新着情報

一般社団法人と法人税

神戸市中央区の税理士法人サポートリンクの柴﨑です。一般社団法人と税務のなかでも最も重要なのが法人税です。一般社団法人は、法人税法上、普通法人に該当しますので、株式会社と同様に法人税が課税されます。ただし、非営利が徹底された法人、共益活動を目的とした法人の場合、収益事業にのみ課税されます。

「非営利性が徹底された法人」として認められるためには、以下のすべての要件を満たす必要があります。

1.定款に剰余金の分配を行わない旨の定めがあること

2.定款に解散時の残余財産が国または地方公共団体等に属する旨の定めがあること

3.上記1.または2.の定款等の定めに違反したことがないこと

4.理事及びその親族等である理事の合計数が理事総数の3分の1以下であること

また、「共益的活動を目的とする法人」として認められるためには、以下のすべての要件を満たす必要があります。

1.会員相互の支援、交流、連絡その他会員に共通する利益を図る活動を主たる目的としていること

2.定款等に会員が負担すべき金銭(会費)の定めがあること

3.主たる事業として収益事業を行っていないこと

4.定款に解散時の残余財産が特定の個人または団体(国や地方公共団体、公益社団法人及び胃財団法人等は除く)に帰属する旨の定めがないこと

5.特定の個人または団体に特別の利益を与えたことがないこと

6.理事及びその親族等である理事の合計数が理事総数の3分の1以下であること

収益事業の範囲については、法人税法[施行令第5条に列挙してありますが、具体的には、以下の34項目に該当する事業が収益事業に該当します。

①物品貸付販売業、②不動産販売業、③金銭貸付業、④物品貸付業、⑤不動産貸付業、⑦製造業、⑧運送業、⑨倉庫業、⑩請負業、⑪印刷業、⑫出版業、⑬写真業、⑭席貸業、⑮旅館業、⑯料理店業その他の飲食店業、⑰周旋業、⑱代理業、⑲仲立業、⑳問屋業、㉑鉱業、㉒土石採取業、㉓浴場業、㉔理容業、㉕美容業、㉖興行業、㉗遊戯所業、㉘遊覧所業、㉙医療保険業、㉚洋裁、和裁、着物着付け、編物、手芸、料理、理容、美容、茶道、生花、演劇、演芸、舞踊、舞踏、音楽、絵画、書道、写真、工芸、デザインなどの教授を行う事業、㉛駐車場業、㉜信用保証業、㉝その有する工業所有権または著作権等の譲渡または提供を行う事業、㉞労働者派遣業

なお、非営利性が徹底された法人、共益活動を目的とする法人については、収益事業のみが課税されますので、上記以外の事業によって生じた所得は課税されません。一般社団法人の設立を検討している団体の中には、下記の事業を営んでいる団体も多数見受けられますが、これらの団体の多くが営んでいる以下の事業などは収益事業に該当します。

1.出版物の有料頒布

2.広告の請負

片や、収益事業以外の事業にはどのような事業があるかというと、以下の項目などは、収益事業による所得に該当することになると考えられます。

1.寄付の受け入れ

2.会員からの会費・入会金

そもそも、寄付というのは、寄付をする人から寄付を受ける人への一方的な金銭の支出であって、反対給付を伴わないものです。また、会費などについても、その会の開設・維持・運営するために会員が負担する金銭のことを指し、金銭の提供者に対する反対給付を伴いません。ただし、たとえ名目的には寄付、会費等の名称がついていても、その出費を対価として反対給付が行われる場合には、収益事業に該当することになることに注意が必要です。

消費税軽減税率導入に伴う価格表示方法

今回の新着情報は、2019年10月1日から消費税の軽減税率制度が実施されますが、その価格表示方法につき消費者庁、財務省、経済産業省、中小企業庁が連名で平成30年5月18日に公表しましたので、その内容について記載いたします。
軽減税率の適用対象品目については、酒類及び外食を除く飲食料品及び定期購読契約が締結された週二回以上発行される新聞となっており、飲食店のテイクアウトや出前には軽減税率が適用され、店内飲食は標準税率が適用されることになっております。飲食店で、店内飲食、テイクアウトのどちらでも飲食料品を提供する事業者や、イートインスペースのある小売店等の事業者においては、同一の飲食料品でも持ち帰るか、テイクアウトするかイートインスペースで飲食するかで消費税率が異なることになります。価格設定は事業者の任意であるとし、その価格表示方法として2通りの方法を例示しております。
① テイクアウト等及び店内飲食の両方の税込価格を表示する方法
この方法は、テイクアウト等及び店内飲食の両方の税込価格を表示する方法で、両方の
税込価格とさらに税抜価格又は消費税を併記することも認められます。
〔具体例〕
外食事業者のメニュー表示
メニュー

