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クレジット決済と仕入税額控除の要件


消費税法は、帳簿の記載方法について、規定しています。
法人税法にはそのような規定はありません。
したがって、帳簿の記載方法を決定づけているのは、消費税法なのです。


法人のクレジットカードを使ってモノを買うことは少なくないが、その際注意
したいのは消費税の仕入税額控除を受けるための利用明細書です。ご存知の様
に、事業者が納める消費税は、本則課税の場合、その計算過程で課税売上にかかる
消費税から仕入税額控除を行うが、そのためには要件を満たした書類の保存が必要
となります。カード会社から送られてきた法人カードの利用明細書だけでは、この
要件を満たしていないことになります。


 仕入税額控除を受けるために保存しなければならない書類には、


(1)その書類の作成者(課税資産の譲渡等を行った事業者)の氏名又は名称、
(2)課税資産の譲渡等を行った年月日、
(3)課税資産の譲渡等に係る資産または役務の内容、
(4)課税資産の譲渡等の対価の額、
(5)書類の交付を受ける事業者(自社)の氏名または名称、


が明瞭に記載されていなければなりません。
また、これらの書類は7年間保存する必要があります。


そこで、クレジット決済の場合ですが、一般的には実際にモノを買った先の会社
が発行した利用明細書が上記の要件を満たしているので、これを保存しておけば
問題ありません。


気をつけたいのはネットショッピングの場合です。ネットショッピングのときは
明細が出ないので、その場合は、例えば商品の購入なら、送られてきた商品に
同封されている利用明細を保存しておくことが必要です。


購入先から利用明細がメールで送られてくるようなら、そのメールを印刷して
保存しておく。それらがない場合は、決済した際のモニター画面を印刷して保存
しておく、などが考えらます。ただし、それらの印刷物が上記の要件をすべて満
たしているかを必ず確認しなければなりません。これらの書類の保存を怠った場合
は、税務調査の時に指摘されて、その分の仕入税額控除が認められない可能性が
ありますので十分に留意ください。
 

続きを読む”クレジット決済と仕入税額控除の要件”
2009年9月29日

損益分岐点売上高


今回の景気後退で、売上が減少し、利益が出ない顧問先が
あります。そのような会社が経営を立て直すには、
損益分岐点分析の考え方が大変有用です。


費用には、売上に比例して増減する「変動費」と売上に関わらず発生する
「固定費」に大別されます。もちろん、「変動費」と「固定費」の区分は
それほど単純ではないかもしれませんが、どちらかいえば、「変動費」で
あるとか、「固定費」であるという大まかな分類でしか捉えられない費用
の方が多いのかもしれませんが、それでも「変動費」と「固定費」に分け
ることが基本です。


