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医療費控除を受けるには確定申告が必要です。

神戸市中央区の税理士法人サポートリンクの柴崎です。

 

医療費控除は会社員などの給与所得者も確定申告しなければ還付されません。医療費控除の対象となる金額は、去年1年間に支払った医療費から保険金などで補填された金額を差し引いた金額(上限200万円)から10万円を引いた金額となります。ただし、総所得が200万円以下の場合は、総所得額の5%を引いた金額となります。

 

医療費控除は自分以外にも生計を同一にする家族の分もまとめて申告可能です。所得税は累進課税ですから、家族の中で一番所得の多い人が家族の分もまとめて医療費控除の申告をすることが、税額を減らす効果が大きいので、お得です。また、生計が同一であれば、同居は要件ではありませんので、一人暮らしの家族の分も、控除対象に含まれます。

 

医療費控除の対象となるのは、治療を目的とした医療行為に支払った費用です。具体的には、①病院での診察費や入院費、②医師の処方箋をもとに購入した医薬品、③治療に必要な松葉杖などの医療器具の購入費、④通院に必要な交通費、⑤歯の治療費(自由診療を含む)、⑦子どもの歯列矯正費用、⑧治療のためのリハビリ・マッサージ費用、⑨介護保険の対象となる介護費用、などがあります。このうち、通院に必要な交通費はバスや電車などの公共交通機関によるものは、医療費控除の対象となりますが、タクシーの利用は、緊急を要する場合や電車やバスの利用ができない場合のみ認められ、申告の際には領収書の添付が必要となります。逆に、医療費控除の対象にならないものとしては、①人間ドックなどの健康診断費用(ただし、病気が発見され治療をした場合は対象となります)、②予防注射の費用、③美容整形の治療費用、④マイカー通院のガソリン代や駐車料金、里帰り出産のための実家への交通費、⑤自分の都合で利用した差額ベット代、などが該当します。なお、還付請求の申告期限は、法定納期限(3月15日)から5年以内となります。

 

これとは、別に平成29年から新たな医療費控除制度として、「セルフメディケーション税制」がスタートしました。この制度は、病院に行かなくても自分で治療しようとする人に節税の恩恵を与えるという制度です。対象となる医薬品の購入額(上限10万円)から1万2000円を差し引いた金額を所得控除として計算することができます。ただし、この控除を受けるには、①特定健康診査、②予防接収、③定期健康診断、④健康診査、⑤ガン保険のいずれかを受けなければなりません。29年以降は従来の控除医療費かセルフメディケーション控除かのいずれかを選択して適用することになります。まずは、医療費控除の対象とならないかを検討し、医療費控除の対象にならなかった場合、セルフメディケーション税制が適用できないかを検討するのが、賢い対応といえるます。

 

最後に、今年は災害が多かったですが、災害や盗難もしくは横領などによって、財産の損害を受けた場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。「雑損控除」といわれる制度です。ただし、普通の生活を送るための財産に対する損害が対象で、別荘などのぜいたく品は対象になりません。損失額が大きすぎてその年の所得金額から引ききれない金額がある場合は、その年の翌年以降3年間の繰越控除が認められています。

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