牛丼       550円
(540円)

早朝定食     660円
(648円)

コーラ      220円
(216円)

※下段はテイクアウトの値段となります

お品書き

店内飲食  (出前)
松にぎり    2,200円  (2,160円)

竹にぎり    1,760円  (1,728円)

梅にぎり    1,430円  (1,404円)

イートインスペースのある小売店等の商品棚における価格表示

イチゴロール  432円
(店内飲食    440円)

② テイクアウト等又は店内飲食のどちらか片方のみの税込価格を表示する方法
テイクアウト等の利用がほとんどである小売店等で店内飲食の価格を表示する必要性
が乏しい場合や、逆に店内飲食がほとんどである外食事業者においてテイクアウト等の価格を表示する必要性が乏しい場合、テイクアウト等と店内飲食両方の価格を表示するスペースがない場合には、事業者の判断によりテイクアウト等若しくは店内飲食のどちらか片方のみの税込価格を表示する方法があります。
〔具体例〕
外食事業者のメニュー表示
メニュー

牛丼       550円

早朝定食     660円

コーラ      220円

※テイクアウトの場合、税率が異なりますので、別価格となります。

お品書き(出前)

松にぎり       2,160円

竹にぎり       1,728円

梅にぎり       1,404円

※店内飲食の場合は税率が異なりますので、別価格となります。

イートインスペースのある小売店等の商品棚における価格表示
商品棚の価格表示

イチゴロール  432円

店内掲示等

店内飲食される場合は税率が異なりますので、
別価格となります。

このテイクアウト等又は店内飲食のどちらか片方のみの税込価格を表示する方法の場合は、店内飲食がテイクアウト等よりも税込価格が高いにもかかわらずテイクアウト等の場合であることを明瞭に表示せず、テイクアウト等の税込価格のみを表示している場合は、消費者に店内飲食の価格が実際の税込価格よりも安いという誤認を与えてしまう恐れがあり、不当景品類及び不当表示防止法第5条第2号の有利誤認(禁止される表示)に該当する可能性があります。また、「一般消費者にとって価格表示は、商品又は役務(サービス)の選択上最も重要な販売価格についての情報を得る手段であるという点を踏まえると、テイクアウト等と店内飲食との間で税込価格が異なる場合は、事業者は、顧客の意思表示により異なる税率が適用され、税込価格が別途計算されることがあり得る旨、店舗内の目立つ場所に掲示するなどの手段により、一般消費者に対して注意喚起を行うことが望ましい。」としております。

消費税の中間申告について

皆様こんにちは。今回は消費税の中間申告について説明致します。
中間申告とは、消費税の納税制度のひとつで、年度の途中に消費税の申告を行うことで、税金の前払いをしておくことをいいます。
中間申告は全ての事業者が行うわけではありません。前年度の確定消費税額が要件に該当した事業者のみ対象となり、また事業者によっては複数回の中間申告が必要な場合もあります。
消費税の中間申告が必要な者は、個人の場合は前年、法人の場合は前事業年度の消費税の年税額が48万円を超える者です。なお、消費税8%は消費税6.3%と地方消費税1.7%で構成されているので、納税額が48万円を超えていたとしても、消費税が48万円を超えていない場合は中間申告の必要はありません。

中間申告は直前の課税期間の確定消費税額に応じて回数が異なります。
48万円以下 :原則、中間申告不要
48万円超400万円以下 :中間申告1回
400万円超4,800万円以下 :中間申告3回
4,800万円超 :中間申告11回

納付期限は48万円超400万円以下と400万円超4,800万円以下は各中間申告の対象となる課税期間の末日の翌月から2か月以内
4,800万円超の場合は
(個人事業者)
• 1月から3月分 → 5月末日
• 4月から1月分 → 中間申告対象期間の末日の翌月から2か月以内
(法人)
• その課税期間開始後の1月分 → その課税期間開始日から2月を経過した日から2月以内
• 上記1月分以後の10月分 → 中間申告対象期間の末日の翌日から2月以内