限界利益とは次の算式で計算されます。


  限界利益=売上高?変動費


損益分岐点とは、損益がトントン つまり経常利益がゼロになる点
(限界利益=固定費)をいい、このときの売上高を損益分岐点売上高といい
ます。


損益分岐点売上高は、「固定費÷限界利益率」で計算します。
限界利益率とは、「変動費÷売上高」で計算します。


例えば、固定費が600万円、限界利益率が60%の場合は


  損益分岐点売上高=600万円÷60%=1,000万円


売上高が1,000万円を下回ると、経常利益が赤字となります。


自社の損益分岐点を売上高を計算して、上記の解説を確認して、
損益分岐点売上高の考え方を良く理解して下さい。


いろいろと、応用が利く指標なので、今後の経営に活用して頂きたい
と思います。


利益を出すには、限界利益を増やすか、固定費を削減するしかありません。


また、限界利益を増やすには、売上を増やすか、限界利益率を上げるしか
ありません。


一般的には、固定費の削減が優先されますが、


自社にとって、可能な手段は何かよく検討しなければなりません。
 

続きを読む”損益分岐点売上高”
2009年9月27日

売上が減少し・・・


会計事務所の顧問先Y社が、「売上が減少し‥?」資金繰りが
苦しくなり、借入を実施しました。
昨年来同様のケースが多いと思うので、この問題を取り上げます。

色々な業界で価格破壊が起き、単価が低下し客数は同じでも、
売上が減少しています。


手元資金の余裕が低下し、借入れにより補充する経営者は多いと思います。


ただ小売業等の販売業は、一般に商品の仕入代金の支払より売掛金または
売上の回収が早く、手元資金は確保しやすいのが通常です。


売上は日銭で入る一方、仕入代金は一定期間後なります。


この差額である回転差資金の把握と有効活用が、重要な経営戦略と
なっており、捻出した資金を出店費用等に充当できます。


回転差資金は、買掛債務から売掛債権を差し引いて把握します。


自社の傾向・推移をしっかりと理解して、検討する必要があります。


1.同業他社と比較して、回転差資金は十分か、不足か。


2.現金取引は買掛金取引にすることは可能か、今のままで可か。


3.買掛金取引は支払期間の延長等が可能か、今のままで可か。


自社の状況を十分理解・検討して、経営戦略を判断すべきです。


売上の減少に対する基本的な戦略は、勿論販売力の強化で、
どこまで強化できるかも検討が必要です。


以上を総合的に検討し、借入れを考えて頂きたいと思います。
 

続きを読む”売上が減少し・・・”
2009年9月25日

副業が会社にばれない申告の仕方


最近は副業している方が、確実に増えています。
何か公式のデータをみたわけではないのですが、税理士をしながらの実感として、
副業している方は、確実に増えていると思います。


例えば、ネットオークションなどを使って儲けているとか、情報商材
(専門的な小冊子)などをつくって販売しているとか。


もちろんリアルな世界で、副業をしている方も増えているように思います。


★確定申告すると、会社に副業がばれる?


一般論として、副業していることというのは、会社に知られたくないものですよね?
確定申告すると、その確定申告書が税務署にいくだけではなくて、実は市区町村役場にもいきます。
なぜ、市区町村役場に行くかというと、その年の住民税の計算に使うからです。


そしてここからが大事なのですが、通常、サラリーマンの場合、
その住民税については、給与天引きで支払うことになります。


つまり、


税務署に副業収入を記載した確定申告書を提出
           ↓
市区町村役場にも同じものを自動的に提出(したことになる)
           ↓
副業収入がオンされた住民税額が市区町村役場から会社に通知される
(会社にばれる!?)
           ↓
毎月の給与明細から住民税が天引き徴収される


★じゃー、ばれないための手段はあるのか?


あります。(もちろん、絶対とはいえませんが。)


その方法とは、確定申告書の第二表にある、「住民税に関する事項」の
「給与所得以外の住民税の徴収方法の選択」欄における「自分で納付
(普通徴収)」にチェックをつけるのです。


こうすると、副業収入についての住民税の納付書は、
通常自宅に届くことになります。
先ほどのルートを通らないことになります。


絶対とはいいませんが、こうすると会社にばれずに副業収入を
確定申告することが可能かも!?


とはいえ、副業を行う場合、大前提として、会社の就業規則や服務規程などに
抵触しないようにしてください。あくまでも、本業第一を忘れないように。
 

続きを読む”副業が会社にばれない申告の仕方”
2009年9月23日

会社には決め事が必要です


会社をうまく運営していくためには、ルールが必要になります。
それは、就業規則のように法定の規則もありますが、
実務を円滑に進めるための必要なルールもあります。

会社を経営していると様々な問題に直面します。


問題の解決方法の一つとして、マニュアルや規則を作っておくと
いざと言う時に、早期に問題解決をすることができます。


つまり、ルールを作っておくということです。


「ルール」と聞くと、堅苦しく感じたり、自由を束縛されるという
イメージを持つ方も多いかもしれません。


しかし、スポーツやゲームにルールがあるのと同じように、
安全に自動車を運転するために道路交通法があるように、
会社を健全に運営するためには、会社にもルールは必要です。


ルールがないということは、秩序がないということですので、
その会社にとって大きなリスクを抱えるということになります。


私は、顧問先の社長から会社に問題が起きた際に相談されますが、
ルールがきちんとできていれば、そもそも問題が起きなかった、または、
容易に解決することができたものが、ルールがなかったばかりに、
後手に回ってしまったという例が少なくありません。


