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長期保有土地の売却

税理士法人サポートリンクの東石です。

 

法人が土地を売却する場合、売却価額から帳簿価額と譲渡の要した費用を差引いた差額相当が譲渡利益として収益計上されることになります。
近年では以前より土地の価格が上昇している地域も多くありますので、安く購入した土地が思わぬ高値で売れ、臨時的な収益が発生するケースがしばしば起こります。(その逆もまたしかりですが。)

 

法人においては、個人での土地譲渡の取扱い(譲渡所得)とは異なり、他の所得と合算して課税所得を構成します。ですので、土地売却以外が赤字であれば土地の譲渡利益と相殺されますが、元々黒字の会社はその分課税所得は増加します。この場合、土地の譲渡利益に対して最大30%を超える税金が課されることになりますが、一定の土地を売却した際に、その土地が長期所有土地等というものに該当しておれば譲渡利益の内、最大1,000万円を特別控除できるという規定が存在します。多額の譲渡利益が出ているような場合は非常にありがたい制度ですので、土地売却時には一度確認をしてみても損はないでしょう。

 

では、この対象となる長期所有土地等とは何かといいますと、まず法人が平成21年1月1日~平成22年12月31日までに取得した国内にある土地(土地の上にある権利を含み、棚卸資産を除く)で、その取得をした日の翌日から譲渡をした日の属する年の1月1日までの期間が5年を超えるものを言います。

ですので、これから売却するという場合は、平成21年1月1日~平成22年12月31日の間に取得しておれば、必ず保有期間は5年超となりますので、この条件はクリアします。

ただし、指定の期間に取得した場合であっても下記の方法による取得は対象外となります。

 

①適用を受けようとする法人と、特殊の関係のある個人または法人からの取得
②合併、分割、贈与、交換、出資または平成22年9月30日以前に行われた適格事後設立もしくは平成22年10月1日以後に行われる適格現物分配による取得
③所有権移転外リース取引または代物弁済による取得

 

これを見ると、特殊な関係のある者以外からの通常の購入であれば問題なさそうです。

そして、この規定の適用を受けた場合は、下記のいずれか低い金額を損金の額に算入でき、譲渡利益額を減らすことができます。(①がマイナスの場合は適用がありません)

 

①長期所有土地等の譲渡により取得した対価の額(交換の場合は交換取得資産の価額)
 -(長期所有土地等の帳簿価額+その譲渡に要した経費のうち一定のもの)
②1,000万円

 

つまり、1,000万円を限度として、その長期所有土地等の譲渡による譲渡利益額を減額することができます。

ただし、この長期所有土地等の譲渡をした日の属する事業年度のうち同一の年に属する期間中に、その譲渡をした土地等のいずれかにつき、特定資産の買換えの圧縮記帳等の規定の適用を受けた場合は、この特別控除の適用を受けることはできません。

租税特別措置法第65条5-2、租税特別措置法施行令第39条6-2

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