中間申告書を提出しない場合でも、前年度実績により中間納付税額が決まります。
当年度の業績が前年度と比較して下がっており、消費税の中間納税額を抑えたい場合は仮決算による中間申告書を提出することで、業績に応じた納税額を納付することになります。
消費税確定申告の際に年税額を計算し、中間納付した金額を差し引いて納付することになります。
なお、消費税の年税額が中間納付額以下である場合にはその差額が還付されます。

以前は、前年度の消費税額が48万円以下である事業者については中間申告をすることが出来なかったのですが、平成26年4月1日以後に開始する課税期間から「任意の中間申告制度」が創設されたため、原則的に中間申告の必要がない事業者でも届出をすることにより、中間納付をすることが出来るようになりました。(消費税法第42条第8項、消費税法施行規則第20条の2第1項)

申告義務がない者がなぜ届出を出して中間申告をするのか?
これは中間納付がない場合は1度に多額の消費税を納めることになってしまうので、納付しなければならない金額まで事業の運用資金としてしまい、確定申告・納付となった時に納付するお金がないという事態が考えられることや、経営の負担を軽減する目的で、消費税の「分納」というかたちにより、年度末に突然大きな金額が動くことがなくなるため経営の悪化を防ぐことができ、余裕を持った経営をすることができるのではないでしょうか。
なお、任意の中間申告書を提出した場合において申告期限までに納税をしなければ、延滞税がかかってくる場合がありますので注意が必要です。
(消費税法第42条第9項、消費税法施行規則第20条の2第2項、第3項)

消費税の特定期間における納税義務の免除の特例について

税理士法人サポートリンクの前田です。

今回は、消費税の特定期間における納税義務の免除の特例についてお話しします。

消費税の納税義務があるかどうかの判定は複数あり、一覧にすると以下のようになります。

①小規模事業者に係る納税義務の免除

②課税事業者の選択

③特定期間における課税売上高による納税義務の免除の特例

④相続・合併・分割等・吸収分割があった場合の納税義務の免除の特例

⑤新設法人の納税義務の免除の特例

⑥特定新規設立法人の納税義務の免除の特例

⑦高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例

この七つの判定を①から順番に行い、どこかで課税事業者となる判定になれば、納税義務が発生し、いずれの判定でも課税事業者とならなければ、免税事業者となります。

さて、「特定期間における課税売上高による納税義務の免除の特例」についてですが、これは、特定期間(法人の場合は前事業年度の前半6月間、個人事業者の場合は1/1~6/30)の課税売上高が1,000万円を超える場合は、納税義務が発生するという規定です。この規定は、①の規定のみの場合、基準期間(前々事業年度)の課税売上高が1,000万円以下の場合免税事業者となるため、法人設立から2年は実質免税事業者が確定していました(他の規定により納税義務者になる場合はあります)。ただ、設立1年目から大きな利益を上げている場合があります。例えば、個人事業者として十分大きな事業活動をされていた方が、法人化した場合などです。その場合、それらを小規模事業者として免税事業者として判断するのはおかしいのではと言う事で、十分な規模の事業をしている法人には、2年目から納税してもらえるようにするため、できた規定です。

これにより、設立2年目の法人であっても、納税義務者となる可能性が出てきました。

ただし、この判定に使われる特定期間の課税売上高は、特定期間に支払った給与等の金額の合計額とすることができる。というルールがあります。

整理すると次の2つの条件の両方を満たす場合、納税義務者になることになります。

  1. 特定期間の課税売上高>1,000万円
  2. 特定期間に支払った給与等の合計額>1,000万円

この給与等には役員報酬も含まれますので、役員報酬+給与の支払い金額がおよそ月167万円以上あると②については該当します。社長1人や家族だけの経営からスタートした会社などであれば、それほど気にしなくても②の条件により納税義務者にはならないことが多いですが、従業員が多い場合は注意が必要です。特に個人事業者から法人化した場合などで、すでにスタッフが多いことがあります。

