・共済事業団及び日本赤十字社

④私立学校法第3条に規定する学校法人で学校の設置若しくは学校及び専修学校若しくは各種学校の設置を主たる目的とするもの又は私立学校法第64条第4項の規定により設立された法人で専修学校若しくは各種学校の設置を主たる目的とするもの

⑤社会福祉法人

⑥更生保護法人

 

(3)国等に対する寄附金、指定寄附金

国又は地方公共団体に対する寄附金及び指定寄附金は、その全額が損金の額に算入されます。これには国又は地方公共団体に対して義援金等を直接的に寄附した場合や、一定の義援金等の募集を行う募金団体(日本赤十字社、新聞や放送等)に対して直接寄附をしたもので、最終的に国や地方公共団体に帰属するものも含まれます。

また、指定寄附金とは、公益社団法人、公益財団法人その他公益を目的とする事業を行う法人又は財団に対する寄附金のうち、①広く一般に募集されること、②教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に寄与するための支出で緊急を要するものに充てられることが確実であること、という要件に該当するものをいいます。

 

 

相続時精算課税制度を適用した場合の税額控除と贈与税控除

神戸市中央区の税理士法人サポートリンクの柴崎です。

1.相続時精算課税制度とは

相続時精算課税制度は、生前の贈与に2500万円までの贈与税の特別控除を認めるものです。2500万円までなら何回でも贈与することが可能です。贈与する回数や財産の種類に制限はありません。ただし、2500万円を超えた部分には一律20%の贈与税がかかります。

2.適用対象者

平成27年1月1日より、親(贈与者)が贈与した年の1月1日において60歳以上・子及び孫(受じゅぞう贈者)が20歳以上であれば、相続時精算課税制度を使えるように税制改正が行われました。しかし、いったん相続時精算課税制度を選択すると、贈与税の暦年贈与税制は適用できなくなりますので、相続時精算課税制度を適用するかどうかは、しっかりと見極める必要があります。

3.相続税との関係

贈与者が亡くなったときの相続税の計算上、相続時精算課税制度を適用した財産の相続税評価額は、贈与時点の相続税評価額となります。次に、相続時精算課税制度を適用した財産については、通常の相続税申告の場合に使える「小規模宅地等の特例」が適用できなくなりますので注意が必要です。

4.相続時精算課税制度を選択するには

相続時精算課税制度を選択した場合には、贈与税の申告書と相続時精算課税選択届出書を税務署に提出しなければなりません。また、翌年以降も相続時精算課税制度を選択した当事者間で贈与があると贈与税の申告書を提出しなければなりません。したがって、贈与税の申告書の控えが受贈者側に保管されているはずですから、相続財産の把握は比較的容易です。また、平成15年1月1日以降に贈与により取得した財産に係る贈与税の課税額の合計額について、その開示請求を被相続人死亡時の住所地の所轄税務署長宛にすることができるようになりました。

5.相続時精算課税制度を適用した場合の税額控除

相続時精算課税制度を適用して贈与した財産があるときには、その人の相続財産の価額に相続時精算課税制度を適用して贈与を受けた財産の贈与時の価額を加算しますが、その際支払った贈与税の金額は相続税の金額から控除することになります。なお、相続時精算課税制度を適用した場合、被相続人から相続により財産を取得しなかった場合であっても、その被相続人から贈与により取得した相続時精算課税制度を適用財産の価額を加算して相続税の計算を行う必要があります。

6.相続開始前3年以内の贈与財産

被相続人から相続によって財産を取得した者が、同じ被相続人から、その被相続人が死亡した日前3年以内に財産の贈与を受けていた場合は、原則としてその財産を贈与されたときの相続財産の価額で加算します。したがって、被相続人が死亡した日前3年以内に贈与を受けた財産がある場合には、その贈与を受けた者の氏名、贈与を受けた年月日、財産の種類、価額、支払った贈与税を調べておかなければなりません。

7.贈与税額控除

被相続人からその相続開始前3年以内に贈与を受けた財産があるときには、その人の相続財産の価額に贈与を受けた財産の贈与時の価額を加算しますが、贈与があったときに贈与税を支払っているならば、贈与税と相続税を二重に支払うことになります。そのため、支払った贈与税の金額は相続税から控除することになっています。

 

