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緊急時の資金対策について


税理士として、会計事務所の顧問先を見ていると、銀行借入が増加している
なと思うところが増えてきました。それも運転資金の増加です。一方で、
売上が2年前の6割位になってしまって、借入金残高が年間売上高の8割以上
のなっているようなところもあります。今後もこのような状況が続くのでしょう。


こうした状況になると、資金繰り対策は常に緊張の連続という状況が
続きます。


緊急時の資金繰り対策は、社長の個人財産を含めた会社の資金調達能力を把握
することが重要です。


先ずは会社の現状を分析し、固定費削減、売掛金の回収促進、たな卸在庫回転
率の向上、遊休資産の処分などによる財務内容の改善から資金捻出がどの程度
できるかを検討し、それでも不足するようなら緊急経済対策等による融資制度
の活用も考えましょう。


この場合、社長個人に絡んだ資金調達方法がないか(例えば、小規模企業共済
制度の借入など)を幅広く確認して万一に備えることが要求されます。


借入だけで難しければ、経営改善計画を作成のうえ金融機関に対して、既存借入
の条件緩和の申し出などを速やかに行なうことになります。  


以下で、現状分析の中心になるものを確認してみます。


1.売掛債権一覧表の作成


一覧表を作成し、回収条件を洗い出し回収サイトを短縮できるところはないか
を検討します。次に、回収状況から滞留しているものがないかをかを確認し、
督促、掛売の禁止(現金売へ変更)、相手社長の連帯保証を取り付けなど債権
保全措置を実施します。


2.たな卸資産別一覧表の作成


一覧表を作成し、商品ごとの利益率や回転期間を確認し、不良在庫の有無をチェ
ックします。合わせて、たな卸資産回転期間を早める手立て(例えば、受注の
都度発注する方式の導入等)を検討します。


こういった対策は、地道な努力を必要としますが、やるとやらないとでは、
会社の資金繰りに大きな影響を及ぼしますので、是非実行されることをお
勧めします。
 

2010年2月27日

金利は交渉次第で下げられる


銀行が企業に融資をする際の貸出金利、これはビジネスローンや、制度融資
などはじめから金利が決められている融資商品でないかぎり、企業と銀行と
の交渉によって、決定されるものです。金利引き下げ交渉も積極的に進めま
しょう。。というのが税理士としての私のアドバイスです。


企業側が意識をもって金利交渉にのぞめば、少しでも低い金利にすることは
できます。そうすれば、自社が負担しなければならない支払利息を減らすこ
とができます。


銀行員は、金利交渉をする場合、相手を見て金利を提示してきます。
いつも金利にうるさい経営者、どこの銀行も融資したくなるような、優良な
企業などへは、はじめから低めの金利を言ってきます。


一方、金利のことを話題に出したことがなくて金利水準に無頓着そうであっ
たり、企業側から融資をしてくれないかと言ってくるような企業に対しては、
高めの金利を言ってきます。


銀行には、この企業に融資をするには、これだけの金利を提示しなければなら
ないという金利算定の基本ルールがあります。


そこでは、その企業の格付けや、今回の融資の返済期間、また保全状況(融資
総額のうち、担保や保証協会付などでどれだけの金額がカバーされているかの
割合)などから、これだけの金利を提示しなければならない、ということが導き
出されます。


しかし、それはあくまで「目安」でしかありません。結構、担当の銀行員の「
なんとなく」の感覚で、提示してくる金利が決まってしまうのです。


ということは、企業側の姿勢により、金利はある程度、低くすることが可能と
いうことです。


金利を低くしていくために、企業側としてやっておくべきことは次の2点です。


1つは、金利にうるさい会社、金利にうるさい経営者、という印象を、銀行に
持たせること。


はじめから金利が決められている融資商品でないかぎり、融資にあたって銀行
が提示してきた金利には、必ず抵抗するのです。


なかなか融資が受けられないような企業でも、かまいません。その場合には「
この金利では、うちはとても払えないよ。」と言って、銀行が提示してきた金利
に抵抗していくのです。