消費税の納付は、個人事業者、法人にとってかなり負担になるものです。その支払いが設立2年目から発生するか、3年目から発生するかは経営に大きく影響します。先送りにできるものであれば、先送りにしたいものです。設立事業年度の役員報酬を少なくして、1,000万円以下にするのも方法としてはありますが、従業員の給与だけで1,000万円を超える場合は意味がありませんし、役員が生活費に困って法人のお金を使いこむなんてことはNGです。もし、法人設立前などに①と②の要件両方を満たすことがあらかじめ想定される場合は、設立事業年度の月数を7カ月になるように設立する方法があります。特定期間は上記で、前事業年度の前半6月間と説明しましたが、正確には「前事業年度が7カ月超の場合は、前事業年度の前半6月間」となります。実は前事業年度が7カ月以下の場合は、前々事業年度の開始の日から6か月間が特定期間となります。つまり、法人設立の1期目を7カ月で設定すると、2期目は、前事業年度が7カ月以下のため前々事業年度が特定期間となりますが、2期目に前々事業年度はないため、判定不要となり、納税義務者にならなくなります。

整理すると以下の表のようになります。

表内の数字は、期間内の前半6月の機関の金額を示し、色を変更している機関から納税義務者となります。

通常の状態で設立した場合

期間 H30年1月~12月 H31年1月~12月 H32年1月~12月
課税売上高 1200万円 1200万円 1200万円
給与等 1200万円 1200万円 1200万円

 

設立事業年度を7月とした場合

期間 H30年1月~7月 H30年8月~H31年7月 H31年8月~H32年7月
課税売上高 1200万円 1200万円 1200万円
給与等 1200万絵 1200万円 1200万円

 

上記の表から見てわかる通り、設立事業年度を7カ月とした場合、消費税の納税義務者となる時期が7カ月遅することができます。

ただし、デメリットもあります。1期目の決算が5月前倒しになりますので、法人税等の支払いは早くなります。また、1期目は設備投資などで、もともと利益を上げることが難しいのですが、さらにその期間を短くしてしまいますので、より利益を上げることが難しくなります。税額は少なくてすみますが、事業拡大のため金融機関等から借り入れを予定している場合などは、決算が赤字となってしまうことは良いことではありません。

実際、法人の設立期を何カ月にするかは、税理士等に相談していただければと思います。

(消費税法9条の2)

退職金の取り扱い

皆さん、こんにちは。

今回は、役員の退職金について触れていきたいと思います。

 

給与?賞与?退職金?支給のタイミングが違うだけで、どれも人件費という面では同じように思えますが、税務の世界では、退職金は給与や賞与と比較して、とても有利な取り扱いとなっています。

1、退職所得の具体的な算定方法

一般的に給与や賞与を支給した際、その支給された個人では給与所得課税がされてしまいます。ですが、退職金の場合には「退職所得控除額」というものが存在し、その控除額までの分は税金がかかってきません。

それでは、具体的に退職所得の算定方法を見ていきましょう。

退職所得の金額の計算式。

(収入金額(源泉徴収される前)-退職所得控除額)×1/2=退職所得の金額

 

※退職所得控除額

・勤続年数20年以下・・・40万円×勤続年数(80万円に満たない場合は80万円)

・勤続年数20年超 ・・・800万円+70万円×(勤続年数-20年)

 

例えば、勤続年数30年、退職金2,000万円の場合

(2,000万円-1,500万円)×1/2 =退職所得250万円

この2,000万円がもし全て給与所得だとしたら、

給与収入2,000万円―給与所得控除220万円=給与所得1,780万円

これだけの差が生じてきます。

 

2、退職金の支給額の基準

退職金について一般的には、通常、社内の「退職金規程(規定)」に定められています。退職金規程には、退職金の計算方法や支給の条件、勤続年数の定義、退職理由による退職金額の違いなどが明記されているのです。退職理由が自己都合の場合の退職金は、定年退職の場合よりも一般的に少なくなります。

実務的には、功績倍率法が用いられることが多いです。

最終報酬月額×勤務年数×功績倍率(代表取締役なら2~3倍程度が目安)

税務の世界では、不相当に高額とされる部分の金額については損金に算入されません。例えば、同業種同規模の会社の支給状況や、法人業務従事期間、事情等を勘案して妥当な水準を決定します。

 

3、役員退職金を支給する際に必要な手続き

まず、役員に対して退職金を支給する際には、事前に株主総会の決議が必要となってきます。役員退職金は代表取締役やその他役員に対する報酬とされますので、必ず株主総会の決議が必要となります。

 

4、退職金の損金算入時期

原則・・・支給額確定の株主総会決議日(or方法等一任を受けた取締役会決議日)の属する事業年度。

例外・・・実際に支給した日の属する事業年度において損金経理をした日

原則の「支給額確定の株主総会決議日の属する事業年度」と例外の「実際に支給した日の属する事業年度」は同一の事業年度である事がほとんどです。

 