贈与税について

今回の新着情報は、贈与税について記載します。贈与税の説明の前に、先ず贈与とは何かという事になりますが、贈与とは、ある人(贈与者)が自分の財産を無償で相手方(受贈者)に与える契約の事を言い、財産ではなくても債務の免除や労務の提供についてでも良いとされております。贈与は、書面により契約を交わしていなくても成立し、当事者間の合意のみで成立します。贈与には、通常の贈与の他に、定期贈与、負担付贈与、死因贈与があります。定期贈与とは、贈与者が受贈者に対して定期的に給付することを約束する場合の贈与を言い、贈与者又は受贈者が死亡する事により失効します。負担付贈与とは、受贈者に、目的の対価とまでは言えない程度の一定の給付債務を負担させる贈与を言います。例えば、1億円の土地を贈与する代わりに5,000万円の借入金を負担させる場合などが負担付贈与になります。死因贈与とは、贈与者が死亡した事により効力が生じる贈与であり、例えば贈与者が死亡した場合には、贈与者の所有する不動産を受贈者に贈与するといった事前の契約によります。遺言により財産を他人に贈る遺贈に似ておりますが、遺贈は当事者間の事前の契約ではなく、遺贈者が一方的に行う意思表示(遺言)であり、受遺者は財産を受け取らないという選択肢もあります。受贈者に対して、贈与者が自分の生存中に~をしてくれたら死亡後に財産を与える、といった負担付贈与と死因贈与を合体させた贈与を負担付死因贈与と言い、~の内容は身の回りの世話をする等が多いです。

贈与税は、贈与により財産を取得したものに対して課される税金であり、1月1日から12月31日までの1年間に受けた贈与につき、翌年の2月1日から3月15日までの間に申告して納付します。一人から5,000万円の贈与を受けても、5人から合計5,000万円の贈与を受けても税額は変わりません。贈与税には、110万円の基礎控除と呼ばれる控除があり、年間110万円までの贈与であれば課税されず、110万円を超える部分につき累進課税で課税されます。税率につきましては、一般税率と特例税率の二本立てになっており、特例税率が適用されるのは、20歳以上の者が直系尊属から贈与を受けた場合であり、それ以外は一般税率になります。平成27年1月1日以後の贈与税の速算表を以下に記します。

基礎控除後の課税価格 一般税率 特例税率
税率 控除額 税率 控除額
200万円以下 10% 10%
300万円以下 15% 10万円 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円 15% 10万円
600万円以下 30% 65万円 20% 30万円
1,000万円以下 40% 125万円 30% 90万円
1,500万円以下 45% 175万円 40% 190万円
3,000万円以下 50% 250万円 45% 265万円
4,500万円以下 55% 400万円 50% 415万円
4,500万円超 55% 400万円 55% 640万円

贈与税には、基礎控除の他に配偶者控除が認められております。これは、婚姻期間が20年以上である配偶者から居住用不動産若しくは居住用不動産を取得する為の金銭の贈与を受けた場合は、最大2,000万円まで控除する事ができるというものです。控除金額は、2,000万円と居住用不動産の価額にその不動産取得に充てた金額のいずれか少ない金額になり、適用要件は婚姻期間が20年以上である事及び贈与を受けた年の翌年3月15日までに居住用不動産に居住し、引き続き居住する見込みである事かつ贈与税の申告書を税務署に提出する事になります。

一括償却資産と少額減価償却資産

今回は一括償却資産、少額減価償却資産の2つの資産について説明していきます。

一括償却資産 (事業年度1~12月の場合)

通常の減価償却費の計算であれば取得月(使用開始月)~期末までの期間を計算するのですが、一括償却資産はそんな計算は不要です。

例えば1台15万円のパソコンを一括償却資産として計算すると、150,000×12/36=50,000が減価償却費として処理されます。

なお、固定資産と違い、何月に購入しても減価償却費は月割りせず、3分の1の額が使えます。

例 5月に15万円パソコン購入

固定資産 150,000×8/48=25,000

一括償却資産 150,000×12/36=50,000

 

しかし注意点があります。購入した翌年(翌期)以降に売却、除却(廃棄、処分等)をしても残額は除却損として経費処理できません。

例 1台150,000円のパソコンを除却した 残額100,000円(2年目)

減価償却資産:100,000円を固定資産除却損で経費処理

一括償却資産:除却した年(2年目)減価償却費50,000円 3年目減価償却費50,000円

一括償却資産は、償却期間中に売却、除却をしても3年間減価償却費としなければならないので注意して下さい。

少額減価償却資産 (事業年度1~12月の場合) 

「少額減価償却資産」は購入した年度に全額経費にできるものです。ただし、中小事業者(主に資本金1億円以下の中小法人と個人事業主)が対象です。

また、少額減価償却資産として処理する資産の合計額は一年で300万円が上限です。

例 現在少額減価償却資産の金額290万円 次にパソコン15万円を12月に購入する場合

パソコンは少額減価償却資産には含められませんので減価償却資産か一括償却資産で処理をすることになります。

 