ルールをうまく整備し、運用させることができれば会社の安定経営に
大きく貢献することになります。


いわゆる就業規則などの法的な規則だけでなく、経営理念や会社をうまく回す
ためのルールなど「会社のルール」の効果・作り方・使い方について、
わかりやすく書かれた参考書ありますから、それらを有効に活用して
自社のルールというものを作成されることをお勧めします。


また、ルールの重要性を感じているものの、ルールを社員に浸透させたり、
うまく運用することができていないケースが少なくありません。


これからは、ルールと上手に付き合えるかで、会社の未来が変わってくる
と言えるかもしれません。
 

続きを読む”会社には決め事が必要です”
2009年9月21日

情報提供料と交際費


情報提供料は、全額会社の経費(損金算入)できるか、あるいは
交際費となるかは、情報提供料の処理次第で変わってきます。
税理士のアドバイスに従って、間違いのない処理をしましょう。


知名度の低い中小企業では、人材確保のために、人材紹介会社を使ったり、知り
合いのツテを頼ったりと、あらゆる手段を講じることになります。人材の紹介を
受けたことにより謝礼を支払う場合には、税務上注意が必要です。人材紹介会社
への謝礼(通常は年収の30%)は、「情報提供料等」として問題なく損金算入
できる一方、知り合いに対して謝礼を支払った場合には、「交際費」に該当し、
損金算入の制限を受ける可能性があります。


法人税法では、知り合いのように「情報提供等を行うことを業としていない者」に
対して、その情報提供等の対価として金品を交付した場合であっても、その金品
の交付について、例えば次の3つの要件のすべてを満たしているなど、その金品
の交付が正当な対価の支払であると認められるときは、その交付に要した費用は
交際費に該当しないとされています。


その要件とは、
(1)その金品の交付があらかじめ締結された契約に基づくものであること
(2)提供を受ける役務の内容が当該契約において具体的に明らかにされており、
  かつ、これに基づいて実際に役務の提供を受けていること
(3)その交付した金品の価額がその提供を受けた役務の内容に照らし相当と認め
  られること


したがって、契約がなかったり、金額が恣意的な場合には、「交際費」に該当し
損金算入が制限されることになります。


なお、上記(1)の「契約」の形式については、必ずしも個々の取引ごとに契約
書を作成する必要はありません。例えば、取引条件を店舗の窓口に提示するとか、
新聞などの媒体を通じて広告するといった方法により、非事業者からの情報提供
や人材紹介、取引のあっ旋を募るものでも認められるでしょう。


また、情報提供料は、いわゆる所得税法上の外交員等に支払うもの以外は源泉徴収
の必要はありません。
 

続きを読む”情報提供料と交際費”
2009年9月19日

税務調査の基礎知識(当日編)


前回に続いて、税務調査当日、税務調査を受ける際の心構えや
注意点を整理しました。
税理士としては顧問先に必ず説明している事項です。


1.調査当日


<1>調査の流れ


基本的には10時開始です。挨拶の際には調査官の証票を確認させてもらいましょう。
社長が挨拶し、会社の概要(商品やサービス、従業員数、事務所の場所等)や最近の業績を説明します。その後、実際に帳簿の確認が始まります。


総勘定元帳と、実際の請求書や領収書等の原始証憑との付け合せを行っていきます。不明点については、聞いて終わるような簡単な内容であればその場で質問を聞いてきます。資料の確認や取引の経緯の確認が必要な点等はその日の最後(大体4時か4時半)にまとめて質問を受けます。


最終日の夕方は実地調査の締めです。調査官は修正が必要と思われる項目について指摘をし、会社側がそれを認めた場合には後日に修正申告書を提出することとなります。また最終日までに処理が確定しなかった事項(必要書類が見当たらない、税務的な判断が必要となる項目等)については、解答は後日とします(再度調査官が訪問するケースは少ないです)。曖昧なものは「後日連絡する」と言いましょう。安易に答えるのは得策ではありません。