そのように抵抗し、交渉していく中で、銀行はその交渉に乗らず、下げてくれな
いかもしれません。


しかし、金利にうるさい会社、金利にうるさい経営者、と印象付けることに価値
があるのです。


そのような印象を担当の銀行員に印象付けることにより、次回の融資では、多少
なりとも金利を抑えて提示しよう、という意識が、担当の銀行員に働くのです。


2つ目は、「取引銀行を増やす」ということです。


金利には、競争原理が働きます。複数の銀行が融資を出している企業は、銀行
としては自分の銀行の方から融資を受けてほしいと思い、金利を低めに提示し
がちになります。


また複数の銀行から同じタイミングで融資の提案がきている場合、低い方の銀行
の提示金利を高い方の銀行に伝えることにより、高い方の銀行が、より低くした
金利を提示してきて、そこで競争させて、一気に金利を引き下げることもできます。


金利を低くすることができれば、あなたの会社の利益を増やすことができます。
要は、経営者が「金利に対して強い意識を持つこと」です。


金利に強い意識を持った企業は、銀行から受ける融資の金利水準は低くなります。
 

2010年2月24日

在庫を抱えることの可否


在庫を持たずに現金商売する。このような商売形態であれば、資金不足
になることもありません。特に「在庫を抱えること」で発生する問題に
は注意が必要です。税理士として会計事務所の顧問先を見ていると、
在庫を抱えるリスクに関心が薄いのでは思うことがあります。


今、売っている一部の商品は「委託販売方式」されているため、お客さんに
販売したらA社から買取り、A社に支払うため、利益率が30%程度と良く
ありません。


この商品は自社でも仕入れることができ、その方式だと利益率70%になりますが、
海外から仕入れる為、仕入れてから手元に来るまで1ヶ月以上かかる上、仕入代金
を先払いしなければなりません。どちらの方が良いでしょう?


つまり、現在は、お客さんが見つかって売れたら、売上金からA社に仕入代金を
払うという委託販売で、在庫リスクはないが利益率が低い。


一方、在庫リスクは負うけども、利益率が倍以上となるという点で、どちらを選べ
ばよいかという問題です。


売っている商品は、購買頻度の高い最寄品ではなく、海外の有名ブランドの中古
商品で販売価格が100万?300万円程のもので専門性が高い高額商品です。販売ま
でに平均1ヶ月程度かかります。


この場合の判断は、会社の状況にもより変わってきますが、手元の資金が潤沢にあ
り、資金繰りが向こう1年間心配ないというようなキャッシュリッチな会社であれば、
在庫リスクを負って利益率の高いビジネスモデルで展開することも考えられます。


しかし、資金繰りが楽ではない会社の場合はどうかと言えば、現在の委託販売モデル
でいった方が良いでしょう。


まず、仕入代金を払ってから手元に届くまでに1ヶ月程度かかり、さらに売れるまで
に平均1ヶ月程度かかるとすると、仕入の支払いをしてから売上代金が入金するまで
に2ヶ月はかかってしまうことになります。


この間、資金が寝てしまうことになるので、当然、資金繰りが悪化します。さらに、
売れずに在庫が塩漬けになるリスクもあります。


現在の、委託販売モデルであれば、資金の建て替え期間はないので、資金が眠る
期間がありません。しかも、仕入れに時間もかかりませんので、何回転も出来れば、
1案件ごとの利益は少なくとも、販売回数が増えれば、結果的に利益額を大きく
できる可能性もあります。


このように、利益を重視してものごとを考えることは重要なのですが、それ以上に
資金繰りを重視して考えなければ、思わぬところで、資金繰り破綻を起こしてしまう
ことになります。


この場合でいえば、長い期間、資金が眠ってしまうような仕入れをすることは、
自社の資金繰り上できないので、「自社が出来ないこと」をできるパートナーと
良い関係を築き、一つのビジネスモデルを成功させるという方法が最善の策です。


この方法は、その事業で得た利益を100%自社のものにできないので、他社と組む
ことを躊躇する人がたくさんいます。


しかし、100%の利益を得ようとして、無理のかかる事業展開をするよりも、50%
の利益を素早く3回取った方が、残る利益が大きいことに気付くべきだといえます。
 

2010年2月22日

社員に決算書を公開する


私の税理士事務所の顧問先で、毎期の事業計画書を作り、これを社員に説明して
いる会社があります。この目的は、会社としての目標を社員に認知させることです。
こうすることによって、社員のモチベーションアップが狙いです。しかし、私が見て
思うことは、「社員は【本当の意味で】理解していない」ということです。