ただし290万円の中に1月にパソコン15万円で購入している場合には12月に購入するものを少額減価償却資産として、1月に購入しているものを減価償却資産とした方が減価償却費は多く計上することができます。

 

少額減価償却資産は実は適用時期があります。

平成32年3月31日までに取得等した減価償却資産です。

 

どのように処理するかは経費を抑えて利益をだすか、その期の税金を安くするかです。金額によってまとめてみました。

・10万未満

10万円未満のものは重要性が低いものとして購入時に経費とし、固定資産としなくてもいいとされています。

・10万以上20万未満

10万円を超えると固定資産となってきます。20万円未満の固定資産は、一括償却資産として処理することができます。

・20万以上30万未満

20万円以上の資産は固定資産ですが、少額減価償却資産の処理も可能です。また20万円以上ですと、一括償却資産とすることはできません。

・30万以上

固定資産として資産計上をすることになります。

課税事業者のメリット、デメリット

今回は消費税の簡易課税のメリット、デメリットについて、触れていきたいと思います。

簡易課税とは、その課税期間の前々年又は前々事業年度(以下「基準期間」という。)の課税売上高が5,000万円以下で、簡易課税制度の適用を受ける旨の届出書を事前に提出している事業者は、実際の課税仕入れ等の税額を計算することなく、課税売上高から仕入控除税額の計算を行うことができる簡易課税制度の適用を受けることができます。

この制度は、仕入控除税額を課税売上高に対する税額の一定割合とするというものです。この一定割合をみなし仕入率といい、売上げを卸売業、小売業、製造業等、サービス業等、不動産業(注)及びその他の事業の6つに区分し、それぞれの区分ごとのみなし仕入率を適用します。

消費税の計算方法には原則計算と簡易計算が存在します。

原則計算は課税売上に係る消費税額-課税仕入れ等に係る消費税額により計算されます。

つまりは、預かった消費税から支払った消費税を差し引いた分が消費税として納める金額となるものです。

ところが簡易計算で使用するのは、預かった消費税のみです。

課税売上に係る消費税額から、その課税売上に係る消費税額に一定の割合をかけたものを、原則計算で言う預かった消費税(課税仕入れ等に係る消費税額)とみなすことによって、計算を簡易的にしてしまおうという制度が簡易課税です。

では、どのような場合簡易課税で計算した方が有利となるのでしょうか。

 

(簡易課税のメリット)

・課税仕入れの金額が極端に少ない時。

課税売上に対して、課税仕入れの金額が極端に少ない場合には、原則計算をしてしまいますと、預かった消費税の方が極端に多いため、控除できる金額が少なくなってしまいます。

この場合、消費税の簡易課税制度を適用することで、課税仕入れの金額が極端に少なくても、課税売上に対して、一定の割合をかけたものが控除できるため、場合によっては、原則計算よりも、納める税金がぐんとやすくなる事が考えられます。

例)年間総売上が1,500万円、仕入れなどの経費が500万円で、原則課税と簡易課税それぞれの場合

 

原則 → 1,300万円×8% -500万円×8%=64万円

 

簡易 → 1,300万円×8% -(1,300万円×8%×80%)=20.8万円

( )の中が、課税売上に対して、一定の割合をかけたものとなります。

今回の例では、第二種事業の「小売業」として、みなし仕入率80%で計算しました。

 

(簡易課税のデメリット)

・一度簡易課税を選択してしまうと2年間は原則計算に戻れない。(一定の場合には3年)

・課税仕入れの金額が極端に多い。

・多額の設備投資をして、還付申告となる予定だ。

この中でも、多額の設備投資にご注意ください。

多額の設備投資をしますと、本体価格は減価償却を通して一定期間で費用に落とし込むことになりますが、消費税はその設備投資をした期に一気に計算してしまいます。

例)年間総売上が1,500万円、仕入れなどの経費が500万円、設備投資として2,000万円の機械装置を購入した場合、原則課税と簡易課税それぞれの場合

 

原則 → 1,500万円×8% -(500万円+2,000万円)×8%=-80万円

 

簡易 → 1,500万円×8% -(1,500万円×8%×80%)=24万円

 

そうなんです、簡易課税を選択してしまいますと、経費や設備投資の際に支払った消費税は計算に一切影響しないのです。もっというと、課税売上に対して、一定の割合をかけたものを控除するため、絶対に還付申告にはならず、必ず納付となります。

設備投資をご検討中の方はお気をつけください。

 

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