5、退職金の支払い方法

役員退職金は、基本、支給確定年度の費用となりますが、何年かに分割して支給する場合には、それぞれの年度の経費とすることも可能です。

また、役員退職金を分割支給した場合でも、支給確定年度に一括で損金に計上することも可能です。ただしこの場合には、分割期間に注意してください。

分割期間があまりに長いと、否認される可能性があります。その分割期間は特に「○年」とは定められていませんが、概ね「3年程度が目安」だとされております。

なお、退職年金制度の場合に支給する退職年金は、その支給の都度、損金計上することになります。

 

いかがでしたでしょうか。

給与、賞与と同じ性質を持つ退職金ですが、税務の面からみるとかなり優遇されているような気がします。

法人が所有する有価証券について

法人が所有する有価証券については、その所有目的や種類により取り扱いが異なります。今回は法人が所有する有価証券についてまとめていきたいと思います。

 

(1)有価証券とは

まず、有価証券とは株式や新株予約権証券、投資信託等の受益証券の他、国債、地方債や社債などがあげられます。また、細かいところで言えば、合名会社や合資会社、合同会社等の持分会社の社員の持分も有価証券に含まれます。

 

(2)有価証券の譲渡損益について

有価証券の譲渡損益は下記の計算式により計算されます。

譲渡損益=譲渡対価の額-譲渡原価の額

 

①有価証券の譲渡原価の額

この場合の譲渡原価の額は、同一種類・銘柄ごとに1単位あたりの帳簿価額を算出し、その価額に譲渡数を乗じて計算されます。

②1単位あたりの帳簿価額

1単位あたりの帳簿価格は、移動平均法もしくは総平均法により計算されます。ここに言う移動平均法とは、有価証券を取得する都度1株あたりの平均単価を計算する方法を言い、一方で、総平均法は、期首に保有する有価証券とその事業年度に取得した有価証券の取得価額の合計額を総株式数で割って平均単価を計算する方法を言います。総平均法は移動平均法に比べて、期末に一度だけ譲渡原価を計算する方法なので、計算は簡便的ではありますが、期中には取得原価が判明しないというデメリットがあります。

 

(3)1単位あたりの帳簿価額の選定

1単位あたりの帳簿価額の算出方法は、新しい区分、種類の有価証券を取得した場合、その事業年度の確定申告期限までに選定方法の届出を行いますが、何の届出も行わない場合は移動平均法により計算します。また、選定方法を変更する場合は、その変更する事業年度開始の日の前日までにその旨を記載した届出を行うことにより変更が可能です。

 

(4)有価証券の帳簿価額について

有価証券の帳簿価額は、次の区分、銘柄ごとに上記の「移動平均法」または「総平均法」により計算します。

①売買目的有価証券

・短期的な価格の変動を利用して利益を得る目的で取得・保有する有価証券

②売買目的外有価証券

・償還期限の定めのある有価証券で、償還期限まで保有する目的で取得・保有する有価証券(満期保有目的等有価証券)

・法人の特殊関係株主等が発行済株式等の20%以上を有する場合の有価証券(企業支配株式)

③その他有価証券

・上記①、②以外の有価証券

 

(5)有価証券の期末評価

有価証券の期末評価は下記の区分ごとにそれぞれの方法により行います。

①売買目的有価証券

時価法:銘柄ごとに期末時点の時価により評価

②売買目的外有価証券(満期保有目的等有価証券、その他有価証券)

原価法:取得価額により評価(償還有価証券については、簿価と償還金額の差額のうち各期に配分すべき金額を加減算した金額(償却原価法)により評価)

 

(6)有価証券の評価損

①上場有価証券

法人が所有する上場株式については、著しい下落があった場合(その期末時価が帳簿価

額に比べて50%以上下落し、かつ近い将来にその回復が見込まれない場合)は評価

損を計上することができます。

②上場有価証券以外の有価証券

法人が所有する上場有価証券以外の有価証券については、発行法人の資産状態が著し

く悪化したことによる価額の著しい低下があった場合等は評価損を計上することがで

きます。

架空人件費の計上は法人税と所得税がダブルで課税される

神戸市中央区の税理士法人サポートリンクの柴﨑です。

脱税の手口でよく使われるのは経費の架空計上ですが、特に中小企業多くみられる手法に、実際には支払っていない給料やアルバイト代などの人件費の架空計上があります。企業業績が改善してきて所得が増えてくると納める法人税を減らしたくなる気持ちは分からなくはないのですが。合法的な節税は当然するべきですが、行き過ぎた節税という「脱税行為」に誘惑をかられる経営者が相変わらず少なくないようです。