  
「社員に浸透していない」のではありません。「浸透」以前に社員は決算書を
「理解」していないのです。


例えば、事業計画書には

1.数字で表せるもの
2.数字で表せないもの

などの事項を記載します。


まずは、「数字で表せるもの」について考えてみましょう。
「数字で表せるもの」なのに、理解していないのです。
もちろん、事業計画書ですから「会社全体の数字」を示しています。
しかし、「1社員の数字」として考えた場合、実感がないのです。


例えば、会社全体の目標売上が10億円と見せられても実感がありません。
しかし、個人の目標売上が3000万円なら理解できます。


もっというと、同じ3000万円でも商品ごとに粗利率は違います。
だから、個人ベースの損益分岐点まで考えるならば、
「君の目標は、商品Aをxx個、商品Bをxx個売ることだ」と具体的に伝える
必要があります。


さらに営業マンごとに損益計算書を作成し、家賃などの固定費も営業マン
に均等に配分しています。そうすると、「営業マンごとの損益分岐点」が
できあがります。


このようにすれば、「商品Aをxx個、商品Bをxx個を売れば、会社に貢献できる」
ということを客観的に示すことができるのです。

 
こういう方法を採用するときの注意点は、「俺たちがいるから会社が成り立っ
ている」という風に誤解されないことです。


当たり前ですが、営業マンだけで会社はもっているわけではありません。
営業マンが数字をあげ、裏方でフォローする人間もいるから会社は成り立つ
のです。


「支え合って会社は成り立っているから、自分も給料をもらえるんだ」という
意識が大切なのです。

 
社員が具体的に個人の目標を「理解」し、行動すれば会社の業績は必ずよく
なります。


たとえ、社長だけがどんなに素晴らしい目標を掲げても、目標を共有できなけ
れば業績目標は達成はできないのです。


だから、社員が「理解」している目標というのは大切なのです。
 

次に、「数字で表せないもの」について考えてみましょう。


数字で表せないものは主観的な判断になり、できているかどうかが個人の判断
になってしまいます。


だから、数字で表せないものは、「別の形で目で見えるようにする」ことが大切
なのです。


事業計画を作るときに大切なことは、「数字で表せるもの」、「数字で表せない
もの」の両方を表し、共に社員に見える形で、社員に「理解」させることです。


特に、景気が低迷している状況では、「目標設定」ということが非常に大切な
要素です。


クリアするべき具体的な目標を作り、達成していくことが重要なのです。
そして、社員一丸となって、頑張ることが大切なのです。


多くの会社の事業計画書は「絵に描いた餅」になっていますが、それでは、
単なる時間とコストの無駄になってしまうのです。
 

2010年2月19日

どの得意先を大事にべきか


どんな会社にも複数の得意先があり、取引条件が異なっている場合があります。
ABC管理という管理手法があります。税理士には必須知識ですが、案外実践さ
れていませんので、今回は、得意先管理の手法について考えてみたいと思いま
す。。

 
たとえば、取引先としてA社、B社、C社、があったとします。
そして、取引先ごとの粗利益率は下記のとおりとします。


・A社・・・50 %
・B社・・・60%
・C社・・・40%


さあ、この率が固定であるならば、どの会社への営業を強化すべきでしょうか?


