新着情報

法人が所有する有価証券について

法人が所有する有価証券については、その所有目的や種類により取り扱いが異なります。今回は法人が所有する有価証券についてまとめていきたいと思います。

 

(1)有価証券とは

まず、有価証券とは株式や新株予約権証券、投資信託等の受益証券の他、国債、地方債や社債などがあげられます。また、細かいところで言えば、合名会社や合資会社、合同会社等の持分会社の社員の持分も有価証券に含まれます。

 

(2)有価証券の譲渡損益について

有価証券の譲渡損益は下記の計算式により計算されます。

譲渡損益=譲渡対価の額-譲渡原価の額

 

①有価証券の譲渡原価の額

この場合の譲渡原価の額は、同一種類・銘柄ごとに1単位あたりの帳簿価額を算出し、その価額に譲渡数を乗じて計算されます。

②1単位あたりの帳簿価額

1単位あたりの帳簿価格は、移動平均法もしくは総平均法により計算されます。ここに言う移動平均法とは、有価証券を取得する都度1株あたりの平均単価を計算する方法を言い、一方で、総平均法は、期首に保有する有価証券とその事業年度に取得した有価証券の取得価額の合計額を総株式数で割って平均単価を計算する方法を言います。総平均法は移動平均法に比べて、期末に一度だけ譲渡原価を計算する方法なので、計算は簡便的ではありますが、期中には取得原価が判明しないというデメリットがあります。

 

(3)1単位あたりの帳簿価額の選定

1単位あたりの帳簿価額の算出方法は、新しい区分、種類の有価証券を取得した場合、その事業年度の確定申告期限までに選定方法の届出を行いますが、何の届出も行わない場合は移動平均法により計算します。また、選定方法を変更する場合は、その変更する事業年度開始の日の前日までにその旨を記載した届出を行うことにより変更が可能です。

 

(4)有価証券の帳簿価額について

有価証券の帳簿価額は、次の区分、銘柄ごとに上記の「移動平均法」または「総平均法」により計算します。

①売買目的有価証券

・短期的な価格の変動を利用して利益を得る目的で取得・保有する有価証券

②売買目的外有価証券

・償還期限の定めのある有価証券で、償還期限まで保有する目的で取得・保有する有価証券(満期保有目的等有価証券)

・法人の特殊関係株主等が発行済株式等の20%以上を有する場合の有価証券(企業支配株式)

③その他有価証券

・上記①、②以外の有価証券

 

(5)有価証券の期末評価

有価証券の期末評価は下記の区分ごとにそれぞれの方法により行います。

①売買目的有価証券

時価法:銘柄ごとに期末時点の時価により評価

②売買目的外有価証券(満期保有目的等有価証券、その他有価証券)

原価法:取得価額により評価(償還有価証券については、簿価と償還金額の差額のうち各期に配分すべき金額を加減算した金額(償却原価法)により評価)

 

(6)有価証券の評価損

①上場有価証券

法人が所有する上場株式については、著しい下落があった場合(その期末時価が帳簿価

額に比べて50%以上下落し、かつ近い将来にその回復が見込まれない場合)は評価

損を計上することができます。

②上場有価証券以外の有価証券

法人が所有する上場有価証券以外の有価証券については、発行法人の資産状態が著し

く悪化したことによる価額の著しい低下があった場合等は評価損を計上することがで

きます。

架空人件費の計上は法人税と所得税がダブルで課税される

神戸市中央区の税理士法人サポートリンクの柴﨑です。

脱税の手口でよく使われるのは経費の架空計上ですが、特に中小企業多くみられる手法に、実際には支払っていない給料やアルバイト代などの人件費の架空計上があります。企業業績が改善してきて所得が増えてくると納める法人税を減らしたくなる気持ちは分からなくはないのですが。合法的な節税は当然するべきですが、行き過ぎた節税という「脱税行為」に誘惑をかられる経営者が相変わらず少なくないようです。

架空人件費の計上には、まったく架空の従業員をでっち上げる強引なやり方もありますが、多いのは勤務実態のない家族などを社員にして人件費を過大計上するやり方です。中には、愛人手当を人件費として計上する強者もいます。さらには、架空計上がばれないように、この架空人件費に対する源泉所得税をご丁寧に納税しているケースもみられます。きちんと源泉徴収しておけば、架空計上は調査されないと考えるのでしょうが、税務調査はそんなに甘くはあり
ません。