<2>昼食


基本的に調査官の昼食を用意する必要はありません(調査官も困るようです)。調査官は12時になると昼食をとりに外出し、1時前後に戻ってきます。なお調査中のお茶菓子等は問題ありません。


<3>「知って得する」項目


◆資料コピー等


通常の税務調査はあくまで任意調査ですから、資料のコピー等を強制されることはありません。但し円滑に調査を進めるためにも、コピーを求められた場合にはしてあげればいいと思います。


また資料原本(例えば領収書綴りを1年分等)を持ち帰りたいと言われることもありますが、基本的に納税者固有の資料でもあるため納税者の目の前で資料を確認してもらうことが前提かと思います。


よく「資料を持ち帰りたいと言われたら、断れないと思っていた。しかし持って行かれると何を調べられているか判らず気持ち悪いので、出来れば持っていって欲しくない」という意見を耳にします。


◆税理士の立会い


税務を日々扱う立場として、「税務調査の専門家である国税調査官」と「税務調査の素人である納税者」との橋渡し的役割を担っています。客観的事実や社長の意見をより正確に調査官に知らせるための存在ですので、調査の前にはしっかりと打合せをしておくことが重要です。


◆税務上問題となり易い項目


例えば期末と期首の売上計上のズレ、〆日後の売上の計上漏れ、現金払いの費用の処理は気をつけましょう。(仕入や給与を現金払いしているのであれば、その相手方の住所等を調べられる可能性もあります。出来るだけ支払いは振込みにしましょう。)


また、外注費か給与か(雇用関係の確認)、グループ会社の関係(取引内容の確認)、役員貸付金や仮払金(役員報酬ではないかと疑われる)等も注意が必要です。


また赤字決算の場合でも、役員給与(源泉所得税)、消費税、印紙貼付(印紙税)には注意してください。
 

続きを読む”税務調査の基礎知識(当日編)”
2009年9月17日

税務調査の基礎知識(準備編)


税務調査のシーズンです。
私の会計事務所の顧問先も今のところ数社、税務調査のオファーが
来ています。


「税務調査は秋が本番」です。


というのも、税務署は7月に異動があるため、異動後の1?2ヶ月で引継ぎを含めて調査会社を選定し、涼しくなる秋から実地調査に本腰を入れ始めます。


その年の年末までにはある程度の成果を出さないと(ノルマを達成しないと)、年明けから成績を締め切る5月までが忙しくなるため、できるだけ年内に成果を上げたいようです。


今回はこの税務調査について、その概要を知り、また基本的な税務調査の流れを知ることで、冷静かつ適切な対応をとれるようになっていただきたいと思います。


1.税務調査に関する法律を再確認


税法には「質問検査権(法人税法153条等)」といわれる条文があり、国税調査官は必要があるときは納税者に質問し、または帳簿書類等の検査をすることができる、とあります。
対する納税者については「受忍義務(同162条2項等)」で、税務職員の質問に対して答弁しない場合等は1年以下の懲役又は20万円以下の罰金を課す、という罰則が存在します。


2.税務調査の対象になり易い会社は


毎年のように税務調査が行われる会社もあれば、「もう前回の調査から10年以上経つが税務署から一度も連絡がない」という会社もあります。これらは【税暦(その会社に関する過去の税務調査の履歴をいいます)】によって税務調査の頻度が増減することにより生ずる差異です。


一般的に税務調査の対象となり易い会社は次のような会社だと言われています。


【1】長期未接触の会社(上記のように10年以上税務調査がないような会社)
【2】財務諸表の各数値に異常値がある会社(業種の変更、売上急増、粗利率の急変、特別損失の計上等)
【3】内部告発があった会社
【4】過去の税暦が悪い会社(数年ごとに定期的に調査があります)


また税務調査による不正発見の割合を業種別にみると、パチンコ・再生資源事業・ホテル業・産廃業が上位を占めており、これら業種のほか土木工事業も脱税額が大きいため、やはり税務調査の対象になり易い業種であるといえます。