答えはB社とは限りません。なぜならば、粗利益率だけで判断すべきではないから
です。


どの得意先を大事にするかを考える場合、最初に考えることは「粗利益率」と
「売上金額」の乗数です。


たとえば、上記3社の月間売上金額が下記のとおりだったとします。


・A社・・・5000万円
・B社・・・3000万円
・C社・・・6000万円


この2つの要素をかけ算すると、こうなります。

・A社・・・50%×5000万円=2500万円
・B社・・・60%×3000万円=1800万円
・C社・・・40%×6000万円=2400万円


ここで計算した数値は得意先ごとの「月間粗利益」とよばれ、得意先ごとの
販売効率を表します。


だから、粗利益率が固定である前提で、最初の質問「どの会社への営業を強化
すべきか?」に戻るならば、


答えは、最も月間粗利益の多いA社」なのです。


そして、順番はA社、C社、B社となり、粗利益率が最も高いB社は販売効率が
最も悪い得意先となってしまうのです。


これだけならまだいいのですが、粗利益率が大きいB社のためだけに多くの在庫
が眠っているかもしれません。


B社に納品するための外注費がかかり、B社から回収する前にこれを支払わなけれ
ばならないケースもあります。 

 
また、B社に売り上げてもお金はなかなか支払われないかもしれません。


在庫、外注費が資金繰りを圧迫するかもしれません。実際、売上が上がれば
上がるほど、 資金繰りが厳しくなっている会社は世の中にたくさんあるのです。


しかし、「B社の仕事は利益率が大きいから」ということで、B社を優先している
会社は本当に多いのです。


つまり、頭の中が損益計算書なのです。この状態を続ければ、黒字倒産になるかも
しれません。


会社が倒産する場合、損益計算書の数値が悪いから倒産するのではありません。


貸借対照表の数値が悪く、お金が無いから倒産するのです。
 
 
資金繰りが圧迫されている中小企業はたくさんあります。


だからこそ、得意先の「選択と集中」が必要な時代です。


やるべきことは、下記の2つです。


1.粗利益率の改善
2.売上債権の回収期間の改善


粗利益が大きいは重要ですが、それだけに惑わされてはいけないのです。
 

2010年2月16日

なぜ赤字企業になるのか?


最近、世界的な普及の影響か、税理士事務所の顧問先企業の中にも、
赤字のところが増えてきたように思います。赤字の原因は大きく分けて
次の5つの経営課題をまず検証する必要があります。
【1】経営体質【2】財務体質【3】商品力【4】販売力【5】マネジメント力、です。


【1】経営体質


業種・業態によって労働力構成が違ってきます。まずは、労働力構成を根本的に
見直す必要があります。


(1)労働集約型企業でパートなど臨時社員の比率が低い。
(2)季節変動の大きい業界で社員の定員数が受注のピーク時にセットされている。


したがって閑散期の仕事量が少なく、年間を通じた生産性は低いものとなります。
この労働分配率が月変動なく一定の水準で動くシフトづくりが必要であす。


(3)平均年齢の高い企業で年功序列型賃金体系をとっている。この場合は労働
分配率が高くなる。


業種等で違いがありますが、総じて労働分配率は、50%以下が理想であり、
60%を超えると赤字体質となると言われています。


【2】財務体質


(1)借金経営


借入金が限度を超えており、高い金利負担のために利益が出ない状態。
金利水準が歴史的低水準の今日であっても、2から3.5%程度であり、
営業利益率と比較して、月商の3月分程度が理想であり、売上と等しい
借入金や高利の街金では存続は困難です。


(2)貧血体質


流動比率(流動資産/流動負債)が100%以下で、特に80%を切って
いる場合は資金繰りが苦しくなります。結果、資金繰りのために、売上を
伸ばすための安売りや長いサイト手形を切るために、結果として高額な
仕入価格、売上総利益の減少となり、慢性赤字の原因となります。


財務体質の悪い企業は資金繰りのために無理をするので、ますます悪循環に
陥っていきます。小手先の対策ではなく抜本的な大手術を施さないと倒産の
可能性が高まります。


【3】商品力・商品力の衰弱化


商品力が弱い場合、粗利益率が低くなるので、売上は伸びても利益が伴って
きません。商品力が弱い要因には次のものがあります。


(1)商品のリニューアルが不十分なためマンネリ化となっている。
(2)商品のライフサイクルが衰退期にさしかかっている。
(3)品質が悪く低グレードに位置づけされている。
(4)開発体制の見直しやマーケティングの強化も必要であるが、それ以前に
   経営の感覚・センスの問題である。


ここでは、自社が何業であり、顧客のニーズ、同業他社の動向、自社の商品力
の強み・弱みの分析、市場への適合能力が問われます。

【4】販売力


多少、商品力が劣っていても販売力があれば商品は売れます。逆に、商品力が
あっても販売力がなければ商品は売れません。販売力とは次の要因の総合力を
言います。


(1)営業の質と量
(2)営業管理のノウハウ(受注先行管理、顧客管理など)
(3)販売促進のための諸制度
(4)販売ツールおよび販売に必要なマニュアル類の充実度
(5)各種営業チャンネルの開拓