このようにしてごまかした所得は、経営者の私的な交際費やマイカーの購入費などに充てられることも多いようです。このような所得の圧縮が税務調査などで判明した場合は、損金となっていた架空人件費が役員賞与とみなされて損金算入が否認され、増えた所得に対して法人税が追徴課税されるだけでなく、役員賞与として役員個人にも所得税が追徴課税されます。つまりは、法人税と所得税でダブル追徴課税されることになります。

上記の架空人件費に対して納税していた源泉徴収額については、実際には支給されていない給与に対するものであることから、還付の対象となります。第三者からみれば、税金をごまかしたペナルティーとして没収してもいいように思えますが、税法にはそのような罰則規定は見当たりません。納税の意図はとも
かく、間違って納めた税金は返してくれます。ともあれ、結局余分な税金を納めるはめにならないように、適正な申告を心がけましょう。

企業が提出する税務関係の書類には、従業員のマイナンバー記載が義務付けられるようになりました。2016年施行のマイナンバー制度により、架空人件費の摘発を狙った税務調査が今後増加するかもしれません。税務調査で架空人件費と疑われないように、日頃から、(1)履歴書、雇用契約書、(2)タイムカード、給与明細、(3)扶養控除等申告書、源泉徴収簿、給与支払報告書、(4)社会保険加入関連書類、算定基礎届、などの書類をしっかりと保存しておくことが必要です。

役員給与は、①定期同額給与、②事前確定届出給与、③利益連動給与のいずれかに該当する場合に限り損金算入が認められています(法人税法施行令69、法人税法基本通達9-2-12、13)。 よって、役員に賞与相当額を支給する方法として、①定期同額給与や②事前確定届出給与に該当する形で支給することにより損金に算入することができる方法があります(ただし、上記①~③のいずれかに該当するものであっても、不相当に高額な部分の金額は、損金の
額に算入されません)。

所得拡大税制が新しくなります

今回の新着情報は、平成30年度の税制改正により改正される所得拡大促進税制について記載します。
所得拡大促進税制(雇用者給与等支給額が増加した場合の税額控除制度)は、従業員の所得を増加させる企業に対して税制面で優遇するため平成25年度税制改正から導入されており、当初は平成28年3月31日までに開始する事業年度までとされておりました。その後、期限が延長され、平成30年3月31日までに開始する事業年度まで継続され、さらに今回の平成30年度税制改正により期限が延長されております。内容といたしましては、青色申告を適用している事業者が、①基準雇用者(雇用者とは、賃金台帳に記載されている国内雇用者であり、使用人兼務役員を含む役員、役員の親族、役員と事実婚関係にある者、役員から生計の支援を受けている者等は対象外となります。)給与等支給額(平成24年度の雇用者給与等支給額)と比べて、適用する年度の給与の総額が一定割合(平成29年度の中小企業者等は3%)以上増えていること。②雇用者給与等支給額が前年度の雇用者給与等支給額を上回っていること。③継続雇用者(適用年度及び前事業年度に給与等の支給を受けた国内雇用者のことで、適用年度に新しく入社した者や前事業年度中に退職した者は原則として継続雇用者には含まれません。)に対する平均給与額が、前年比を上回っていること。以上3要件を満たした場合に、当年度の雇用者給与等支給額から基準雇用者給与等支給額を差し引いた増加額について、中小事業者であれば10%(2%以上増加の場合は更に2%増額されます)の税額控除を受ける事ができるという内容で、中小法人であれば当期の法人税額の20%が限度になります。この要件が平成30年税制改正により、上記①と②の要件が取り払われ、中小企業者等であれば③継続雇用者に対する平均給与額が、前年比を上回っていること。が→継続雇用者に対する平均給与額が前年比1.5%以上増加している。に簡素化されました。また、税額控除額について、中小企業者であれば当年度の雇用者給与等支給額から基準雇用者給与等支給額を差し引いた増加額の10%であったものが15%に変更になりました。さらに、平均給与等支給額が前事業年度から2.5%以上増加し、かつ教育訓練費の額が前年比10%以上増加している若しくは経営力向上計画の認定を受け、経営力向上がなされている場合には、10%の上乗せの税額控除を受ける事ができることとなっております。留意点としましては、対象は青色申告の法人又は個人事業主であり、適用時期は法人であれば平成30年4月1日から平成33年3月31日までに開始する各事業年度、個人事業主の場合は平成31年から平成33年までの各年度で、設立1期目は適用できず、税額控除の限度額は法人税額(所得税額)の20%までとなっております。所得拡大促進税制は法人税等の額を直接減らすことができる税額控除ができるので、節税に繋がります。そして一度適用したら終わりではなく、一度適用してもその後の年度で要件を満たせば、再度適用することができます。また、前事業年度に要件を満たしていなかったとしても、当事業年度で要件を満たせば適用することができます。適用できる事業者は積極的に活用していきたい税制です。

