税理士には、企業の資金繰り状況がよく分かります。
今回は、「リスケ」つまり、返済条件の変更についてです。
もちろん、大半の顧問先はそんな必要などないのですが。
これまで銀行がリスケ(返済条件の変更)を行うと、不良債権扱いになりました。
しかし、金融庁は、昨年「金融検査マニュアル」の改定を行い、
返済条件の変更をしても、不良債権にならない取扱いの拡充をしました。
そのため、銀行が返済条件の変更に応じやすくなったのです。
条件緩和を行っても、不良債権にならない取扱いの拡充の内容
・従来、3年以内に経営が健全化する経営改善計画が必要だったところを、
原則5年、進捗状況が良好な場合10年に延長されました。
・計画未作成でも、今後の経営改善見通しがあれば、計画がある場合と同様の取扱いをする。
・計画の進捗が遅れていても、その原因を分析し、
今後の改善が見通せるならば、計画通りに進んでいる場合と同じように取り扱う。
金融庁公表の資料によると、
平成21年1?3月期には、金融機関全体で、39,117件の貸出条件緩和を行い、
その内14,502件(37.1%)は、不良債権からはずれています。
金額ベースでも、1兆8,366億円の貸出条件緩和を行い、
その内8,398億円(45.7%)は、不良債権からはずれています。
これらの数値からみれば、金融機関が貸出条件緩和をやりやすくなっていることは明らかです。
しかし、経営改善の見込みがなく、
不良債権となったものもまだ過半数以上ありますから、
すべて不良債権とならなかったわけではありません。
というのも、条件緩和を行っても、
不良債権にならない取扱いの拡充は、
あくまでも金融庁から金融機関に対しての要請であり、
必ず金融機関が返済条件の変更をしなければならないという義務はないからです。
ですから、取引先から返済条件の変更依頼を受けても、
経営改善の見込みがあることが、経営計画書で明らかであることが
大変重要になると思われます。
例えば、毎月500万円の元金返済は無理だが、
300万円の元金返済なら十分可能だといったケースなら、
今後のアウトラインになるような計画書を作り、
銀行交渉すれば条件変更をのんでもらうことは、十分可能でしょう。
しかし、毎月元金の返済が全くできないような経営状況なら、
条件変更は難しいでしょう。