【5】マネジメント力

中小企業の少ない経営資源、カネ・モノ・人・情報を総合的に管理・活用して
いるでしょうか。選択と集中が適正かが問われます。持てる経営資源を有効に
活用するマネジメント力が備わっていますか。


計画と実績、実績+計画=予想決算数値を月次定例で検討する経営会議による
選択と集中の意思決定と全社員への役員一丸となった意思の実行体制づくりが
求められます。
 

2010年2月14日

事務所通信2月号の紹介


私どもの事務所では、税理士事務所の顧問先でご希望の方に毎月
「経営レポート」という情報誌を提供しております。
今月のテーマは、「新規事業チャンス拡大の3つの道筋?」です。


⇒新規事業は検討着手が難しい


既存事業が行き詰まった時、あるいは、そうでなくても新たな飛躍を狙う際、新規
事業開発は欠かせないテーマになります。ところが、一般に、新規事業開発ほど
"着手"が難しい経営テーマはないとも言われるのです。なぜなのでしょうか。


⇒イメージがわかないし難しそうでもある!


それは、他のテーマと異なり、新規事業開発は"雲をつかむような話"が多いから
かも知れません。時には何から検討を始めるかのイメージさえつかめないことがあ
ります。


もちろん、一般的な"新規事業検討法"は、あちこちで手に入りますが、多様な
手法の検討を始めると、今度は"実行するのが不可能"なように思えてくることも
あるのです。


⇒ところが"1つのポイント"着目で...


ところが"1つのポイント"に着目すると、新たな事業チャンスを探し出す道が、
意外に容易に見え始めると言われることがあります。


そのポイントとは、"既存のお客様の元気"なのだそうです。


⇒既存客の元気観察から生まれる2つの道筋


"元気なお客様"とは、今後も購入や取引を拡大してくれそうな先で、逆に
"元気がない"のは購入や取引が先細りになりかねない先です。


そして、既存客に元気があるかどうかによって"2通りのチャンス検討の道筋"
が生まれてくるのです。道筋が見えると、最初の一歩を踏み出せます。そして
その"一歩"で、周囲の景色が変わり、更なる歩みを促進してくれるわけです。


⇒既存客の観察ができない時は...?

ただ、既存顧客を観察しても"元気かどうか分からない"こともあります。また、
観察できるほど顧客層が固定していないケースや、顧客の顔が見えている自信を
持てないこともあるでしょう。そんな時は"第3の道筋"から、新規事業を検討
し始めることが可能です。


⇒マネジメント・レポートを差し上げます!


3つの道筋は、意外に身近なテーマです。そこで、そのそれぞれに簡潔な事例を
添えて要点をまとめた、経営レポートをご用意いたしました。
ご希望者には、このレポートを差し上げます。ご一報ください。
 

2010年2月11日

銀行員が嫌がる決算書とは


銀行員が、融資の審査を行うにあたって、嫌がる決算書。それは、赤字で
あったり、債務超過であったりするのはもちろんですが、それとともに、
よく分からないところにお金が流れているように見える決算書です。
税理士事務所ですから、記帳代行の顧問先も当然あります。記帳している
と「現金残高」が異常に多いところが出てきます。


利益が黒字であっても、純資産(貸借対照表の右下)がある程度プラスで
あっても、このような、よく分からないところにお金が流れている決算書は、
銀行としては、嫌なものです。


先ほどの例のように現金残高が多いところは、資金がどこに流れているのか
よくわからない典型です。


例えば、次のような決算書はまだましかもしれません。


1. 経営者に、多額の貸付金や、仮払金が出ている。
2. 何かよく分からない会社に対し、多額の出資金や貸付金がある。


1.については、経営者が会社のお金を私的流用してしまったり、もしくは
粉飾決算において赤字を隠すところを経営者への貸付金にしてしまっている
パターンが多いです。もしくは、領収書を出せないリベートを、経営者個人
が払った形にして、そのお金は会社から出ている、というパターンもあります。


2.については、どこかから湧いて出てきた儲け話に経営者が乗ったもので
あったり、関係会社を増やすのが好きな社長がその関係者の設立や関係会社
の資金繰りのために、お金を出しているパターンが多いです。