消耗品について

今回は消耗品費について書かせていただきます。

まず消耗品費とは、取得価額が10万円未満のもの、
または使用可能期間(法定耐用年数)が1年未満のものを指しています。

該当する主な消耗品費として、プリンター用紙やインクカートリッジやペン、ハサミ、ホッチキス…等々上げていけばまだまだあります。このような物や10万円以下の機械・器具工具備品・車両運搬具などがあります。(※10万円以上のものでも、明らかに使用可能な期間が1年以内のものも含まれます。)

パソコン等は固定資産に該当する場合であっても、取得価額が10万円未満のものや使用可能期間(法定耐用年数)が一年未満である場合には、消耗品費として経費に計上することが可能です。

基準としては取得価額が10万円未満、使用可能期間(法定耐用年数)が1年未満です。

 

ここで注意すべきことがあります。

まず一つ目に、一つのものではなく二つ三つの部品からそのものが使用できる場合です。

例とすればエアコンと室外機、パソコンの場合には別途ディスプレイがいる等

複数必要とする場合ですがパソコン9万円、ディスプレイ2万円とした場合

パソコン9万円は10万円未満ですので消耗品費となるのですがこれに必ずディスプレイが必要な場合には9万円+2万円=11万円となり取得価額が10万円以上となりますので消耗品ではなく減価償却資産となり全額が購入した期に費用とはならずにその耐用年数で徐々に毎期費用として計上されることになります。

ですので一つのものではなくそれに必要なものの価額を合わせた取得価額が10万円未満か以上になるかを注意しましょう。

 

二つ目に税抜価格で処理されているか、または税込価格で処理されているかです。

例えばパソコン(必要なものを合わせた金額)税抜価格95,000円(税込価格102,600)を購入した場合

税抜価格で見てみると10万円未満ですので消耗品費として費用として処理することが出来ます。

税込価格でみてみると10万円以上ですので一括で費用と処理できず耐用年数で毎期費用として処理することになります。

どちらで処理されているかは消費税の課税事業者か免税事業者かで変わってきますので注意しましょう。

 

またこれには特例があり中小企業者等が、取得価額が30万円未満である減価償却資産を平成18年4月1日から平成32年3月31日までの間に取得などして事業の用に供した場合には、一定の要件のもとに、その取得価額に相当する金額を損金の額に算入することができます。

この特例の対象となる法人は、青色申告法人である中小企業者又は農業協同組合等で、常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人に限られます。

この特例の対象となる資産は、取得価額が30万円未満の減価償却資産(以下「少額減価償却資産」といいます。)です。
ただし、適用を受ける事業年度における少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円(事業年度が1年に満たない場合には300万円を12で除し、これにその事業年度の月数を掛けた金額。月数は、暦に従って計算し、1月に満たない端数を生じたときは、これを1月とします。以下同じ。)を超えるときは、その取得価額の合計額のうち300万円に達するまでの少額減価償却資産の取得価額の合計額が限度となります。

この特例を受けるためには、事業の用に供した事業年度において、少額減価償却資産の取得価額に相当する金額につき損金経理するとともに、確定申告書等に少額減価償却資産の取得価額に関する明細書(別表16(7))を添付して申告することが必要です。

(措法42の4、53、67の5、措令27の4、39の28、旧措法67の8、旧措令39の29、平18改正法附則119、平28改正法附則101)

タックスヘイブン対策税制について

 