架空人件費の計上には、まったく架空の従業員をでっち上げる強引なやり方もありますが、多いのは勤務実態のない家族などを社員にして人件費を過大計上するやり方です。中には、愛人手当を人件費として計上する強者もいます。さらには、架空計上がばれないように、この架空人件費に対する源泉所得税をご丁寧に納税しているケースもみられます。きちんと源泉徴収しておけば、架空計上は調査されないと考えるのでしょうが、税務調査はそんなに甘くはあり
ません。

このようにしてごまかした所得は、経営者の私的な交際費やマイカーの購入費などに充てられることも多いようです。このような所得の圧縮が税務調査などで判明した場合は、損金となっていた架空人件費が役員賞与とみなされて損金算入が否認され、増えた所得に対して法人税が追徴課税されるだけでなく、役員賞与として役員個人にも所得税が追徴課税されます。つまりは、法人税と所得税でダブル追徴課税されることになります。

上記の架空人件費に対して納税していた源泉徴収額については、実際には支給されていない給与に対するものであることから、還付の対象となります。第三者からみれば、税金をごまかしたペナルティーとして没収してもいいように思えますが、税法にはそのような罰則規定は見当たりません。納税の意図はとも
かく、間違って納めた税金は返してくれます。ともあれ、結局余分な税金を納めるはめにならないように、適正な申告を心がけましょう。

企業が提出する税務関係の書類には、従業員のマイナンバー記載が義務付けられるようになりました。2016年施行のマイナンバー制度により、架空人件費の摘発を狙った税務調査が今後増加するかもしれません。税務調査で架空人件費と疑われないように、日頃から、(1)履歴書、雇用契約書、(2)タイムカード、給与明細、(3)扶養控除等申告書、源泉徴収簿、給与支払報告書、(4)社会保険加入関連書類、算定基礎届、などの書類をしっかりと保存しておくことが必要です。

役員給与は、①定期同額給与、②事前確定届出給与、③利益連動給与のいずれかに該当する場合に限り損金算入が認められています(法人税法施行令69、法人税法基本通達9-2-12、13)。 よって、役員に賞与相当額を支給する方法として、①定期同額給与や②事前確定届出給与に該当する形で支給することにより損金に算入することができる方法があります(ただし、上記①~③のいずれかに該当するものであっても、不相当に高額な部分の金額は、損金の
額に算入されません)。

所得拡大税制が新しくなります

今回の新着情報は、平成30年度の税制改正により改正される所得拡大促進税制について記載します。
所得拡大促進税制(雇用者給与等支給額が増加した場合の税額控除制度)は、従業員の所得を増加させる企業に対して税制面で優遇するため平成25年度税制改正から導入されており、当初は平成28年3月31日までに開始する事業年度までとされておりました。その後、期限が延長され、平成30年3月31日までに開始する事業年度まで継続され、さらに今回の平成30年度税制改正により期限が延長されております。内容といたしましては、青色申告を適用している事業者が、①基準雇用者(雇用者とは、賃金台帳に記載されている国内雇用者であり、使用人兼務役員を含む役員、役員の親族、役員と事実婚関係にある者、役員から生計の支援を受けている者等は対象外となります。)給与等支給額(平成24年度の雇用者給与等支給額)と比べて、適用する年度の給与の総額が一定割合(平成29年度の中小企業者等は3%)以上増えていること。②雇用者給与等支給額が前年度の雇用者給与等支給額を上回っていること。③継続雇用者(適用年度及び前事業年度に給与等の支給を受けた国内雇用者のことで、適用年度に新しく入社した者や前事業年度中に退職した者は原則として継続雇用者には含まれません。)に対する平均給与額が、前年比を上回っていること。以上3要件を満たした場合に、当年度の雇用者給与等支給額から基準雇用者給与等支給額を差し引いた増加額について、中小事業者であれば10%(2%以上増加の場合は更に2%増額されます)の税額控除を受ける事ができるという内容で、中小法人であれば当期の法人税額の20%が限度になります。この要件が平成30年税制改正により、上記①と②の要件が取り払われ、中小企業者等であれば③継続雇用者に対する平均給与額が、前年比を上回っていること。が→継続雇用者に対する平均給与額が前年比1.5%以上増加している。に簡素化されました。また、税額控除額について、中小企業者であれば当年度の雇用者給与等支給額から基準雇用者給与等支給額を差し引いた増加額の10%であったものが15%に変更になりました。さらに、平均給与等支給額が前事業年度から2.5%以上増加し、かつ教育訓練費の額が前年比10%以上増加している若しくは経営力向上計画の認定を受け、経営力向上がなされている場合には、10%の上乗せの税額控除を受ける事ができることとなっております。留意点としましては、対象は青色申告の法人又は個人事業主であり、適用時期は法人であれば平成30年4月1日から平成33年3月31日までに開始する各事業年度、個人事業主の場合は平成31年から平成33年までの各年度で、設立1期目は適用できず、税額控除の限度額は法人税額(所得税額)の20%までとなっております。所得拡大促進税制は法人税等の額を直接減らすことができる税額控除ができるので、節税に繋がります。そして一度適用したら終わりではなく、一度適用してもその後の年度で要件を満たせば、再度適用することができます。また、前事業年度に要件を満たしていなかったとしても、当事業年度で要件を満たせば適用することができます。適用できる事業者は積極的に活用していきたい税制です。