あなたの会社の決算書を、一度見てみてください。


貸借対照表の中で、まず、次の勘定科目を見てみてください。


「前渡金」「立替金」「貸付金」「未収入金」「仮払金」
 

これらは、本当に資産としてみなしていいのか、疑問な科目が多いのです。


これらの金額が多額であると、勘定科目明細でそれらの内訳を見て、資産
としてカウントできるものか、それとも資産とみなせないものか、銀行は
吟味していきます。


資産としてみなせないものは、純資産からひいて、実質の貸借対照表を銀行
は作ります。


例えば、貸借対照表の純資産が5百万円ある会社が、一方、貸付金が経営者
に対して8百万円あり、それらが全て不良資産(ちなみに経営者への貸付金
はたいてい不良資産とみなされます)とみなされると、5?8=△3百万円の
実質純資産、つまり実質債務超過、とされ、融資審査において大きなハンデ
となります。


また「投資有価証券」「出資金」などの金額が大きくなると、銀行としては、
「なぜこんなところにお金が出ているの?もしかして、以前に出した融資が
流れてしまっているのでは・・・。」と考えてしまいます。


決算書を良く見せようと、粉飾決算を行う際にこれらの勘定科目の金額が
大きくなったり、もしくは本当にお金が流れていて、それが返ってくる
見込みがなくこれらの勘定科目が大きくなったりするパターンがありますが、
いずれにしても、資産としてみなせないとなれば、その金額分、純資産から
差引きますので、融資審査においてはそれだけ不利になる、ということです。
 

2010年2月 8日

電子手形の導入が始まっています


税理士である私は顧問先の紹介で、会計事務所として兵庫県中小企業家
同友会に加入しています。毎月会報が送られてきますが、その中におも
しろい記事を見つけましたので、ご紹介します。

昨年11月25日、カゴメが取引先への買掛金支払いのために電子手形を発行した
として話題になりました。


いち早くサービスを開始した三菱東京UFJ銀行100%出資の「日本電子債権機構?」(JEMCO)が登録機関となり、日本で初めての電子手形が発行されたのです。
今後、三井住友銀行やみずほ銀行、全国銀行協会などでもサービスを開始し、地方
銀行でもこのサービスに参入するとしており、中小企業として、電子手形サービス
を研究することは必須といえます。

紙ベースの手形には、いろんな問題がありました。手形詐欺事件などもあります
が、紛失や盗難の恐れがつきまとい、発行のための手形用紙の保管や決済日まで
の手形保管についてはコストもかかり、また、発行のための印紙代も相当大きな
負担となっていました。


そのため10年前の1991年に、枚数にして3億枚、4000兆円規模であった手形取引
が、2008年には枚数で3分の1、取引高で8分の1程度にまで落ち込んでしまって
います。

他方、中小企業の資金繰りを円滑化させるために、売掛債権を流動化する方法も
検討され実施されてはきました。


しかし、倒産した会社などで常に問題となりますように、売掛債権には、二重に
譲渡されてしまうリスク、あるいは通常の取引の中で起こる値引き減額や債務不
履行による相殺のリスクなど、譲渡や担保に供される債権そのものが存在しない
かもしれないというリスク(フロードリスク)がつきまとっています。


そこでこれらの問題点を克服し、売掛債権の流動化をすすめるために、IT技術の
普及を前提に創り出されたのが、「電子記録債権」というオンライン上の債権で
あり、これを手形として利用するのが、電子手形(e‐手形)というわけです。


電子記録債権は、JEMCOなどの電子債権記録機関が管理する電子記録原簿に登録
されることによって権利が発生します。


当然ながら債権を発生させるのですから、債権者と債務者の双方が、電子債権の発生
を記録するよう共同して請求手続をとることになります。


そして、この電子記録債権は、これを譲渡したい場合には、譲渡するものと譲受け
る者が双方で譲渡の登録を請求することで、譲渡の効力を生ずるわけです。そして、
もちろん、電子記録債権の債務者が支払を済ませた場合は、支払をした旨を登録
請求することで電子記録債権は消滅することになります。
 一般には、銀行との間で口座間の送金決済を通じて支払うことになりますので、支払の登録請求は銀行からなされることになります。