税理士法人サポートリンクの前田です。

今回はタックスヘイブン対策税制についてお話しします。

 

「タックスヘイブン」と言う言葉はニュースでお聞きになった事があるかもしれません。今から2,3年前にあったパナマ文書の流出のニュースの時などでは、良く耳にしました。

「タックスヘイブン」は”tax haven”と書き、直訳すると「税の避難所」。一般的には「租税回避地」などと訳されています。要するに税金から逃れるための場所ってことですね。ちなみに「タックスヘヴン」”tax heaven”「税・天国」ではありません。

この税金逃れを防止する法律が「タックスヘイブン対策税制」なのですが、その説明の前に税逃れの仕組みを説明いたします。

日本の税金は日本の法律により定められており、基本的には国内にしか効力はありません。例えば、アメリカの方がアメリカに住みながらアメリカで仕事をして得た所得に対して、日本の税金がかかる事はありません。その代りアメリカの税金を納める事になります。日本人もアメリカの税金は支払っていませんので、当然の話です。

ただ、税率はその国々の法律により決まるため、国によってかなり税率にちがいが出てきます。

日本の法人税の実効税率はおよそ30%ですが、アメリカは今年から20%ぐらいになっています。さらに低い所では10%以下の国なんかもあります。

するとどうでしょう。日本で100万円の所得を得れば、およそ30万の税金を払う事になりますが、アメリカであれば20万。もっと税率の低い国であれば10万以下になるわけです。

「では安い所で支払うようにしたら得だな」と考え行動にうつしたのが、上記のタックスヘイブンによる租税回避行為です。

具体的には、「税率の低い国へ移住してそこでお金を稼ぐようにする」や「税率の低い国に会社を作り、そこに利益が集まるようにし、日本の会社や個人事業は赤字にしてしまう」のような方法が考えられます。前者はおそらく現在も違法ではないですが、後者についての規制が「タックスヘイブン対策税制」となります。

「タックスヘイブン対策税制」の考え方は、国内の親会社が、租税回避目的でタックスヘイブンに子会社(以下国外子会社という)を作った場合、その国外子会社の所得も親会社の所得の一部と考え、日本の税金を掛けようと言うものです。例えば、日本税率を30%。国外子会社の国の税率を10%とします。そして親会社の所得0円、国外子会社の所得100万円の場合の税金は以下のようになります。

 

[国外子会社にかかる税金]

100万円×10%=10万円

[親会社にかかる税金]

100万円×30%=30万円

30万円-10万円(国外子会社が外国で支払った税金)=20万円

みていただければわかるように、国外に所得を逃がしたとしても、日本の税率分きっちり払うことになります。

ただ、これですべてうまくいったかというとそうでもありません。

このタックスヘイブン対策税制は、国外に法人を設立し租税回避する事を取り締まる規定ですが、問題は、租税回避のために設立した法人であるかの判定が難しいところです。どういう事かというと、この判定しだいで、純粋に海外進出を考えた企業が、たまたま税率の低い国で子会社を設立した場合、そこに日本の税率が実質的にかかってしまうことです。こうしてしまうと、世界での競争力の低下(現地の会社はその国の税金しか負担しないため)や海外進出自体の足かせとなる可能性があります。

この点について法律の改正があり平成30年4月以降、より実質的に判定しようという動きにはなっていますが、結局は形式的な要件が細かくなっただけで、中小企業などが徐々に海外進出していこうとする際には足かせになる可能性があります。

確かに上記の租税回避行為は取り締まるべきです。もし、これが昔からきっちり取り締まれていれば、日本の消費税もっと安かったかもしれません。ただ、中小企業が親法人の場合はもう少し緩和してもらえたらと個人的には思います。

<租税特別措置法第四〇条の四、六六条の六>

 

 

棚卸資産について

在庫を持つ商売は大変だとよく言われます。確かに在庫を持つということは、まだ売上にはなっておらず商品代金を先に投資している状態なので、資金繰りの面でみれば良いものではありません。しかし、物販においては在庫がなければ売上もまた0ですので、在庫の計上は避けては通れません。また、期末在庫については売上原価から差し引く必要がありますので、在庫が多かった場合は、思いのほか利益が出てしまうということもよくあります。今回はその在庫(棚卸資産)についてまとめていきたいと思います。