3.税務調査の連絡を受けてから調査前日までにすべきこと


税務調査の連絡があった日から調査前日までを時系列にすると以下のようになります。


<1>事前通知


基本的には事前に税務署から連絡があります。確定申告書に「税務代理権限証書」を添付していれば、調査官は通常は顧問の税理士(会計事務所)に連絡をします。


※但し現金商売等の場合、事前予告なしに調査官が来る(現況調査といいます)場合もあります。これは調査官が直接会社に行き、その日の会社の金庫に不明な現金や小切手等がないかどうかを確認するために行われるものです。このような場合には、例えば会社の金庫内を実査させ、「金庫には問題がない」ことを確認してもらい、その日は帰ってもらう等の対応が賢明です。


そのまま調査を続行しようとする調査官もいますが、会社側の営業活動に影響が出て迷惑です。また、調査官が現況調査に来たら、必ずその場で税理士に連絡することを忘れないでください。税理士が来ることが可能なら、来るまで調査を待ってもらいましょう。


<2>事前に確認すべき事項


事前連絡をしてきた担当調査官の氏名と部署、当日は何人で来るのか、場所はどこで行うのか(基本は本店所在地ですが、経理資料の保管場所や参加人数により変更が可能です)、所要日数はどれくらいか、等は事前に確認してください。通常は、税理士が確認します。


<3>必要な経理資料を用意しておく


【1】定款・登記簿謄本・従業員名簿等の会社の基本資料、
【2】株主総会議事録・取締役会議事録等の重要事項を決定してきた資料、
【3】各種契約書(賃貸借契約や業務委託契約)、
【4】原則として3期分の総勘定元帳・領収書・預金通帳・売上や仕入等の請求書・給与台帳等の経理資料が必要となります。


当日になって見当たらないということがないように、事前に用意するように心がけてください。


<4>前日までの注意点


社長や経理担当者の机まわり、金庫内等はきちんと整理しておきましょう。電話帳、内線一覧、カレンダー(取引先名の記載あり)、会社で保管している印鑑、郵送物の確認もしておきましょう。不要なものがあったために調査官に意味なく疑われるのも心外です。代表者以外の役員(非常勤含め)の業務内容や役割も聞かれます。しっかり説明できるようにしてください。


また、過去の税務調査で指摘を受けた点も再確認しておきましょう。
 

続きを読む”税務調査の基礎知識(準備編)”
2009年9月15日

利益の資本組入れ


利益の資本組み入れは、会社法制定で出来なくなりました。
しかし、今年の4月以降から、また復活しました。
会計事務所の顧問先にも好評です。


顧問先I社で、「利益の資本組入れ」 について議論しましたので、
その概要を再度取り上げます。

利益の資本組入、これまで禁止されていた利益の資本組入が平成21年4月1日
から可能になりました。


利益の資本組入とは、無償増資の一種で、過去に蓄積した利益の一部である
利益剰余金(その他利益剰余金または利益準備金)を資本金に振り替えること
です。


現金を用意できなくても資本を増やすことができるので、増資の必要がある
場合には選択肢の一つとして有効な制度です。


株主総会の決議は必要ですが、会計処理としては、


(借方)繰越利益剰余金(または利益準備金)xxx(貸方)資本金xxx


という仕訳を起こすだけで済みます。

旧商法の時代には、利益の資本組入れは可能でした。
ところが平成18年の会社法施行によって資本と利益は厳密に分けると言う
趣旨から禁止され、資本組入の原資は資本準備金やその他の資本剰余金に
限られることになりました。


今回、各種団体の要望から、会社計算規則が改正され、再び認められる
ようになりました。


現在の税法では、利益の資本組入をしても配当という課税関係は発生しません。


内部留保のある会社は、この制度の利用を是非検討しては如何でしょうか。
 

続きを読む”利益の資本組入れ”
2009年9月13日

倒産しないために


「袖すり合うのも何かの縁」ということわざがありますが、
折角お客様になってくださった顧問先を倒産の危機から救う業務も
われわれ(税理士)会計事務所の大事な仕事です。

 
もとより、商売上の意思決定、様々な経営判断は、経営者自身が行う
べきですが、経理、財務面での意思決定をするための資料を作成する
のはわれわれ(税理士)会計事務所の本業です。