消耗品について

今回は消耗品費について書かせていただきます。

まず消耗品費とは、取得価額が10万円未満のもの、
または使用可能期間(法定耐用年数)が1年未満のものを指しています。

該当する主な消耗品費として、プリンター用紙やインクカートリッジやペン、ハサミ、ホッチキス…等々上げていけばまだまだあります。このような物や10万円以下の機械・器具工具備品・車両運搬具などがあります。(※10万円以上のものでも、明らかに使用可能な期間が1年以内のものも含まれます。)

パソコン等は固定資産に該当する場合であっても、取得価額が10万円未満のものや使用可能期間(法定耐用年数)が一年未満である場合には、消耗品費として経費に計上することが可能です。

基準としては取得価額が10万円未満、使用可能期間(法定耐用年数)が1年未満です。

 

ここで注意すべきことがあります。

まず一つ目に、一つのものではなく二つ三つの部品からそのものが使用できる場合です。

例とすればエアコンと室外機、パソコンの場合には別途ディスプレイがいる等

複数必要とする場合ですがパソコン9万円、ディスプレイ2万円とした場合

パソコン9万円は10万円未満ですので消耗品費となるのですがこれに必ずディスプレイが必要な場合には9万円+2万円=11万円となり取得価額が10万円以上となりますので消耗品ではなく減価償却資産となり全額が購入した期に費用とはならずにその耐用年数で徐々に毎期費用として計上されることになります。

ですので一つのものではなくそれに必要なものの価額を合わせた取得価額が10万円未満か以上になるかを注意しましょう。

 

二つ目に税抜価格で処理されているか、または税込価格で処理されているかです。

例えばパソコン(必要なものを合わせた金額)税抜価格95,000円(税込価格102,600)を購入した場合

税抜価格で見てみると10万円未満ですので消耗品費として費用として処理することが出来ます。

税込価格でみてみると10万円以上ですので一括で費用と処理できず耐用年数で毎期費用として処理することになります。

どちらで処理されているかは消費税の課税事業者か免税事業者かで変わってきますので注意しましょう。

 

またこれには特例があり中小企業者等が、取得価額が30万円未満である減価償却資産を平成18年4月1日から平成32年3月31日までの間に取得などして事業の用に供した場合には、一定の要件のもとに、その取得価額に相当する金額を損金の額に算入することができます。

この特例の対象となる法人は、青色申告法人である中小企業者又は農業協同組合等で、常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人に限られます。

この特例の対象となる資産は、取得価額が30万円未満の減価償却資産(以下「少額減価償却資産」といいます。)です。
ただし、適用を受ける事業年度における少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円(事業年度が1年に満たない場合には300万円を12で除し、これにその事業年度の月数を掛けた金額。月数は、暦に従って計算し、1月に満たない端数を生じたときは、これを1月とします。以下同じ。)を超えるときは、その取得価額の合計額のうち300万円に達するまでの少額減価償却資産の取得価額の合計額が限度となります。

この特例を受けるためには、事業の用に供した事業年度において、少額減価償却資産の取得価額に相当する金額につき損金経理するとともに、確定申告書等に少額減価償却資産の取得価額に関する明細書(別表16(7))を添付して申告することが必要です。

