• 所得税

納期の特例を適用しても毎月納付も可能

神戸市中央区の税理士法人サポートリンクの柴崎です。

 

源泉徴収した所得税及び復興特別所得税は、原則として、給与などを支払った月の翌月10日までに税務署に納付しなければなりませんが、給与の支払人員が常時10人未満の源泉徴収義務者は、源泉徴収した所得税及び復興所得税を半年分まとめて納付することができる特例があります。これを「納期の特例」といいます。これは、小規模事業者向けの特例であり、源泉徴収義務者全体の約7割が利用しているということです。

 

この特例の対象となるのは、①給与や退職金から源泉徴収した所得税や復興特別所得税と、②弁護士・税理士・社会保険労務士などの特定資格を持つ人に支払われる源泉徴収した所得税及び復興所得税に限られます。それ以外の①原稿料や講演料など、②プロ野球・プロサッカー選手、プロテニス選手、プロゴルファー、モデルなど、③芸能人や芸能プロダクションを営む事業者に支払う報酬・料金、④バー・キャバレー等のホステスやコンパニオンに支払う報酬・料金、⑤プロ野球選手の契約金など、役務の提供契約をすることにより一時に支払う契約金、⑥事業の広告宣伝のための賞金、⑦馬主に支払う競馬の賞金などは、納期の特例の対象とはならず原則通り毎月の支払月の翌月10日までに納付する必要があります。遅れると、加算税・延滞税が発生しますので、注意が必要です。

 

この特例の適用を受けていると、その年の1月から6月までに源泉徴収した所得税や復興特別所得税は7月10日まで、7月から12月までに源泉徴収した所得税及び復興特別所得税は翌年1月20日までに納付することになります。しかしながら、納期の特例を適用しているからといって、必ずしも半年分をまとめて源泉所得税を納付する必要はありません。例えば、1か月や数か月ごとに納付することもできます。多額の利益が発生した月に、納期の特例を適用せず、原則どおり、1か月分の源泉所得税を翌月10日までに納付することもできます。納期の特例は、あくまでも毎月納付の原則の納期限を半年ごとに延長するものであり、それを強制するものではないのです。

 

また、個人住民税特別徴収額についても、納期の特例制度があります。特別徴収税額の納期の特例は、住民税の特別徴収義務者である事業者が、一定の条件を満たせば、市町村長の承認を受けることにより、特別徴収税額を年2回に分けて納入することができます。納期の特例を受けるための条件とは、①給与の支払いを受ける者が常時10人未満であること、②当該市町村において滞納がないこと、③納期の特例の取り消しを受けて1年以上が経過していること、です。納期の特例の適用を受けると、①6月から11月に従業員から徴収した個人住民税は・・・12月10日が納期限、②12月から5月に従業員から徴収した個人住民税は・・・6月10日が納期限となります。ただし、納期限が土・日曜日、休日の場合は、その翌日が納期限になります。納期の特例を受けようとする事業主は、必要事項を記載の上、事前に申請する必要があります。ただし、納期の特例は納期に関する特例であり、事業主は従業員から毎月住民税を徴収する必要があります。

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