経営者から経営上の判断を聞き出し、経営計画・・損益計画や資金計画を
作成支援したり、資金調達の方法を助言し、中長期の経営計画のたたき台を
作成するのもわれわれ会計事務所(税理士)の大事な仕事です。


経営計画と実績数値を重ね合わせ、各部門ごとの予算・実績の異常値の
検証資料、予想決算、予想税額、予想資金繰り表の作成など付加価値の
高い仕事がわれわれ会計事務所(税理士)には、たくさんあります。


「倒産しない会社づくり」とは、「経営計画をしっかりと実行できる会社
づくり」と言い換えることもできるのではないでしょうか。


年度初めに経営者が計画した通り、否、それ以上の経営数値をたたき出して
いれば、絶対倒産することはないのです。


この不況の時代、経営計画もなく会社運営されている経営者は、台風の中、
レーダーなしに荒海に出発するようなものです。また、正しい月次決算を
していない会社とは、現在地を確認するGPS機能のない船のようなもので
難破=倒産は間違いないといってもいいでしょう。


これらをふまえて、顧問先を倒産の危機から防衛するためには、


【1】まず損益計画と資金計画を作ること。
【2】月次決算で正しい経営成績をつかむこと。
【3】1と2を結合させて、予想決算・予想資金繰り表を見ながら経営すること。


このまま推移すると倒産してしまうとわかっていれば、経営者は様々な
危機回避の手を打つことができます。


ある顧問先は、売上前期比14%減という危機的状況に対して、


【1】役員報酬の引き下げ 【2】夏季賞与の大幅削減 【3】社員給与の見直し
【4】不採算部門の見直し 【5】不採算部門の撤退 【6】新規事業部門の立ち上げ


などの施策を行いました。


このような会社には倒産は無縁です。なぜならば、危機に対応できる仕組みが
できているからです。
倒産する会社はまず放漫経営であり、成り行き経営であり、判断・決定をしない
会社なのです。
 

続きを読む”倒産しないために”
2009年9月11日

売上リベートは金銭に限る


「売上リベート」は金銭交付が望ましいのです。
物品等を交付する場合には、「交際費」と認定されるケースがあります。
税理士からのアドバイスです。


得意先に対して「売上割戻し(リベート)」を支払うことがありますが、
その場合、これを金銭で行うか物品で行うかによって課税上の取扱いが異なる
ので注意しましょう。


金銭による売上割戻しは単なる売上代金の返戻として取り扱われることになりま
すが、これを物品によって行った場合には「交際費課税」の問題が生じることに
なります。物品を取引先に交付する行為は、取引の謝礼としての贈答にほかなら
ないからです。


ただし、物品を交付する場合であっても、事業用資産やその物品の購入単価が
少額(おおむね3000円以下)である物品等で、その交付の基準が金銭による売上
割戻しの算定基準と同一である場合などは、これらの物品の交付費用は「交際費
等」に該当しないことになります。事業用資産とは、得意先において棚卸資産や
固定資産として販売または使用することが明らかな物品をいいます。


また、ビール券や図書券などのように、引換物品の種類が特定されている商品
引換券等については、その券面金額により少額物品となるかどうかを判定します。
ただし、商品券やお買い物券などのように、引換物品の種類が特定されていない
商品引換券等を交付するための費用は、「交際費等」に該当します。要するに、
売上割戻しを行う際には、それが少額物品である場合等を除き、金銭で行ってお
くのが無難ということになるでしょう。


なお、旅行や観劇などの招待は、それが売上高等を算定基準としたものであっ
ても「交際費等」に該当します。売上割戻しであっても、一定額に達するまでは
現実に支払わないで預かり金等として積み立て、一定額に達した場合に、その積
立額によりその得意先を旅行や観劇などに招待することとしているときは、旅行、
観劇等に招待した日を含む事業年度において「交際費等」として支出されたもの
とされます。
 