 

(1)棚卸資産とは

棚卸資産とは、商品、製品、半製品、仕掛品、原材料、消耗品で貯蔵中のもの、その他これらに準ずるもので棚卸をすべきもの(短期売買商品を除く)をいいます。

 

(2)棚卸資産の評価方法

棚卸資産について、その事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入する算定の基礎となる棚卸資産の価額は、棚卸資産の取得価額の平均額をもって事業年度終了の時において有する棚卸資産の評価額とする方法、その他の政令で定める評価方法のうちから選定した評価方法により評価します。

①原価法

原価法とは次のいずれかの方法によって算出した取得価額を期末棚卸資産の評価額とする方法をいいます。

(イ)個別法     個々の棚卸資産の実際の取得価額にて評価する方法

 

(ロ)先入先出法   先に仕入れたものから先に払い出されたとして期末棚卸資産の取得価額を算出する方法

 

(ハ)総平均法    期首の棚卸資産と当期中に取得した棚卸資産の総平均単価をもって期末棚卸資産の取得価額を算出する方法

 

(ニ)移動平均法   棚卸資産の取得の都度、平均単価を算出して期末棚卸資産の取得価額を算出する方法

 

(ホ)最終仕入原価法 期末に最も近い日に取得した単価をもって棚卸資産の取得価額を算出する方法

 

(へ)売価還元法   販売価格に原価率を乗じて、期末棚卸の取得価額を算出する方法

 

②低価法

低価法とは、①の原価法による評価額と、その事業年度終了時における価額とのいずれか低い価額をもって棚卸資産を評価する方法をいいます。

 

(3)評価方法の選定と提出期限について

評価方法の選定は、事業の種類ごとに、かつ棚卸資産の区分ごとに選定する必要があります。そして、その選定方法を下記の日までに所轄税務署長に届出として提出する必要があります。(評価方法を選定しなかった場合は、法定評価方法として最終仕入原価法による原価法により評価しなければなりません。)

①新設法人の場合

設立の日の属する事業年度の確定申告書の提出期限

 

②他の種類の事業を開始した場合、又は事業の種類を変更した場合

その新たな事業を開始、又は変更した日の属する事業年度の確定申告書の提出期限

 

評価方法を変更する場合は、その変更しようとする事業年度の開始の日の前日までに、その旨を記載した変更の承認申請書を所轄の税務署長に提出する必要があります。

 

(4)棚卸資産の消費税について

棚卸資産の消費税の控除については、その商品を販売したか否かは問わず、その仕入れを行った事業年度に税額控除を行うことができます。また、消費税を納める義務がない免税事業者が課税事業者になった場合において、免税事業者の時に仕入れた棚卸資産が残っている時は、その棚卸資産にかかる消費税を課税事業者になった事業年度の課税仕入れとして税額控除を行うことができます。

税法改正により使いやすくなった事業承継税制特例

神戸市中央区の税理士法人サポートリンクの柴崎です。

平成30年度税法改正により、事業承継税制は使いやすくなりました。平成39年12月31日までの10年間この特例措置は利用可能です。具体的には、認定経営革新等支援機関(税理士法人サポートリンクも経営革新等支援機関の認定を受けております)の指導及び助言を受けた会社が作成した承継計画を平成30年4月1日から平成35年3月31日までの5年間に都道府県に提出し、上記の会社の代表権を有する後継者で、同族関係者の内で会社の議決権を最も多く有するものが、贈与又は相続若しくは遺贈により、その会社の非上場株式を取得した場合に亭ヨウされます。

今回の事業承継税制の特例と従来の「事業承継税制」はともに利用可能ですが、両者には相違点もあります。

1.猶予対象株式 従来は発行済み株式の2/3まででしたが、特例では取得した全株式が対象となります。

2.猶予される贈与税額 従来及び特例とも対象株式に係る贈与税の全額が対象となります。

3.猶予される相続税額 従来は対象に係る相続税の80%まででしたが、特例では対象株式に係る相続税の100%となります。

4.贈与者等の要件 従来は代表権を有する又は有していた者だけでした(今回の税法改正により代表者以外の者からの贈与等も対象となります)が、特例では代表者以外のの者を含む複数人が対象になります。ただし、代表者以外の者からの贈与等は特例承継期間のみが対象となります。