(措法42の4、53、67の5、措令27の4、39の28、旧措法67の8、旧措令39の29、平18改正法附則119、平28改正法附則101)

タックスヘイブン対策税制について

 

税理士法人サポートリンクの前田です。

今回はタックスヘイブン対策税制についてお話しします。

 

「タックスヘイブン」と言う言葉はニュースでお聞きになった事があるかもしれません。今から2,3年前にあったパナマ文書の流出のニュースの時などでは、良く耳にしました。

「タックスヘイブン」は”tax haven”と書き、直訳すると「税の避難所」。一般的には「租税回避地」などと訳されています。要するに税金から逃れるための場所ってことですね。ちなみに「タックスヘヴン」”tax heaven”「税・天国」ではありません。

この税金逃れを防止する法律が「タックスヘイブン対策税制」なのですが、その説明の前に税逃れの仕組みを説明いたします。

日本の税金は日本の法律により定められており、基本的には国内にしか効力はありません。例えば、アメリカの方がアメリカに住みながらアメリカで仕事をして得た所得に対して、日本の税金がかかる事はありません。その代りアメリカの税金を納める事になります。日本人もアメリカの税金は支払っていませんので、当然の話です。

ただ、税率はその国々の法律により決まるため、国によってかなり税率にちがいが出てきます。

日本の法人税の実効税率はおよそ30%ですが、アメリカは今年から20%ぐらいになっています。さらに低い所では10%以下の国なんかもあります。

するとどうでしょう。日本で100万円の所得を得れば、およそ30万の税金を払う事になりますが、アメリカであれば20万。もっと税率の低い国であれば10万以下になるわけです。

「では安い所で支払うようにしたら得だな」と考え行動にうつしたのが、上記のタックスヘイブンによる租税回避行為です。

具体的には、「税率の低い国へ移住してそこでお金を稼ぐようにする」や「税率の低い国に会社を作り、そこに利益が集まるようにし、日本の会社や個人事業は赤字にしてしまう」のような方法が考えられます。前者はおそらく現在も違法ではないですが、後者についての規制が「タックスヘイブン対策税制」となります。

「タックスヘイブン対策税制」の考え方は、国内の親会社が、租税回避目的でタックスヘイブンに子会社(以下国外子会社という)を作った場合、その国外子会社の所得も親会社の所得の一部と考え、日本の税金を掛けようと言うものです。例えば、日本税率を30%。国外子会社の国の税率を10%とします。そして親会社の所得0円、国外子会社の所得100万円の場合の税金は以下のようになります。

 

[国外子会社にかかる税金]

100万円×10%=10万円

[親会社にかかる税金]

100万円×30%=30万円

30万円-10万円(国外子会社が外国で支払った税金)=20万円

みていただければわかるように、国外に所得を逃がしたとしても、日本の税率分きっちり払うことになります。

ただ、これですべてうまくいったかというとそうでもありません。

このタックスヘイブン対策税制は、国外に法人を設立し租税回避する事を取り締まる規定ですが、問題は、租税回避のために設立した法人であるかの判定が難しいところです。どういう事かというと、この判定しだいで、純粋に海外進出を考えた企業が、たまたま税率の低い国で子会社を設立した場合、そこに日本の税率が実質的にかかってしまうことです。こうしてしまうと、世界での競争力の低下(現地の会社はその国の税金しか負担しないため)や海外進出自体の足かせとなる可能性があります。

この点について法律の改正があり平成30年4月以降、より実質的に判定しようという動きにはなっていますが、結局は形式的な要件が細かくなっただけで、中小企業などが徐々に海外進出していこうとする際には足かせになる可能性があります。

確かに上記の租税回避行為は取り締まるべきです。もし、これが昔からきっちり取り締まれていれば、日本の消費税もっと安かったかもしれません。ただ、中小企業が親法人の場合はもう少し緩和してもらえたらと個人的には思います。

<租税特別措置法第四〇条の四、六六条の六>

 

 

2 / 1212345...10...最後 »

新着情報

アーカイブ

求人情報

ラジオ出演

無料相談フォーム

サービスのご案内

税務調査対策

当事務所の特徴

出版書籍

経営者であれば知っておきたい税務調査のイロハ


FXトレード会社設立運営のノウハウ


相続税申告書の書き方

事務所案内へ

ページトップへ