続きを読む”売上リベートは金銭に限る”
2009年9月 9日

税金未納と融資


税理士をしていると、会計事務所の顧問先から資金調達に関して、
さまざまな質問を受けます。
今回は、「税金の未納」があるが・・・・というのものでした。


仮にAとします。
Aさんは起業に当たり融資を受けることを検討されています。
日本政策金融公庫の「新創業融資制度」を考えておられます。


500万円の借入希望で、自己資金として500万円は準備されています。
ところが、過去、現在に税金の未払い、滞納があります。
このような状態で、はたして審査が通るのか、
心配で会計事務所に電話を掛けてこられました。


日本政策金融公庫の新創業融資制度は、自己資金の要件があります。
Aさんの自己資金は500万円とのことですが、500万円の融資を
希望されているのでしょう。


過去、現在において税金の未払い、延滞があるとのことですが、
申込み時には完納していなければ融資は無理です。


なぜならば、「納税証明書」の提出が必要となり、そこに未納が出てくると
それだけで否決となるからです。


日本政策金融公庫は、国税の納税状況を確認します。


一方、都道府県等の制度融資の場合は、
信用保証協会が県税などの地方税の納税状況を確認します。


これらに未納がある場合は、融資は不可となります。


まずは最低限、未納の状況をクリアして融資の申請をする必要があります。


なお、税金の未納も問題になりますが、
過去の借入金の返済状況も問題になる可能性があります。


過去に借入金の返済において、延滞があると、
金融機関としては、貸し出し姿勢がネガティブにあります。


誰でも、理由はお分かりになりますと思いますが、
注意しておくポイントです。
 

続きを読む”税金未納と融資”
2009年9月 7日

借りるよりも立て直すこと


税理士として顧問先などを見ていますと
会社設立後、会社を経営していく過程で、経営者は色々な問題に遭遇します。
一番困るのが、業績不振で資金繰りに窮することです。


私のような税理士からしますと、社長から時折聞かれるのが、
「銀行から借りられたのでなんとかなりました。」という言葉です。


そもそもこのような会社のほとんどは、経営がうまくいっていない
から資金繰りに窮するのであり、まさに危機的状況なのです。


そのような危機的状況を乗り越えて、会社を立て直すには、
本来、経営を180度変えなければなりません。


問題の解決策は「銀行からお金を借りること」ではなく
「経営を大きく変えること」です。


たまたま銀行から融資が受けられたからといって、「借りられたから
なんとかなりました。」と安心し、経営改善をやめてしまう経営者は、
早晩、決定的な危機状態に陥ってしまうことになりかねません。


自社を再建できる経営者は、たまたま銀行から融資が受けられたのであれば、
「借りられたからなんとかなりました。」というのではなく


「今回借入できたのは本当に運が良かった。これが最後のチャンスだと
思って、経営を大きく変えていかなければ。」と思える経営者です。


銀行から融資を受けることは、ゴールではありません。あくまでスタートです。


多くの企業が銀行から融資が受けられない中で経営を変えていこうとして
いる中、たまたま融資が受けられた企業は、本当に運がよいのです。


それはまだ再建のチャンスがあるということであり、
一気に経営を変えていかなければなりません。


ただし、この場合に「銀行から融資を受けられた」というのを見ると、
たいていの場合が、粉飾決算による融資です。
粉飾決算に気付かず、銀行がやすやすと融資をしてくれた、「まやかしの融資」です。


本当は融資が受けられない企業が、粉飾決算により融資を受けた。それは
いけないことですが、それはそれとして、本当に最後のチャンスとして、
経営を変えていかなければならないのです。


一度は経営改革の決意をされた後、たまたま融資が受けられて
「借りられたからなんとかなりました。」と言って経営改善を止めって
しまった企業の多くが、後に倒産してしまうのです。


経営者の、あの決意はなんだったのか・・・。
あの時の決意を保っていれば、倒産することもなかったのに・・・。


厳しい状況の企業が、銀行から融資を受けられるのは、本当に運が良いこと
です。そこはゴールではなく、あくまでスタートです。そこで安心して
しまうと、最後のチャンスをつぶしてしまうことになり、倒産へ突き進んで
しまいます。
 