5.後継者の要件 従来は筆頭株主である代表権を有する1人の後継者に限られていましたが、特例では代表権を有する最大3人までの後継者が対象となります。

6.雇用確保の要件 従来は贈与又は相続から5年間を事業継続期間として一定の要件を満たさなければ、都道府県知事の認定が取り消されて、猶予税額の全部の納税が必要でした。その要件の一つに雇用確保要件があり、5年平均の従業員数が贈与又は相続時の80%を下回らないようにしなければなりませんでした。特例では雇用の80%を下回った場合でも、認定経営革新等支援機関の意見が記載されている下回った理由を記載した書類が提出された場合には、納税猶予は継続されます。

7.猶予期限確定時の納付税額 従来は贈与等を行った時点の相続税法上の株式評価額に基づく納付税額の全額でしたが、特例では一定の条件を満たす場合は、一部を免除されます。

8.相続時精算課税制度の対象者 従来は贈与者の直系卑属に限られましたが、特例では贈与者の推定相続人でない一定の後継者も対象となります。

9.事前準備が必要 創業から長年経過している会社の場合、株式が多くの親類に分散していることもよくあります。安定した経営を維持していくためには、経営者一族が少なくとも過半数、できれば2/3以上を確保していることが重要です。そのためには、特例を有利に活用するために、先代経営者が株式を買い取る又は会社が買い取ることも考える必要があります。

10.名義株の整理 時承継税制の特例の適用を受けるためには、名義株の整理をすすめ、実際の所有者を明確にしておくことは極めて重要です。また、非上場株式の贈与を時点の受けた時点の評価額と、被相続人の死亡時の純財産額を合算して相続税の総額が決まる以上、非上場株式の贈与時点での評価額をいかに低くするかもまた。重要です

 

新着情報贈与税の非課税財産

今回の新着情報は、贈与税の非課税財産について記載します。贈与税は、原則として贈与を受けた全財産に対してかかりますが、贈与の目的や財産の性質等から次に掲げる財産については非課税財産として贈与税が課税されません。

①法人から贈与されて取得した財産

贈与税は個人からの贈与により財産を取得した場合にかかり、法人から個人が財産を贈与された場合には、一時所得として所得税が課税されます。

②扶養義務者(夫婦、親子、兄弟姉妹)から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの

生活費とは、通常の日常生活に必要な費用をいい、また、教育費とは、学費や教材費、文具費などを言い、贈与税がかからない財産は、生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるためのものが贈与税がかからない財産になります。ですから、生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、それを預金したり投資に回した場合には贈与税が課税されます。

③宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う者が贈与により取得した財産で、その公益を目的とする事業に使われることが確実なもの

ただし、贈与された財産につき2年間の間に事業の用に供していない場合は贈与税が課税されます。

④財務大臣指定の特定公益信託や奨学金支給を目的とする特定公益信託から交付される金品

⑤精神や身体に障害のある者又はその者を扶養する者が、地方公共団体の条例による心身障害者共済制度に基づいて支給される給付金を受ける権利

⑥公職選挙法の適用を受ける選挙の候補者が選挙運動に関し個人から贈与により取得した金品等で、公職選挙法の規定による報告がなされたもの

⑦特定障害者扶養信託契約に基づく信託受益権

国内に居住する特定障害者(特別障害者又は精神上の障害により物事を判断する能力を欠くのが常であるなど精神に障害がある者)が、特定障害者扶養信託契約に基づいて信託受益権を贈与により取得した場合には、「障害者非課税信託申告書」を納税地の所轄税務署長に提出することにより、信託受益権の価額のうち、6,000万円(特別障害者以外の者は3,000万円)までの金額については贈与税が非課税になります。

