「黒字倒産」という言葉があります。
つまり利益が出ているのに資金繰りに行き詰まり、倒産する状態のことです。
こんなことが起こるのでしょうか?
黒字倒産がなぜ起こるのか?
税理士としての私の経験からいいますと、
黒字倒産したという企業を見たり聞いたりしたことがありません。
ですから、会計本によく黒字倒産の話が出てくるとはいえ、
実際にはそんなに頻度の高い話でないと考えています。
このように書くと、「黒字倒産」があるから、「黒字倒産」という言葉があるのだと
お叱りを受けるかもしれませんが。
でも、税理士である私から見れば、黒字倒産は極めて特殊なケースであると
思われます。
では、なぜ黒字倒産が特殊なケースなのでしょうか。
それは、基本的に黒字企業の資金繰りが厳しくなった場合、銀行がほとんど
支援をしているという事実があるからです。
銀行は、企業の資金繰りが一時的に厳しくても、
黒字企業に対しての支援をやめるとは考えにくいです。
特に、今のような不況時には、黒字企業が少ないですから、
銀行はそのような企業にこぞって貸したいはずです。
つまり、貸出先に困っている状況下では、
特に銀行は、未然に黒字倒産を防ぐ役目を果たすでしょう。
ただ、黒字企業であっても、銀行が貸さないこともあるでしょう。
例えば、やたらと金利にうるさい社長で、融資した後もしつこく金利交渉
を繰り返すような企業には、たとえ黒字企業であろうとも、融資を断わることはありえます。
一貸出先に多大な労力を要し、銀行員の効率的な活動が制限されてしまうと
判断すれば、銀行は、他の貸出先に活動を振り向けたいと考えるでしょう。
それから、黒字企業でも何らかの理由で、
突然資金不足になることが手形決済日当日に発覚してしまった、という場合を
想定して考えてみます。
このような場合、常識的に考えれば、当日に融資申込みをして即融資実行の
パターンなんて、ありえない話ということになります。
私も、融資申込みは早めにしましょう、と言っていますので、
当日の融資はありえない、あるいはできない話と断言したいところです。
でも、本当に銀行が大事に考えている取引先であったら、
それでも、銀行は当日の融資を実行するかもしれません。
銀行の担当者が1?2時間で稟議書を書き、急いで審査部へ書類を廻し、
本部の決裁を受ければ融資は可能です。
そうすれば、午後3時になる前くらいまでに、融資を実行することも十分可能です。
相当ドタバタしますが、不可能な話ではないはずです。
このように銀行は失いたくない取引先については、黒字倒産なんて、させません。

