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退職金と弔慰金

今回の新着情報は、退職金と弔慰金について記載します。
退職金とは、退職した労働者等に対して支払われる金銭のことで、退職手当や退職慰労金と呼ばれることもあります。退職金につきましては、法律で定められておらず各々の会社の就業規則に委ねられます。

 

退職金の算出方法には「年功型」と「成功報酬型」があり、前者は企業に在籍した年数に応じて退職金が増加していくというもので、後者は退職時の役職等によって退職金が決まるというものになります。計算方法としては、主に3種類があります。

 

① 基本給連動型
② 別テーブル形
③ ポイント制

 

①の基本給連動型は、退職時点の基本給に勤続年数をかけ、退職理由等に応じた係数をかけて計算します。
②の別テーブル形は、退職理由や退職時の役職により算定基礎額を決めて勤続年数と係数をかけて計算します。
③のポイント制は、勤続年数や役職、取得している資格等にポイントを設定し、ポイントの合計に単価をかけて計算します。

 

退職金に関係する税金について、受け取る側では所得税・住民税と相続税になります。まず所得税・住民税についてですが、退職金は長年の功労に報いることにより支給されるので、他の所得税より優遇されております。計算方法は、退職金の金額から勤続年数に応じた退職所得控除額を引き、その金額を二分の一にして所得税の税率をかけて計算します。退職所得控除額の算出方法ですが、勤続年数20年を境に計算方法が変わります。勤続年数が20年以下であれば、40万円×勤続年数(1年未満の端数は切上げ、勤続年数2年未満は2年とする)、勤続年数20年超は、800万円+{70万円×(勤続年数-20年)}になります。

 

例えば、勤続年数10年の人が500万円の退職金を受け取った場合は、
(500万円-40万円×10年)×1/2=50万円(退職所得の金額)
50万円×5.105%(所得税率)=25,525円が所得税で、退職所得金額の10%の50,000円が住民税になります。

 

社員の死亡による退職の際に支払われる死亡退職金につきましては相続税がかかる場合があります。相続税の対象となる死亡退職金には、被相続人に支給されるべきであった退職手当金や功労金などの金品で、現物支給されたものも含まれます。さらに被相続人の死亡後3年以内に支給される金額が確定したものが対象となりますが、このうちの全額が相続税の対象となるわけではありません。すべての相続人が取得した退職手当金等の合計額が、500万円に法定相続人数を掛けて算出される非課税限度額以下の場合は課税されません。

 

これに対し、弔慰金とは、人が亡くなった際に、香典や花輪料、葬祭料などの名目で色々な人から受け取る金銭や、企業が、亡くなった人への功労とその遺族の今後の生活の支えとなるために贈る金銭が該当し、相続税法基本通達3の20で社会通念上相当と認められているものについては所得税及び贈与税が非課税とされております。社会通念上相当かどうかの判断ですが、亡くなった社員が仕事中に亡くなったか、仕事外で亡くなったかによって変わり、業務上の死亡の場合は普通給与(給料や扶養手当、勤務地手当等の合計額)の3年分の金額までが非課税とされており、業務外の死亡の場合は普通給与の半年分の金額までが非課税とされております。

業務上の死亡か否かの判断は、業務遂行性、相当因果関係、業務起因性を基準としておりますので、例えば出張先で発生した事故により死亡した場合や職業病により死亡した場合などは業務上の死亡とされます。なお、非課税枠を超えた金額については死亡退職金とみなされ相続税の課税対象となりますのでご留意ください。

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