⑧個人から受ける香典や花輪代、年末年始の贈答品、祝物又は見舞い等のための金品で、社会通念上相当と認められるもの

⑨直系尊属から贈与を受けた住宅取得等資金のうち住宅取得等資金の非課税制度を採用し、贈与税の課税価格に算入されなかったもの

⑩直系尊属から一括贈与を受けた教育資金のうち1,500万円の非課税枠を用い、贈与税の課税価格に算入されなかったもの

⑪直系尊属から一括贈与を受けた結婚・子育て資金のうち1,000万円の非課税枠を用い、贈与税の課税価格に算入されなかったもの

⑫相続又は遺贈により財産を取得した者が、その相続開始年に被相続人から贈与により取得した財産

相続があった同年中に被相続人から相続又は遺贈ではなく贈与により取得した財産は、相続税ではなく贈与税が課税されます。

会社設立時の消費税

まず消費税の納税義務を免除される免税事業者となるためには一定の要件があり、一定期間における課税売上高、法人の場合には資本金の額により判定されます。ほとんどの場合は、前々事業年度の課税売上高が1,000万円以下であれば、免税事業者と判定することができます。 ただし以下のいずれかの要件を満たす事業者は課税事業者に該当することとなり、免税事業者となることはできません。

1 基準期間における課税売上高が1,000万円超である。

  課税期間の消費税の確定申告の要否及びその計算方法を決定するために基準とする期間をいいます。

  その事業年度の前々事業年度が一年ある場合はその事業年度の前々事業年度

  一年ない場合はその事業年度開始の日の2年前の日の前日から1年を経過する日までの間に開始した各事業年度を合わせた期間となります。

2 特定期間(注4)における課税売上高、および給与等支払額が1,000万円超である。

平成2511日以後に開始する年又は事業年度については、基準期間の課税売上高が1,000万円以下であっても、特定期間の課税売上高が1,000万円を超えた場合には、課税事業者となります。

() 特定期間の課税売上高が1,000万円を超えるかどうかの判定については、課税売上高に代えて、特定期間中に支払った給与等の金額により判定することもできます。給与等の金額とは、所得税法施行規則第100条第1項第1号《給与等、退職手当等又は公的年金等の支払明細書》に規定する給与等の金額をいうことから、当該給与等の金額とは、所得税の課税対象とされる給与、賞与等が該当し、所得税が非課税とされる通勤手当、旅費等は該当せず、未払額は含まれません。
 また、出向契約に基づき出向先事業者が出向元事業者に対して支払う給与負担金については、出向する使用人に対する給与を出向元事業者が支払い、その支払明細書を出向元事業者が交付する場合には、出向元事業者の給与支払額となるため、出向先事業者における特定期間の給与支払額には該当しません。

 この場合の特定期間とは、個人事業者にあってはその年の前年11日から630日までの期間、法人にあっては原則としてその事業年度の前事業年度開始の日以後6月の期間をいいます。

消費税法第9条の2、消費税法施行令第20条の5、第20条の6消費税法施行規則11条の2、消費税法基本通達1-5-23

3 設立から2年以内で、資本金の額、または、出資の金額が 1,000 万円以上である。

   1,000万円未満でも下記の二つに該当する場合納税義務があります。

・新規設立法人が「他の者」に支配されている(特定要件)

・上記の「他の者」および当該「他の者」と一定の特殊な関係にある法人のうちいずれかの者の基準期間相当期間(新規設立法人の基準期間)における課税売上高が5億円を超えている

4 消費税課税事業者選択届出書を提出している。

   免税事業者が課税事業者になることを選択する場合の手続です。

適用を受けようとする課税期間の初日の前日まで(適用を受けようとする課税期間が事業を開始した日の属する課税期間である場合には、その課税期間中)に提出。

 

5 納税義務の免除の特例により課税事業者となる。

  相続・分割・合併についての免除の特例により課税事業者となる場合があります。

・相続によって相続人が被相続人の事業を承継した年において、基準期間となる前々年の被相続人の課税売上高が1,000万円を超えている場合

・相続によって相続人が被相続人の事業を承継した年の翌年及び翌々年において、被相続人のその基準期間の課税売上高と相続人のその基準期間の課税売上高の合計額が1,000万円を超える場合

・合併によって新たに法人を設立した場合の合併事業年度において、合併法人のその合併があった日の事業年度の基準期間に対応する期間における各被合併法人の課税売上高のうち、いずれかが1,000万円を超えている場合

・分割等によって新設分割子法人を設立した場合で、新設分割子法人の基準期間に対応する期間における新設分割親法人の課税売上高として計算した金額が1,000万円を超える場合

 