続きを読む”借りるよりも立て直すこと”
2009年9月 5日

売れ残り季節所品の評価損


今夏のように天候不順が続くと、季節商品の売れ行きは悪くなります。
税理士としては、売れ残り商品を処分できないと、
評価損の可能性を探ることになります。


今年の夏は、景気低迷に加えて平均気温が昨年よりも低く、天候不順なども
影響して、季節商品の売上が伸びなかった企業も多いことでしょう。
企業としては季節商品で売れ残った商品については、その税務処理が
気になるところです。


法人税法では、法人がその有する資産の評価替えをしてその帳簿価額を減額
した場合には、その減額した部分の金額は、原則として、損金の額に算入されない
とされています。


ただし、一定の事実が生じたことによって時価が帳簿価額を下回ることとなった
場合などには、特例が認められています。
法人が有する商品・製品などの棚卸資産については、
1.災害による著しい損傷、
2.著しい陳腐化、
3.これに準ずる特別の事実、
によりその価額(時価)が帳簿価額を下回ることになった場合には、
損金経理により期末時価までの評価損を計上することが認められています。


棚卸資産の著しい陳腐化については、法人税基本通達において
「棚卸資産そのものには物質的な欠陥がないにもかかわらず経済的な環境の
変化に伴ってその価値が著しく減少し、その価額が今後回復しないと認められる
状態にあることをいうのであるから、例えば商品について次のような事実が
生じた場合がこれに該当する」とされています。


その例示の一つとして、「売れ残った季節商品で、今後通常の価額では、
明らかに販売できなくなったこと」と明示されています。
 


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2009年9月 3日

黒字倒産はあることなのか


「黒字倒産」という言葉があります。
つまり利益が出ているのに資金繰りに行き詰まり、倒産する状態のことです。
こんなことが起こるのでしょうか?


黒字倒産がなぜ起こるのか?


税理士としての私の経験からいいますと、
黒字倒産したという企業を見たり聞いたりしたことがありません。


ですから、会計本によく黒字倒産の話が出てくるとはいえ、
実際にはそんなに頻度の高い話でないと考えています。


このように書くと、「黒字倒産」があるから、「黒字倒産」という言葉があるのだと
お叱りを受けるかもしれませんが。


でも、税理士である私から見れば、黒字倒産は極めて特殊なケースであると
思われます。
 

では、なぜ黒字倒産が特殊なケースなのでしょうか。


それは、基本的に黒字企業の資金繰りが厳しくなった場合、銀行がほとんど
支援をしているという事実があるからです。


銀行は、企業の資金繰りが一時的に厳しくても、
黒字企業に対しての支援をやめるとは考えにくいです。


特に、今のような不況時には、黒字企業が少ないですから、
銀行はそのような企業にこぞって貸したいはずです。


つまり、貸出先に困っている状況下では、
特に銀行は、未然に黒字倒産を防ぐ役目を果たすでしょう。


ただ、黒字企業であっても、銀行が貸さないこともあるでしょう。
例えば、やたらと金利にうるさい社長で、融資した後もしつこく金利交渉
を繰り返すような企業には、たとえ黒字企業であろうとも、融資を断わることはありえます。


一貸出先に多大な労力を要し、銀行員の効率的な活動が制限されてしまうと
判断すれば、銀行は、他の貸出先に活動を振り向けたいと考えるでしょう。


それから、黒字企業でも何らかの理由で、
突然資金不足になることが手形決済日当日に発覚してしまった、という場合を
想定して考えてみます。


このような場合、常識的に考えれば、当日に融資申込みをして即融資実行の
パターンなんて、ありえない話ということになります。


私も、融資申込みは早めにしましょう、と言っていますので、
当日の融資はありえない、あるいはできない話と断言したいところです。

 
でも、本当に銀行が大事に考えている取引先であったら、
それでも、銀行は当日の融資を実行するかもしれません。


銀行の担当者が1?2時間で稟議書を書き、急いで審査部へ書類を廻し、
本部の決裁を受ければ融資は可能です。


そうすれば、午後3時になる前くらいまでに、融資を実行することも十分可能です。


相当ドタバタしますが、不可能な話ではないはずです。


このように銀行は失いたくない取引先については、黒字倒産なんて、させません。
 

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2009年9月 1日


柴崎公認会計士・税理士事務所
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