また、この電子記録債権は、コンピューター上に登録されているものですから、
手形に比べて債権の内容に関する情報を多く登録することができますし、1円単位
まで細かく分割して譲渡することもできます。


そこで、売掛債権を電子記録債権にすることにより、まとめて譲渡したり、分割
して譲渡することが飛躍的に簡単になり、また原取引とは完全に分離され、新し
く発生した債権ですので、電子債権記録自体に登録の変更がない限り、返品や
値引きなどによる減額や相殺のリスクなどの抗弁は切断され、取引の安全も確保
されています。


したがって、中小企業が取引先に対する売掛債権を電子記録債権として受け取っ
た場合は、その債権を自由に分割して、自らの仕入債務(買掛金)の支払に充て
たり、あるいはそれらをまとめて担保に供することで、資金繰りの円滑化をはか
ることを期待されているわけです。


JEMCOでは、特に、電子記録債権の発行体を大企業に限定し、変更または開示
については1回2100円の手数料を徴収するものの、譲渡に関する手数料(電子
署名にかかる手数料も含む)は徴収しないこととしており、中小企業が大企業
から支払を受ける場合には、変更等をしない限り、満期の受領金の送金において
銀行の手数料のみを負担すればよい仕組みをとっており、中小企業の利便性向上
に努めています。


銀行間の口座間決済取引を行う以上、当座預金が必要であることや不渡りなど
については電子債権記録機関が手形交換所と同様のルールを定めていますので、
特段変更はありません。


ただ、社内では個人認証を含めたセキュリティ対策などのパソコンの環境設備
は当然の前提条件となってくるでしょう。


ここにきて全国で約7000社が電子手形取引に参加する見込であると言われてい
ます。今年中には、皆様方の多くの会社でこの電子手形を受け取るケースが出て
くると思います。是非早期に研究をはじめていただくようお願いします。
   

2010年2月 5日

法人契約における「1年以上の保険料前納」は要注意


税理士ですから、節税の相談を受けることはよくあります。かつては、節税の
ために全額損金タイプの生命保険に加入するという方法がよく使われました。
今は全額損金タイプの生命保険は極めて限られた条件でしか利用できません。
それでは、法人契約の保険料を前納したらどうなるのでしょうか。。

深刻な経済不況が続くなか、経費の節減を狙い、生命保険の見直しを図るケース
が多くなってきています。しかし今でも、決算前に発生した活用使途のない余裕
資金のある社長から「今期は余裕資金があるから、加入している生命保険の保険
料を、この際、前納してしまいたい」というような相談があることがあります。


しかし前納したからといって、その事業年度内にすべてを損金処理できるわけで
はないので、注意が必要です。


例えば、保険料が全額損金となる定期保険の保険料(年払)を10年分まとめて
払ってしまった場合(9年分は前納)、当然ながら、支払った保険料をその事業
年度ですべて損金計上することはできません。


前納した保険料は資産計上することになりますが、支払った保険料のうち1年分
は必ず損金計上できると誤解しているされている方も多いのではないでしょうか。


仮に、3月決算の会社が、3月に年払い保険料を10年分払ったとしても、1ヵ月分
の保険料分しか損金に計上できないのです。


これは、そもそも年払保険料が「短期の前払費用」という特例扱いになっている
からです。法人税基本通達では、定期保険の保険料は「期間の経過に応じて損金
の額に算入する」とする一方で、「短期の前払費用(一定の契約に基づき継続的
に役務の提供を受けるために支出した費用のうち当該事業年度終了の時において
まだ提供を受けていない役務に対応するもの)の額はその事業年度の損金の額に
算入されない」と定めているのです。


しかし、「法人が、前払費用の額でその支払った日から1年以内に提供を受ける
役務に係るものを支払った場合において、その支払った額に相当する金額を継続
してその支払った日に属する事業年度の損金の額に算入しているときは、これを
認める」と定めています。


ですから、当期分と前納保険料を同時に支払った場合には、この条件を満たさな
くなるため、「短期の前払費用」の特例の適用ができないのです。


こののように、たとえ年払保険料でも、次年度以降の分も併せて前納したときは、
短期の前払費用に該当しなくなり、期間経過に応じた処理が必要となってくるの
で注意が必要です。
 

2010年2月 2日