設立してから2年は消費税を払う必要がないと言われることが多いですが、一定の場合には課税事業者となるためご注意ください。

消費税の課税事業者選択について

税理士法人サポートリンクの前田です。

 

今回は、消費税の課税事業者選択についてお伝えいたします。

以前のブログ(2018年2月13日)では、消費税は事業者にとって負担を感じやすい税金と言うお話を致しましたが、今回はその消費税の申告義務のない事業者があえて、課税事業者(消費税の申告義務のある事業者)を選択する場合のお話です。なぜ、そんな選択をするか。のお話をする前に申告義務のない事業者とは、どんな事業者であるかを簡単に説明します。

 

申告義務のある事業者は、納税義務のある事業者を指します。納税義務のある事業者とは、課税売上を行った事業者を言います。ただ、「小規模事業者に係る納税義務の免除」と言う規定があり、基準期間における課税売上高が1,000万円以下である事業者の納税義務を免除されます。基準期間とは当期の前々事業年度(前々年)を言います。この規定は、小規模事業者への配慮及び、税務当局の税務執行面に配慮してできた規定で、分かりやすく言い換えると、課税売上高が1,000万円以下ぐらいの小規模な事業者は、事務員を雇う余裕もなく、消費税の計算をするのも大変でしょうと言う事業者への配慮と、申告してもらっても結局少額な納税額になるので、そのために申告書のチェックとか申告書や納付書の郵送などをするのは面倒だという税務署側の都合によるものです。

この規定により、事業規模が小さい事業者と事業を始めて1年目2年目の事業者は、基本的に納税義務がなくなります。同時に申告義務もなくなります。(ただし、別の規定により納税義務者になる場合があります)

 

では、その申告義務が無い事業者が、わざわざ課税事業者を選択し申告義務を背負うのはなぜでしょうか。それは、消費税の還付(税務署からの返金)を目的としているためです。

消費税の仕組みは、事業者が預かった消費税と事業者が支払った消費税の差額を納付する仕組みとなっています。通常であれば、売上げ10,000万円(受け取った消費税800万円) 経費8,000万円(支払った消費税640万円)差額(納付する消費税)160万円を納税する形になりますが、大きな設備投資をした場合などは、受け取った消費税より支払った消費税が大きくなる場合があります。上記の例で自社ビル10,000万円(支払った消費税800万円)を購入した場合、支払った消費税は640万円+800万円=1440万円となります。結果受け取った消費税800万円より大きくなり、差額である640万円を還付が受けられます。

そのため、免税事業者(納税義務のない事業者を言います)が、翌事業年度などに大きな設備投資をすることが分かっている場合などに適用する場合があります。

ただ、この規定を適用するには注意する点があります。

注意する点

①課税事業者を選択は、翌事業年度から適用されます。(法人設立事業年度や一定の課税期間は、手続きをした事業年度から適用されます)そのため、事前の計画が必要になります。

②課税事業者の選択を行った場合は、2年は課税事業者になります。

そのため、還付だけもらって、すぐに免税事業者に戻る事ができません。

③課税事業者の選択を行い、その適用があった1年目、2年目の事業年度中に1つ100万円以上の課税資産を購入した場合には、購入した事業年度の翌々事業年度までが課税事業者となります。

そのため、金額の高い資産を購入し多額の還付を受けても、その後2年間は免税事業者に戻る事が出来ません。

 

まとめ

上記の②③のケースを表にまとめたのが以下の物です。

課税事業者の選択をした方が有利になるかどうかの目安としては、②の場合はH31年の還付額がH32年の納付額より多ければ得に。③の場合であればH31年の還付額がH32年とH33年の納税額の合計より多ければ得になります。

ただ、あくまで目安です。事業内容等により想定した還付を受けられない場合など、上記だけでは判断できないケースがありますので、実際行われる際には、顧問税理士のご相談ください。

年度 H30年 H31年 H32年 H33年 H34年
課税事業者の選択手続き 課税事業者

資産購入(価格100万円未満)

課税事業者

課税事業者をやめる手続きを行う

免税事業者 免税事業者
課税事業者の選択手続き 課税事業者

資産購入(価格100万円以上)

課税事業者 課税事業者

課税事業者をやめる手続きを行う

免税事業者

 

根拠条文:消費税法9条

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